Smokey Robinsonを聴きまくる!【9】Away We A Go-Go
1966年に発表されたアルバムですが、前作と比べるとだいぶクオリティが落ちてしまった感じです。全体的につかみどころが無く、表現したいポイントがよく判りません。初期のアルバムからは演奏や楽曲の良し悪しは別にして、音楽を演奏したいという衝動が伝わってきましたが、このアルバムからは希薄で、「ちょっと休憩」といった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=AEOOmowl5F4&list=PLAL6esrXaUi2pnq6nGIOCmFrp-VwD9KDP
A-1 Whole Lot of Shakin' in My Heart (Since I Met You)
アルバムは勢いよくアップテンポのナンバーから始まります。作曲はフランク・ウィルソンですが、トップを飾る曲にしては少し安易な作りに感じられ、スモーキーと相性も決して良いように思えません。
A-2 You Don't Have to Say You Love Me
2曲目はあまり高い評価はできません。イタリアの曲をイギリスのブルー・アイド・ソウル歌手ダスティー・スプリングフィールド(好きです)がカヴァーヒットさせたものです。こういう曲をやりたくなる気持ちもわからなくはないですが、ミラクルズとしてはいかがなものかと思います。
A-3 (Come 'Round Here) I'm the One You Need
ホーランド/ドズィアー/ホーランドによるアップテンポのナンバーです。悪い曲ではありませんが、これもミラクルズにぴったりの曲とは思えません。フォートップスなどの方が相性は良いでしょう。
A-4 Save Me
ここで初めてスモーキーが作曲に絡んだナンバーの登場です。ミドルテンポのメロディーからは「らしさ」を感じますが、変なアレンジが施されており、曲の魅力半減されています。
A-5 Oh Be My Love
やっとここでミラクルズの本領発揮です。スモーキー/ムーアの作曲によるメローなバラードで、けっして最高の名曲というわけではありませんが、傾聴に値する良い曲だと思います。ドリーミーでソウルフルなミラクルズが味わえます。
A-6 Can You Love a Poor Boy
スティーヴィー・ワンダーとアイヴィー・ジョン・ハンターとの共作です。スティーヴィーは当然好きですが、ナイーヴすぎる面が鼻につくときがあります。これもそんなトゥー・マッチ感を少し感じさせる曲とアレンジとなっています。
B-1 Beauty Is Only Skin Deep
ノーマン・ウィットフィールドとエディ・ホランドの共作で、テンプテーションズの大ヒット曲です。テンプスのバージョンの方が断然カッコいい…というちょっと寂しい結果に終わっています。
B-2 I Just Don't Know What to Do with Myself"
バカラック作のミドルテンポナンバーです。バカラックの曲はブラックミュージック的にも適合性の高いものも多く、これも優れた曲なのですが、残念ながら成果には結びつきませんでした。
B-3 Baby Baby
ヘレン/ケイ・ルイスという方々が書いた曲ですが、ポピュラー色も強く、R&B/ソウルとしての評価はあまりできません。スモーキーの歌唱は良い瞬間もあるのですが、全体的に印象が薄いです。
B-4 Walk On By
こちらもバカラック作でディオンヌ・ワーウィックのヒットで有名です。これも悪くはないのでしょうが…、ミラクルズのサウンドとして、スッと耳に入ってくる感じではありません。
B-5 Swept for You Baby
ようやくスモーキーの作品に戻りました…。曲のクオリティーは高いとは言えませんが、聴いていて安心感があるというか、少なくともミラクルズを、R&B/ソウルを聴いているという気分にさせてくれます。
B-6 More, More, More of Your Love
こちらもスモーキーの作曲です。後の名曲にMore Loveがありますが、それとは何か関連があるのでしょうか?シンプルなアレンジで、お手軽な制作の感じは否めませんが、半端なスタンダードナンバーより全然聴き応えがあります。
本アルバムはあまり集中して聴くことが出来ませんでした。前作が凄かっただけに、落差に愕然としてしまいます。次のアルバムに期待です。
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