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ルネサンスとつながる

先日、兵庫県立博物館でも開催中の「ハリーポッターと魔法の歴史展」に行ってまいりました。大英博物館所蔵の400年前の医療と占いに関する書籍やら、魔女狩りについての文献、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの油彩などすばらしい資料がたくさんでとても興味深いものだらけでした。

その流れで私の中でただいま中世ブームが巻き起こっておりまして。

そこでみた書籍のイラストと以前ハマった「Plague MD」という16世紀のヨーロッパを舞台にした医療シミュレーションゲームのイラストが似ていることに気付きました。

その後にギルレモ・デル・トロ監督のタロットがある事を知り。それも似たテイストのイラストでとても驚きました。

印刷が木版画のようでマルセイユタロット準拠のカードデッキなのですが、マルセイユタロットといえば流行っていたのがおなじ16世紀ごろ。点と点がつながり、偶然のおかげでまた監督の映画を見たくなったのです。

タロットはデル・トロ監督の作品に出てくる人物などがモチーフになっており、ダークでグロテスクながらもポップな作風で思ったよりとっつきにくさはない。

製作は監督がファンであるという別の方なので公認みたいな感じなのかもしれないけれど本当にかわいいです。


監督がアカデミーを受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」は私もとても好きな作品となっています。「パンズ・ラビリンス」を見たかったのだけどレンタル作品だったので、先にprimeで見れる「クリムゾン・ピーク」を見ることに。

もう美しくて幻想的で即座に世界に入り込みました。蝶や蝿なんかも嫌悪感なく受け入れてしまえるのだから、すごいってレベルじゃない。価値観まで変えてしまう美の力というのは恐ろしい。

監督の作品はゆったりした袖やドレスの裾の曲線的なラインの美しさなどの使い方がとても素敵だと思う。水の抵抗感を利用した服のゆらぎとか浮遊する葉っぱが左右に揺れながら落ちていく表現などがとても浪漫ちっく。

しかしグロとバイオレンスな表現は相変わらず痛々しい...。

とても幻想的で美しくたゆたう風景の中で繰り広げられる激しい情念のぶつかり合いは現実的で、そこに一切のためらいは感じられず潔さまで見えてくる。そんな美しさにうつつを抜かしているスキに突然差し込まれる感情の高ぶり。そして五感のすべてを使って恐怖を浴びせかけてくる。

そしてほんの少しのチャーミングな遊び心。

悲しい結末でも本人は幸せになれたよね…というような救いがあるところもすごく好きな点なのです。

最新作の「ナイトメア・アリー」も楽しみです。劇場まで見に行きたい。