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【効いた曲ノート】C.ヘイゼル『3匹の猫』より“Black Sam”

涼しくなったのでなまった身体に筋トレのムチをいれたら風邪を引いてしまいました。あほの極み。。

体調は悪くはないのですが、鼻ズルズル喉ガラガラで不快感だけものすごい。喉がガラガラするのでガラガラ声の猫がモチーフになった曲に癒されるなどすることにしました。あと雨が続いてるし。それにも合っている。

『3匹の猫』は金管楽器のみで編成されたバンドの先駆けであるPJBE(フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル)の嘱託作品のひとつで、作曲者の愛猫がモチーフになっています。

"Black Sam"は嗄れ声の黒猫とのことで、弱音器(ミュート)による金属音で表現した黒人霊歌風のintroから煙った音の渋いブルースへ繋がります。

温厚な猫だったというBlack Samを象徴する柔らかな温色の主題を奏でているのはフリューゲルホルンという楽器で、トランペットの仲間なのですが、トランペットよりもベル(音の出てくる先端部分)が広く、柔らかい音が出ることからジャズで好まれています。いわゆるスモーキーな音が勝手に出てくるので自動的に渋イケオジになれる気がして好きです。

そしてこの"Black Sam"はまたベースラインがめちゃくちゃかっこいい。低音を担当するテューバとは基本的に演奏の骨格になるリズムと太い音でバンドを支えているのですが、メロディの合間に超クールな合いの手が入ります。バス・トロンボーンのバリ感のアクセントもCOOL。

密かに跳躍しており(大きな管楽器ほど跳躍するのはおそらく大変)難しそうなのですが、テューバ奏者のジョン・フレッチャーは当代一と謳われた真の男なのでさらりとキメていてなおさらかっこいい。


ヴァイオリン奏者がテクニックを誇示するために描いた「チャルダッシュ」をその何倍もでかいテューバで吹きこなすジョン・フレッチャー。真の男だと完全にしょうめいされた形だ

秋雨したたる肌寒い夜に。ああいい。煙る空。そして光。

かぜをはやくなおしたい。

それでは。