見出し画像

【いけいけ!ぼくらのアイスランド!】2018ロシアW杯にむけて



W杯がはじまります。完成度はクラブチームに比べるべくもないという論調も真実だと思われますが、海外サッカーシーンを追いかけられない自分にとっては「サッカー万国博覧会」のようなものであり時間制約があるからこそ現れる各国の「最先端の最大公約数」を一気にチェックできる貴重な機会ですし、オールスターゲームとしての娯楽的な面白さはやはりW杯に勝るものはないと楽しみにしています。

そうはいっても64試合の長丁場。さらにはロシアとの時差によって平日休日ひっきりなしの深夜放送ということで、ちゃんと観戦しようとすると過酷を極めます。 8グループ32チームで争われるグループリーグはさながら銃弾の錯綜するメキシコの荒野......手ぶらで放り込まれれば集中力は蜂の巣となって死に、シけたパブで酒に溺れ、ホットなベイブに出会い、ロナウドメッシネイマールなどと壊れかけのradioにように呟きながら老いて死ぬ...そんな結末になりかねません。

そういうわけで"推し"チームを設定することにしました。サッカーの対戦型・陣取りゲームという性質から、事前に情報を仕入れた"推し"と比較対照することで他のチームの情報がそんなに無くても試合の様相がかなりわかりやすくなるからです。普段自分がふだんパクさんやむっくんのケツを追いかけて情報を得ている方式をそのまま援用したろうという魂胆。

今回選ぶ"推し"はD組のアイスランド。理由は以下の通りです。いけいけ!ぼくらのアイスランド!



人口40万弱の小国がW杯出場というエモーショナルさ

アイスランドの人口は348580人(2017年12月時点:外務省HPより)で、福島県いわき市の345654人(2017年10月1日現在:いわき市HPより)とほぼ同じ規模。いわきFCの選手が全員いわき市民で、メッシとかモドリッチとかと対決する…というイメージになりますでしょうか。ちょっとこれは応援したくなってしまう。

とはいえ、アイスランド代表選手は英プレミアリーグ、独ブンデスリーガ、伊セリアA、蘭エールディビジと欧州のトップリーグでバリバリやっている選手が揃っています。選手名鑑情報によると彼らの多くは08/09シーズンにデビューした世代で、アイスランドはその人口の少なさを逆用した育成手法によって彼らの才能を花開かせています。

より具体的には、指導者のUEFAライセンス取得を義務化することで、ジュニア年代の指導をトッププロレベルに引き上げ、トッププロ指導者一人当たりの見る選手の数も少ない人口により少なく抑えられ、きめ細かい指導が出来る、というシステム。






小国が大国を倒すためにあるべき姿を妥協せず追求する。辺境の島国としてシンパシーと同時に眩しさを抱かざるを得ません。いけいけ!ぼくらのアイスランド!



②名前の語感がすごく…ヴァイキングです…

選手名鑑をぱらぱらと開くと、アロン・グンナルソン、ビルキル・ビャルナソン、アルフレッズ・フィンボガソン…どの選手の名前も「○○ソン」、そして濁点の多い硬質な音の響き。そう、「○○の息子、△△!」というヴァイキング名乗りなのです。『ヴィンランド・サガ』で読んだやつや~かっこいい~アニメ化楽しみ~



アイスランドはヴァイキング植民が建国のルーツであり、勝利後のヴァイキング・クラップは代表的なパフォーマンスとなっています。彼らの名前もヴァイキング時代の言語、古ノルド語が由来であることが多いようです。ナチュラルボーン厨二だ…だからグンナルソン(軍神+息子)とかシグルズソン(勝利の守護者+息子)とか名前が被りがちだけどカッコいいからしょうがないよね!





ヴァイキング・パワーで強国を蹴散らせ!いけいけ!ぼくらのアイスランド!







③鉄の団結力で耐えて一発という個人的な原風景


サッカー観戦にハマった個人的な原風景は2006年ドイツW杯のイタリア代表でした。(小学生だともはや生まれる前なんですね…と今震えが来ています)

修学旅行中で学年総出で日本代表を応援していたのをそっちのけでジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾの血の滴るステーキのようなタックルをかぶりつくように見ていましたし、ファビオ・カンナバーロのどんなピンチも止めて見せる気迫と冷静な読みに心酔。そして一発のチャンスを沈めるカタルシスにすっかり夢中になってしまいました。準決勝のデルピエロのゴールはいまだにベストゴールかもしれません。(見返したらグロッソさんで懐かしさのあまり笑ってしまった)





いわゆる”○○頼みのクソサッカー”なわけですが、剥き出しの勝負の持つこの熱気が原風景になっています。アイスランド代表も4-4-2の一致団結した守備とロングスローなどのセットプレー爆撃でEURO2016でダークホースを演じましたが、W杯予選を首位で突破しフロックではないことを見せつけています。今大会もその熱量があるのではないかと期待をして観戦していきたいと思います。いけいけ!ぼくらのアイスランド!






いきなり暗黒銀河FW帝国アルゼンチンとの大一番!!


アイスランドの試合は日本時間6/16 22:00からアルゼンチン、6/22 24:00からナイジェリア、6/26 27:00からクロアチアとなっています。どこも難敵ばかりですが、どちらかといえば「自分たちのサッカー」派でしょうからアイスランドの戦法がはまりやすいのではないかとだいぶ楽しみです。願わくばグループリーグ突破。

まずはアグエロ・ディバラ・イグアイン・メッシの暗黒四天王擁するアルゼンチンをヴァイキングパワーで抑え込めるか、いきなり大注目です。いけいけ!ぼくらのアイスランド!