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アヒルと鴨のコインロッカーを観た

なんとなく昔観た映画をもう一度観たくなって中村義洋監督の「アヒルと鴨のコインロッカー」を観ました。僕が映画を観るの好きになったきっかけの映画です。
一回面白いと思った映画って何回見ても面白いし、見るたびに発見があって良いですね。
この映画はロケ地が宮城県の仙台市なんですが、僕は去年半年ほど南仙台に住んでいたので、出てくる地名とか現地の人の言葉遣いに妙な懐かしさみたいなものを感じながら楽しめました。

「裏口から悲劇は起きる」「となりのとなりはブータン人」、言葉遊びを巧みに使った伏線がとても面白い映画です。

映画のあらすじ…


大学入学のため仙台に引越してきた椎名(濱田岳)は、隣人の河崎(永山瑛太)から奇妙な計画を持ちかけられる。その内容は「隣の隣に暮らすブータン人のドルジ(田村 圭生)に広辞苑を贈るため、書店を襲撃しよう」というものだった。
ドルジは平仮名も漢字もわからないのに、辞書さえあればなんとかなると思い込んでいるとのこと。彼には調べたい言葉が二つあり、一つは「あひる」一つは「鴨」。二匹の違いが知りたいらしい…。

椎名は「そんなの辞書に書いてるの?」と河崎に問い、河崎は「そう。普通の辞書には載っていない。分厚い立派な奴じゃないと。だから俺は彼のために本屋を襲って広辞苑を手に入れるんだ」と答える。
椎名は誘いを断りきれず本屋襲撃を手伝うハメになる。本屋に向かう道中、椎名は「本当に襲わなきゃダメなの?お金に困ってるなら貸そうか?」と河崎に提案するが、河崎は「金で買った広辞苑はいらない。本屋を襲って、奪った広辞苑が欲しいんだ」と答える。

本屋の駐車場で河崎は「椎名の役割は簡単だ。裏口の曇りガラスのドア前に立ってドアを蹴る。店員が裏口から逃げられないようにな。裏口から悲劇は起きる」と告げる。
言われた通り、椎名は裏口でドアを蹴り続け、30分後に河崎と合流する。
笑顔で帰ってきた河崎は「楽勝だ」と広辞林を奪ってきた。
おっちょこちょいなのかな…?

次の日、椎名は大学で麗子(大塚寧々)という女性と出会う。彼女はペットショップを経営しており、「ドルジを探している」とのこと。
実は椎名は前日に「ペットショップの麗子という女に気をつけろ。彼女の言うことは信用するな」と河崎に釘を刺されており、麗子にそのことを告げると彼女もまた「河崎君に気をつけろ。彼の言うことは信用するな」と釘を刺す。彼女は何やら河崎の過去を知っているようで…。

この椎名と麗子の出会いから、河崎の目的、ドルジの過去。ペット虐待事件、琴美というドルジの彼女…様々な要素が絡み合って半コメディから濃厚なミステリーが生み出されます。

視聴後の感想

以上あらすじでした。
長くてまどろっこしい表現でわかりづらいですね💦
この映画、終始登場人物がボブ・ディランの「風に吹かれて」という曲を口ずさんでいるんですが、この曲が本当に素晴らしい曲でして。
歌詞の一節に「The answer is blowin' in the wind」っていうのがあるんですけど、この歌詞が映画とマッチしているんですよね。
椎名は河崎を問いただすことはせず、あくまで傍観者として河崎やドルジの答えに辿り着こうとする。
その様が、優しく、つかみどころのない風のようで素敵でした。

すこしネタバレになるんですが、
真相にたどり着いた椎名が「神様に見て見ぬふりしてもらおうよ」って言ってコインロッカーにラジカセを入れるシーンがあるんです。
この行動がおしゃれでとても印象的でした。
何度見てもこのシーンがとても好きです。
原作者の伊坂幸太郎さんらしい表現だなぁって。

以上。
だらだらと付き合っていただきありがとうございました。
また何か見たら書きます!ほな!





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