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マインドコントロールを読んだ感想①

この前マインドコントロールというタイトルの本を読み終わったので感想を書こうと思う


文春新書から出版されている岡田尊司氏が書いたマインドコントロールという本で、マインドコントロールがどんな方法で行われて、どんな人物がマインドコントロールされるのか、が紹介されている


私は前々から心理学などに興味があり洗脳される人達に対しても興味があった

どうして洗脳されるのか?
あんなに人の言うことを信じられるものなのだろうか?


私などは人の言うこと昔から懐疑的で、逆にアレしろ、コレしろと言われると絶対にやらない天の邪鬼思考なので、洗脳される人達はどうして人の言うことを信用するのだろうと不思議で仕方なかった

その答えが知りたくてこの本を手に取ってみた


マインドコントロールというとカルト宗教や怪しげな占い師とか思い浮かべる人達が多いが、イスラム国のような自爆テロもマインドコントロールされているといえる


彼等テロリスト達は粗暴で野獣のような人間である印象があるが、意外なことに理性的でおとなしい若者が多いらしい

そんな彼等を人殺しや自爆などの凶行に走らせるのは何なのか
彼等は理想主義的で純粋な考えを持っている共通点がある
そんな彼等にとって現実の世界は不合理だらけで自分が生きていける場所ではない


そんな彼等に安心して帰る場所、つまり自分の居場所を提供する
そこは小さな集団で独特の感性で営われており閉じた世界だ
外部から閉ざされた世界で仲間と共に寝食を過ごし同じ目的を共有する


そして事を起こせば英雄になれる
仲間の中で自己の存在価値を示すという自分の願望を達成する
できない者は裏切り者
彼等のような理想主義者は二分法のような善か悪か100%か0%かと単純な考え方に陥ってしまう
裏切り者になるのは命を失うより恐ろしい




では霊感商法によるマインドコントロールは
どうなってるのだろう
高額な壺などを相手の不安につけこみ買わせる霊感商法
だが、彼等販売員も無報酬で行っていることが多い
つまり売る方も洗脳されている
その販売員達も共通点は理想主義的な考えで真面目な者達なのだ



マインドコントロールする側は
閉鎖的な環境があり
そこでは自分が強者
そんな強者に共感性が少なかったら
その中で弱い者や悩んでいる者がいると
助けるどころか支配をしようとする
何故なら支配することは快楽だから
本人を止めるものは共感性がなければ、後は罰だけ
罰ならバレなければいいだけ
多くのカルト宗教の教祖が支配する快楽を子供の頃に経験している



これはイジメとかもそうだろう
学校という閉鎖的な空間で、自分は友達も多く強者

クラスに馴染めない奴を支配することで快楽を得る
快感だからこそイジメをやめない
相手に原因があるかのように言ったり行動したりするが、ようは自分が快楽を貪りたいだけ
パワハラ上司やDVとかも同じ


支配することは中毒になる
だから止めない




ではカルトなどの宗教指導者グルとはどんな存在なのか
イギリスの精神学者アンソニーストー
アメリカの精神学者ロバートJリフトン
がグルの特性を挙げている


グルは脆弱な精神を持ち、病気や悩みなどにより極限まで追い詰められ、急に何かに目覚める
しかし自分一人では精神を安定することができず、弟子を得ることで誇大な自己愛を支えることができる
弟子はグルのために働くことで不滅の感覚が得られる
それはグルが抱いている自己愛の万能感に由来する


そのグルの自己愛からくる万能感が自信がなく悩みを抱えている人達には救世主に見えてくる

幼い精神構造を持つグルは、思い通りにいかない世の中にぶつかったとき、自己を守るため誇大自己を膨らまし万能感で武装し、他者を支配、軽蔑することで自分の価値を守ろうとする



しかしグル本人が幼い精神構造を乗り越えたわけではなく誤魔化しているにすぎない
だから万能感を傷つけられると自己愛的な怒りを感じ被害妄想をお越し崩壊する



弟子の方は、
自分も特別な存在になりたいという願望を持ちながら自信も確信もない
そんな弟子の前に「自分は真実を得た」という存在が現れる

その人に追従することで自分も特別な存在だと錯覚する
それはグルが特別な存在だということで、成り立っている

もしグルがペテン師なら自分もペテン師でありペテン師に騙された愚か者になってしまう
自分が特別な存在だという願望が、グルという存在を信じさせている
マインドコントロールにかかった人は、違和感や矛盾があろうとも、見ないようにして自分を誤魔化し
見たいもの信じたいものしか見なくなる

気づいてしまったら自分を支える特別性が消えてしまうからだ




次回はマインドコントロールされる側について自分なりに感想を書こうと思う








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