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癌の猫様と自宅療養

前回までのお話はこちら

検査結果を待つ

検査結果が出るまでの1週間は、現状の進行や状態の悪化を緩やかにすることを目的に毎日スズはステロイドの注射を打つためにクリニックに通いました。
日に日に食欲は減退、体重も減少。
それでも通院中は名前を呼べば「にゃ」と可愛く返事が返ってきました。
食事に関してはカロリーを摂ることが今は最優先。チューブ状のおやつにマヨネーズを少し混ぜて与えたり。
スープやぜり状だと食べやすそうなので、鶏のささみの出汁を作って、それをゼラチンで固めたものを少しづつ与えたりして検査結果を待ちました。

検査結果と選択

検査結果は肺腺癌。自宅に喫煙者はいません。
発生要因は不明、おそらく老化であろうと言うことでした。
猫の死因の1位は癌です。人と同じですね。発生している癌の種類の多様性や、多く発生する癌の種類は、人と猫だと異なるようです。

結果を聞いて、現状を改めて確認しました。前回胸水を取り除いてもらった時、3日くらいでかなりの量が溜まってしまっていた。溜まるスピードが早い。
胸水には細胞や血液なども含まれ、抜けばまた同じようにそれらが水のように胸の中に溜まっていきます。
溜まることで肺の面積が押しやられ、呼吸が苦しくなります。それだけでなく、胸水を作り出すには、体の体力を消耗します。
胸水を抜いて呼吸を楽にすることもできるが、今のスズの体力的には、胸水を抜いたら急変してしまう恐れがある。
抗がん剤治療は消化器へのインパクトが強く、元々ご飯がほとんど食べられていない状態で、治療をしたら全くご飯を食べられなくなる。今までは緩やかに下降していた体力が、突然落ちることも予測されました。

スズとそれを見守る家族の自分にとってのベストな選択って?
愛玩動物と一緒に暮らす人は、誰もが生涯でいつかは迫られる選択の時。それが自分には今迫られている。
独身の自分にとっては、決断も行動も全部自分が考えて決めないくので、不安も大きく沢山獣医師さんへ不明点を質問しました。
今のすずにとって、劇的に治る方法がありません。緩やかにやがってやってくる死期に向かっていくことが、それを迎え入れる家族とすずにとってはベストだと考えました。
そこでステロイドの注射継続しつつ、余生をゆっくり過ごすことを選択しました。

距離を置いて見守るみや

プライド気高きサビ猫ちゃん

ご飯は本当にあれこれ、すずの様子を見て。ちょっと香りが立つように温めたり、ペースト状の回復食や、カロリーが高いシニアの食事を与えてみたりなど色々試しました。
本人が食べたいのに、あまり上手く食べれない時は、食事の介助をしつつ。食事回数を増やしてみたり。
ですが、それも数日ですぐに全く食べなくなりました。
自分の意思で「もう食べない(いらない)」と決めているのです。
数日、水だけを飲んでいる状態が続きました。

ここで、給餌すれば食事も水もある程度は与えられます。ただ本人が嫌がっているのを「無理矢理」あげている状態になります。それはすずも私も望んでいる状態ではありません。

サビ猫(三毛猫)はともてプライドが高いです。何事も自分でやる、自分でできますから!と言うスタンスをどんな状況になってもそれを崩しません。
足元がすでにフラフラでも、自分の足でトイレに行きます。
手を貸した途端に不機嫌になります。(そこが愛らしいのですが)

寄り添う弟みや

正直痛々しい状況を常に見守る側で居続けるのは辛いです。でも、すずの意志を尊重すると決めたそれが家族の役割なんだと言うこと。
猫は自然に自分の寿命を感じ取り、その日に備えて準備をしてる。
そのうち水も1日で3ペロのみになり、トイレにようやくついても排泄する音も聞こえなくなりました。
やがて飲み水も避けるようになり、時間がだけが過ぎていきました。
すずの息は苦しそうですが、懸命に毎日を生きています。
自分にできることは体を撫る、蒸しタオルで顔や体を拭く、すずに話しかけること。

今までの日常と変わらない様子で、話しかけるようにしていました。
でもその時が刻一刻迫っていることを、常に感じていました。

胸水が溜まっているので息が苦しそう

クリニックですずの元気な挨拶

毎日通院しているクリニック。だいぶ慣れてきたとはいえ、ここ数日は鳴き声さえ発することはありませんでした。
ただ、この日は違いました。
到着すると、すぐにキャリーケースから出たがりました。
往診室に通され注射の処置が終わっても、先生や看護師さんともう少し居たい様子。
帰宅の為に入ったキャリーケースから出ようとします。明日はクリニックがお休み。自宅で、注射の予定です。
1日会えないのです。
「次に会うのは明後日だね。すずちゃんまたね!」
そんな挨拶を交わして、クリニックを後にしました。
クリニックからの帰路、家の前の坂道が桜並木になっています。鳥が囀る声や、風の音が心地よく響いてきます。
最近は名前を読んでも返事をする元気が無かったすずですが、「すずちゃん!」と呼ぶと「にゃ、にゃ」と返事をしてくれました。
リズムに乗って名前を呼びながら、坂道を上り家に到着。
その日は、すずとみやとの時間がゆっくりと過ぎていきました。

ちょっと休憩🍵

我が家に来たばかりの頃のすずとみや

2018年当時の2ニャンの様子も少し
我が家に来て1ヶ月以内の頃のすず。お目目がくりくり。

2018年すず

すずが来て3ヶ月後にやってきたみや
まだ生後4ヶ月で、すずがお母さん役でした

すずちゃんが下の世話まで、頼もしいお母さん役

毛繕いも自然とよく二人でシンクロ!

毛繕いシンクロ

すずご機嫌!

尻尾がくるりん♡

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