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【パクさんをおいかけられて良かった】vs.大分トリニータ:"二試合連続の作戦負け"【123試合目】

ひさしぶりのパクさん生観戦記です。やったぜ。

2日連続の生観戦というのも久しぶりで愉しみすぎて予定より1時間早い新幹線にのったわスゴクカタイアイスも買うわの騒ぎでお送りしています。

スゴクカタイアイスにスプーンが入れられるようになるよりも先に岡山駅に着いてしまいおのれの計画性の無さに絶望などしました。

アイスはホームで食べました。

7/30の長崎戦以来となりました。本日も盛況でメシも変わらずうまかった。

大学生1000人プロジェクトと銘打たれ大学生によるイベントがそこかしこで行われており、学園祭のような祝祭ムードがありました。こういうのもいいですね。

牛串から離れてみてハンバーガーの姿になったチヤギュウ

揚げたてをサーブしてくれるホルモンから揚げとポテトのセット。酒、肉、脂。人生が全肯定される三種の神器です。

ベネッセデーでもありしまじろうさんが来ていました。おねえさんの戦闘力が高くてしまじろう次元に引きずられ、自分も小さな子供のような気持になってきます。

ファジ丸さんも一緒にキレキレのダンスを見せておりパワーがあった。

入場者数は残念ながら9800人程度となり平均1万人の目標が厳しくなってしまったようですが、この日も球際の拘りが声援に現れており良かったです。

大分サポーターもたくさん入っていました。自分の席がちょうど真向かいだったので非常に声もよく聞こえていた。大分トリニータの監督はコーチ時代に広島を連覇に導いた片野坂知宏氏、広島で出場機会を失ったもののインテリジェンスの高さで加齢による翳りを見せない山岸智がキャプテン、さらには4-1-5変換を引き継いでおられた、ということでしばしば敬愛をこめて拝見していたのですが、この試合の内容は白眉といってよいものだったのではないでしょうか。

以下、大分の雑感

・岡山の良さを消すリアリズムとダイレクトプレーのロマンの両立

大分の守備はハーフウェーラインから入っており、CBのパス回しはスルーしてボランチとウイングへのパスを警戒していました。岡山の攻撃は赤嶺へ飛ばしたところからの飛び出しやウイングからの中央への折り返しがスイッチになるというところを研究していたのだと思われます。

岡山も大分の4-1-5をケアするための走れる中盤の4枚というチョイスになったので、膠着気味で試合が推移しますが、4バック化して最後尾に下がるのがドリブルの仕掛けがうまい川西翔太になっているところに攻撃面での準備も感じさせました。サイドチェンジ役の鈴木惇と入れ替わりつつボールを動かすことで、岡山の守備の狙いをずらしていき、徐々に大分のやりたいリズムというものが見つかってきます。主導権を取り戻したい岡山が前線プレスを仕掛けて生まれた隙をついた川西翔太の先制点、交代でリズムを取り戻した岡山の猛攻をしのいでダイレクトプレーの連鎖で試合を決定づけた2点目と3点目。いずれも見事ととしか言いようのないすばらしさでした。

・4-1-5の欠点を回避した巧みな手腕

4-1-5の欠点は

―選手のアイデアベースであるので結果を出し続けるためにはメンバーの固定化を回避できず戦術的なオプションがなくなってしまう

―フリックプレーやウイング単騎のごり押しからカウンターを許すと空洞化した中盤で相手の加速を許してしまい一気に支配エリアを失ってしまう

―撤退しても5-4-1で人をたくさんゴール前に置くことでしか相手の攻撃をせき止められないため結局は点と点をつなぐミラクルが起きなければ支配権を取り戻しにくい

ところだと感じているところで、広島はこれを克服できずこのフォーマットを全て白紙化してしまったわけなのですが、片野坂監督の大分トリニータにはそれを回避しようという選択肢が用意できているように思われます。


まず、撤退時に生まれるシャドウの後ろのスペースはボールサイドのウイングが一列せり上がりストッパーがSBとしてスライドしてカバーしており、岡山の前進を難しくしていました

オルシーニの投入により厳しくなった場合も、ダイレクトプレーの技術に秀でた林よりも単独でどうにかできる伊佐をトップに置き縦への速さで対抗しセーフティリードを奪うと、仕上げに黄を投入して中央の人数を3人にすることでサイドのスペースを守る人数を増やして対応していました。

別の試合やJ3の頃は4-4-2や4-2-3-1もやっていましたし状況に応じて自分たちがやりたいプレーのために必要なことを使い分けられるよう頑張っておられるのだと思います。名状しがたい複雑な喜びが沸きました……片野坂カントク…帰ってきて世代交代の旗手になってほしかった……w







岡山としては、大竹と関戸をシャドウに置いて渡邉をボランチに起用し、パスをつなぐ大分を捕まえて中盤の走りあいで勝つことを意識していそうなスタメン。目論見通りの球際を発揮していましたが、前節に引き続きボランチが飛び出すことを唯一無二の攻守のスイッチであるところを逆手に取られる展開でした。先取点は最後尾のポゼッションに勇気を発揮して飛び込みましたが、セカンドボールでそのリスクとなるボランチの裏を大分が的確に突いたことで生まれました。

しばらく恐慌状態が続いてしまいましたが、オルシーニ投入を前倒しすることでリセットされます。ただ残念ながら左サイドの三村、大竹、関戸の仕掛けで押し込むことに成功したものの大分の決死の守備からの高速カウンターを立て続けに喰らってしまい点差が広がる形に。4-1-5の良さはどのような戦局であっても点と点がつながれば自分たちの練習した形をカウンターとして打ち出せるところにありますね…

点差を広げた大分は中盤の人数を増やしてサイドからの飛び出しについていけるようセットすると、岡山はブロックの外から大分の準備が整った状態でのクロス攻撃に終始せざるを得なくなってしまいました。





前半から後手に回ってしまい、オルシーニを除けば交代カードも大分の予測の範疇に収まってしまったのが残念でした。最後の交代で投入となったパクさんも縦さえ切れば怖くないですねとバレてしまっており、カウンターの起点にもされてしまいました。キックもぎこちなく、もしかしたらまだ怪我が癒えてないのかもしれませんね…








試合後はかねてより行ってみたかったクラフトビールのお店へ。15年来のFC東京サポーターのご主人と一緒にのんでおられた岡山のサポーターの方々と試合を見ながら珍しい地ビールがのめて最高でした。

山陽ダービーはJ1でやりたいんですよ…というのは山陽サイドさんの総意だなというところですが、改めて言い訳させていただくと、森保監督には世代交代を実現する仕事には適していなかったということに尽きます。

そしてそれが今までの功績で目が曇って誰もそういう評価を出来なかった…なまじ苦境に陥った時の修正力が高かっただけに判断が遅れてしまったのです。。修正といっても振り出しに戻してきていただけでリソースの貯蓄を切り崩していただけなのでした…。

ヤン監督がようやく残留するためにできることを整えてくれたのですが、そのタイミングが上位対決しか残っていないというタイミングの悪さ…しかし、ようやく90分緩まずに戦えるチームにはなったので、それを頼みに折れずに1戦1戦やるだけのことをやって祈るよりありません。山陽サイドさんのみなさんは共に祈りましょう…J1で山陽ダービーやろうな…

では。