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半年ROMったので将棋ウォーズはじめました #1 死に至る緊張


はじめに

2019年の夏ごろからちゃんと将棋を指せるようになりたいなと思うところがあって、モバイル中継に入会したり、将棋の入門書から始めてぴよ将棋(入門からガチまでCPUが将棋を指してくれるアプリ)相手に指してちょっとずつレベルを上げつつということをやっておったわけなのですが、その中でも、動画サイトに投稿される「将棋ウォーズ」の実況に憧れがありまして。

エフェクトの外連味が魅力的ですし、段位や級位が公式に認定されるというのが大きい。自分の実力はちゃんとついているか、確かめてみたいと思いつつありました。とはいえ、人と指すと思うとド緊張してしまって、「対局開始」のボタンが押せず練習対局(対CPU)を指したり観戦したりでそのまま半年が過ぎてしまいました。

そういった中、世はまさに大STAY HOME時代となりまして、これ幸いと将棋の時間が増えてそろそろCPU相手も煮詰まってきたので(強くなったわけではなく精神的にです)、えいやっと将棋ウォーズの海に飛び込んでみました。この記事はその記録で、デビュー二戦目となりますが、自分が指しててすごい面白かったのでこうして記事という形で残すこととしました。

というか、このブログはサッカーの試合観戦の検討のために始めたのですが、なんか7月か8月くらいまで試合できなさそうということであまりにもアウトプットするものがなさ過ぎたので、これをネタにしてやっていきたいと思います。

なお、局後の検討はShogiGUIを用いています。


棋譜と指し手についてのコメント

先手:わたし 29級
後手:お相手の方 2級

開始日時:2020/05/06 15:31:48
棋戦:将棋ウォーズ(10分切れ負け)
持ち時間:10分
先手の戦型:四間飛車
後手の戦型:4六右銀急戦
手合割:平手
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) (00:01/00:00:01)
→デビュー2戦目でいきなり2級の方(それも2500局も指している)と当たってめちゃくちゃビビっています。家に居ながらにして自分の心臓バクバク音聞いたのアレなサイトで架空請求トラップを踏んでしまって以来かもしれない。
2 3四歩(33) (00:00/00:00:00)
3 6六歩(67) (00:05/00:00:06)
→四間飛車しかできないのですが、相手の方も角交換振り飛車得意とちらっと映ったのでやや逡巡。
4 8四歩(83) (00:02/00:00:02)
→戦後マイページから調べたら後手番居飛車採用されてるようでした。
5 7七角(88) (00:02/00:00:08)
→対抗形とわかったのでわかりやすくなって喜び勇んでいます。ここからは早い。
6 8五歩(84) (00:01/00:00:03)
7 7八銀(79) (00:01/00:00:09)
8 6二銀(71) (00:02/00:00:05)
9 6七銀(78) (00:02/00:00:11)
10 5二金(61) (00:01/00:00:06)
11 6八飛(28) (00:04/00:00:15)
→居飛車だとして何してくるんだろうとやや迷い。こういうのもったいないですね。今思うと。
12 4二玉(51) (00:02/00:00:08)
13 4八玉(59) (00:01/00:00:16)
14 5四歩(53) (00:01/00:00:09)
15 1六歩(17) (00:04/00:00:20)
→ぴよ将棋の穴熊にトラウマがあるので囲う前にあいさつしてみました。
16 1四歩(13) (00:01/00:00:10)
→穴熊の予定はなかったようで一安心。以下、普通に囲いあいへ。
17 3八銀(39) (00:02/00:00:22)
18 5三銀(62) (00:01/00:00:11)
19 3九玉(48) (00:04/00:00:26)
20 6四歩(63) (00:02/00:00:13)
21 2八玉(39) (00:06/00:00:32)
22 7四歩(73) (00:02/00:00:15)
23 5八金(69) (00:14/00:00:46)
24 9四歩(93) (00:03/00:00:18)
25 4六歩(47) (00:05/00:00:51)
26 3二玉(42) (00:02/00:00:20)
27 3六歩(37) (00:02/00:00:53)
28 4二銀(31) (00:01/00:00:21)
29 3七桂(29) (00:02/00:00:55)
30 6五歩(64) (00:03/00:00:24)
→後手玉囲う前の仕掛けに驚きました。急戦ってやつだ。今指してるレベルだとあんまりぴよ将棋急戦の定跡をちゃんと指してこないのでかなり不安。
31 4七金(58) (00:05/00:01:00)
→角交換した後の後手の飛車先がわからなかったので放置して高美濃へ。
32 6四銀(53) (00:17/00:00:41)
*△戦型:4六銀右急戦 というらしいです。定跡書ちゃんと読めてないことが明るみになってしまった。
33 5六歩(57) (00:10/00:01:10) 
→よくわからなかったので金が戦場にいけるように突いてみましたが良くないようです。代えて6五歩から角交換で後手の銀が質駒なので有利だったとのこと。ここは落ち着いて考えたかった。


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34 7五歩(74) (00:36/00:01:17)
35 5七金(47) (00:46/00:01:56)
→疑問手。ここも6五歩の決行が有力。ここで時間使うなら33手目でもっと考えるべきだったんですよね…
36 7六歩(75) (00:11/00:01:28)
37 7六銀(67) (00:05/00:02:01)
38 6六歩(65) (00:05/00:01:33)
→後手はここで代えて7二飛と寄るのが定跡のようです。ソフト評価互角に戻っています。相ガバりだ。
39 6六角(77) (00:03/00:02:04)
→この手は金を寄った手が悪くなりそうだなーと思ってたのですが、次善だったようです。ただ、代えて先に6六飛車と取って角を残しておいた方がプラス。確かに後手玉にらめますし、つり出された銀も生きてきそうな形になります。これは教科書に載ってそうなやつだったな…


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40 6六角(22) (00:04/00:01:37)
41 6六飛(68) (00:01/00:02:05) 
→角交換後に自陣の金銀がバラバラになってしまったのでだいぶ困りました。形勢は互角だったようですが、時間を投入して自信のない局面にしてしまいより一層時間が無くなってしまう悪循環。後に響いてしまいました。
42 6二飛(82) (00:58/00:02:35)
→さばきで取り残された銀をつなげるいかにもよさそうな手。考慮時間はこうやって使いたいものです
43 7二歩打 (00:08/00:02:13)
→代えて2六角打が機敏な切り返しとのことですが、全く頭になかった。次の一手問題だ。6五歩打がすぐ浮かんだのですが、角を先手陣に打ち込まれて飛車と銀が窒息死しそうなのでなんか攻めたかったのですが、いい手で無かったことがこの後わかります。
44 8八角打 (00:07/00:02:42)
→飛車を狙いつつ駒得しようというさばいた後によくある筋。そうかーこれがあるから39手目は先に飛車で取るべきだったんですね。
45 7一角打 (00:38/00:02:51)
→角を合わせるのがセオリーだと思われるのですが、一方的に馬を作られてやられっぱなしで終わりそうだと思ったので、ちょっと勝負に行った手。といっても、それで互角だったのが-900近く悪くなってるし酷いですね。勝負をかけるなら33手目だったんだよな…。
46 6六角成(88) (00:12/00:02:54)
47 6六金(57) (00:03/00:02:54)
48 6九飛打 (00:08/00:03:02)
→後手はここで代えて7二飛と寄っていたらなんでもなかった(後手優勢-919)ようです。これでやや紛れました。


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49 6二角成(71) (00:15/00:03:09)
50 6二金(52) (00:01/00:03:03)
51 6七銀(76) (01:54/00:05:03)
→ここで2分も考えてしまったのが敗因でしょうか。さすがに受けないと負けるのでは、受けるとしたらどうなんだと悩んでしまいました。45手目の方針を一貫するべきで、☗6三歩打→☖同金→☗6一飛打といくと先手不利(-509)ながら攻め合いになったようです。

52 8九飛成(69) (00:18/00:03:21)
53 7一歩成(72) (00:35/00:05:38)
→時すでに遅い感のある「と金」ですが、まあこうするしかないかなと。
54 3五歩(34) (00:26/00:03:47)
→あからさまに桂頭攻めなのだ!ぴよ将棋にめちゃめちゃやられたから知ってるぞ。
55 8一と(71) (00:55/00:06:33)
→桂馬を逃げる手は攻めにも受けにもならないしダメそうということでここでも長考。ここ数手で時間使いすぎてますね。
56 9九龍(89) (00:11/00:03:58)
57 5八銀(67) (00:18/00:06:51)
→後手の攻めが意外とこなくてちょっと立て直すことができて悲観が和らぎました。チャンスがあるようなら「と金ちゃん」で取れる桂香と使いどころのわからなかった持ち駒の飛角で後手の桂頭攻めにカウンターが打てるのではないかと。
58 2四香打 (00:56/00:04:54)
→後手は代えて4四桂打で上からおしつぶすと勝ちやすかったようです。たしかに受けがわからない。先手からの3四香打や4五桂+3三歩打のカウンターを恐れてちょっとまちがえてくれたのではないかと勝手に思っています。
59 7一角打 (00:34/00:07:25)
→攻めというよりも桂頭に殺到してきそうで怖いので馬を作りに行きました。金取りに見せたフェイントだったのですが、結果後手を慌てさせたのでしょうか。まあわたしが将棋ウォーズビギナーだからひっかかってくれたのかな。

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60 5二金(62) (00:06/00:05:00)
→フェイントが成功しました。代えて6一の底歩だったらフェイント失敗。それは読めなかった…。そうなると万事休してたかも。
61 3五角成(71) (00:02/00:07:27)
62 7七角打 (01:02/00:06:02)
63 6七金(66) (00:56/00:08:23)

64 4四角成(77) (00:17/00:06:19)
→馬を消しに行った一連の手だと思いますが、玉頭の憂いが消えた上に「俺のターン!(ドン☆)」になったので、この対局で初めて指しやすくなったなと感じました。ソフト評価も先手若干有利(+300くらい)に逆転していたようです。


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65 4四馬(35) (00:11/00:08:34)
66 4四歩(43) (00:01/00:06:20)
67 6一飛打 (00:11/00:08:45)
→”俺のターン”が回ってきてちょっと元気が出てきました。といっても残り時間が1分しかない。。。
68 5三銀(64) (00:15/00:06:35)
→後手はここで先手の銀取りを受けずに3五歩打と改めて上から攻め合いにいくとよかったようです。それをやられたら確かにもっと早く時間切れで負けていたでしょう。


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69 9一と(81) (00:04/00:08:49)
70 5一金(41) (00:06/00:06:41)
71 7一飛成(61) (00:06/00:08:55)
→この対局で初めてまともな攻撃が通ってめっちゃうれしかったです。
72 6六歩打 (00:28/00:07:09)
73 5七金(67) (00:02/00:08:57)
74 3三歩打 (00:36/00:07:45)
→このあたりも後手の消極性が目立っているような感じがします。やはりカウンターを匂わせてたのが良かったのかな。どういうことを考えて指してたんだろう。
75 3五香打 (00:12/00:09:09)
76 8八角打 (00:15/00:08:00)
77 3三香成(35) (00:05/00:09:14)
78 3三桂(21) (00:03/00:08:03)

79 3四桂打 (00:06/00:09:20)
→この辺はもう時間が切れそうなので、いかにして攻撃を繋げるかということしか考えてなかったのですが、まさかの逆転があるのではとドキドキしてきました。とはいえあと40秒しかない。もっと早くから勝負しなさいよという話でしたね…


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80 2五桂(33) (00:18/00:08:21)
81 2五桂(37) (00:03/00:09:23)
82 2五香(24) (00:01/00:08:22)
83 2一角打 (00:08/00:09:31)
→このただ捨てが見えたときは勝った!と思ったのですが…はしゃぎすぎてこの後慌ててしまいました。時間を残すか、1秒で1億と3手読みたかった。返す返すも中盤のロスですね。


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84 2一玉(32) (00:05/00:08:27)
85 5一龍(71) (00:01/00:09:32)
86 3二玉(21) (00:22/00:08:49)
→ここで詰みがあったのですが、見事に逃しました。


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87 2二金打 (00:08/00:09:40)
→代えて2一竜からの9手詰め。だったそうですが、桂馬の利きに金を打つことしか考えてなかったので、本譜のように逃げられてしまいます。3手詰めハンドブックしかやってないけど、後手は2一竜は取れないということだけでもちゃんと読み切りたかったところ。
88 4三玉(32) (00:08/00:08:57)
89 4二桂成(34) (00:03/00:09:43)
→勝ったと思い込んでたので、思考停止してしまいました。4一竜でまだ先手勝勢(+1877)。包むように寄せよ、ですね…。
90 4二銀(53) (00:02/00:08:59)
91 3五桂打 (00:07/00:09:50)
→”王手は追う手”になってしまいました。あと10秒では詰ましきれないと思ったなら投了すべきで、この後はいわゆる棋譜を汚す手でした。負けを認めないと強くなれないですよね…。

92 5三玉(43) (00:01/00:09:00)
93 5二龍(51) (00:05/00:09:55)
94 5二玉(53) (00:01/00:09:01)
95 4三銀打 (00:03/00:09:58)
96 4三銀(42) (00:01/00:09:02)
97 4三桂成(35) (00:02/00:10:00)
98 4三玉(52) (00:01/00:09:03)
99 切れ負け
まで98手で時間切れにより後手の勝ち

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未来へ

・さばきの手の見えなさとメンタルのお豆腐らしさが足を引っ張ってしまいました。時間制限付きの将棋はやはり難しいです。定跡の知識はもちろんのこと勝負勘というものも全然ですし、免状をもらえる実力は遠そうだなあという一局でした。

・形勢が悪そうなので自陣が崩壊しない程度に敵陣に嫌がらせをしようという方針自体は悪くなさそうでしたが、1手1手に時間がかかりすぎました。それにちゃんと検討したら落ち着いて咎められて全然ダメでしたね。きれいに指せるようにしていきたいです。

・とはいえ、2500局近く指している方に対してほぼ勝ちまで逆転できたのは自信になります。半年ROMった甲斐はあったでしょうか。

・なにより、相手もきちんと時間を使って考えてくれることがこれほど楽しいものだとは思いませんでした。対CPUだとどうしてもノータイムで応手が来るので、「1つしかない答えを暗記して答える試験」みたいな感じがしてくるんですね。自分が将棋の魅力だと思う、生きた「勝負」を自分の力で出来たという感じがして、このご時世でとんとご無沙汰になっている「lively」な気持ちになりましたし、達成感がありました。

・まあ、そのぶん苦しかったですし、1局やっただけでもうへとへとなのですが…。将棋ウォーズは無課金だと1日3局しかできないとのことですが、正直こうやって気になった手がたくさんありすぎるので、3局もできる気がしません…w ちょっとずつやりたいペースでやろうと思います。

・端的に言ってやる気がみなぎってきたので、こうやって記録に残しながら、ちょっとずつ上達を目指したいと思います。とりあえず急戦の勉強ちゃんとしよう。


それでは。