ご近所ミステリー14 空き地

あらすじ:
 定年退職を機に熟年離婚をした南条圭一郎は、毎日が日曜日の日々を送っていたが、この地区の臨時の総会に出席した。議題は地区内にある空き地の利用についてであった。そこでは様々な意見が出されたが、中でも吉城ルリ子と志賀一恵が白熱した議論を展開した。圭一郎は、その総会で以前顧問をしていた女子バスケットボール部の山吹理恵子と再会した。その後その空き地利用に巡って事態は意外な方へと発展して行くのだった。
 ご近所ミステリーの第十四弾です。読んで頂ければ幸いです。
 ※ご近所ミステリー第一弾から第十一弾は「#ミステリー小説部門」にあります。

 

南条圭一郎はこの年度末で定年退職をし、今は再就職もせず毎日が日曜日である。先の事は何も考えてはいない。三十年近く共に暮らした妻は定年退職を機に自分の取り分を弁護士に託し出て行った。言うならば熟年離婚だが、そもそも圭一郎にとっては、出て行った明美は妻というよりは同居人のような存在だった気がする。そのせいか、特に寂しいという感覚は無かった。何よりも夫という立場で、これからの明美の時間まで束縛することに抵抗もあったので、やむを得ない事だと自分に言い聞かせていた。
そうは言っても一人になった今、この近所での暮らしには不安がいっぱいだった。向こう三軒両隣の住民とも挨拶さえしない関係だったので、いやでも心細さを感じてしまうのだった。しかも周りの住民からは妻に逃げられた初老の男だと腹の中で嗤っている視線を感じるのだった。
そんなある日、回覧板が郵便受けに無造作に入っていた。家にいるのだが、呼び鈴も鳴らさず入れられているのを見て何となく自分の立場を気づかされた気もした。
その回覧板には来週の土曜日の夜、自治会館で臨時の総会があり出席してもらいたいとのことだった。出席しても所在なくポツンと一人座っている自分を想像して及び腰になったが、これからの生活を思うと出てみてもいいかなと思った。
当日、圭一郎は少し早めに自治会館へ行き端の目立たない席に座った。開始時刻には席は埋まり五十人ほどの住民が出席していた。司会に呼ばれマイクを持って出てきた八十近い自治会長は要領の得ない挨拶を述べた後
「聞くところによりますと、市議会ではこの地区内にある空き地の利用に関して、近々議論が始まるとの事です。従いまして、市の所有の空き地でありましても、住民の要望を市に伝えておくことも重要だと思われます。すぐに結論が出る話ではないと思いますが、空き地の利用について忌憚のない意見や要望を出していただければと思います」
と言い周りをゆっくりと見回していた。するとすぐに手が上がった。二十代後半の女性だった。
 「小さな子供が熱を出したり体調に異変をきたした時、遠くの小児科に通うのが大変なので、私は市営の総合病院を誘致してもらいたいと思います」
と言うと
 「この自治会には高齢の住民も多いので救急も対応してくれる病院があれば有り難いので、基本的に私もその意見に賛成です」
 「うちには年寄りが二人いて、二人とも腰痛持ちでいつもテレビの番をしています。出来ればリハビリ外来もある病院が近くに出来れば有り難いと思います」
などと病院誘致を求める声が多く上がった。その気配を感じて司会が自治会長に意見を求めようとした時、七十近い男性が手を上げ
 「あのいいですか、今は大きな病院で診察をしてもらうには、紹介状が必要だとかそれが無いなら一万円近く出せでしょ。たとえ市営の病院でもそのような敷居の高い病院になるに決まってますよ。それに」
と言った後、言いにくそうな口調で
 「病院だと亡くなる方も少なくないでしょうし、遺体を乗せた車がこの近所をしょっちゅう・・・という事で私は賛成できません」
と言うと、室内は静まり返った。その静寂を破るかのように切れ長の一重瞼の三十代半ばの吉城ルリ子がさっと手を上げ
 「私を含めウチの近所の女性達は朝、車に小さな子供を乗せ保育園や幼稚園に寄ってから職場に行くという人が何人もおられます。ですので保育園とか幼稚園、または小さな子供が安全に遊べるような施設がある児童センターのようなものを造るよう要望するのはどうでしょうか?」
と言うと、すばやく手が上がった。同じく三十代半ばの茶髪に特徴のあるショートヘアーの志賀一恵だった。
 「確かにこの自治会には幼い子供も多くいます。でもそれと同じくらい高齢者もおられます。静かに日々を送りたいと思ってらっしゃる彼らが毎日子供達の動物的な声を聞かされたらどうでしょう。そうでなくともこの近所で大きな声を張り上げながら登下校しているだけでなく、帰宅後も大きい声を張り上げ遊んでいる彼らに我慢を強いられている高齢者が多くいらっしゃる事も知っておくべきと思います」
 「でも幼い子供達の成長を暖かい気持ちで見守らないと、この地域いや日本の未来はないと思いますよ」
 「そのためには自宅にいる高齢者はじっと我慢しろと言うのですか」
と一恵は反論するのだが、とにかく彼女の言い方には棘があった。
 「自宅にいる必要はなく外に出れる人は出ればいいのではないですか」
 「あなた、この辺りは高齢者に優しい処ですか?公園にトイレも無いしベンチ一つない。バス停に椅子がありますか?散歩するにしても道路はデコボコで段差も至る所にあり転ぶことを恐れて自宅にいる高齢者もおられるのですよ。もっと周りを見て言って下さいよ」
と一恵は相変わらず鋭い言い方で反論するが
「あなたは私の意見に反論ばかりされていますけど、あなたのお考えはどうなんですか?」
とルリ子は矛先を変えた。
「私はお年寄りがさらに生き生きとした生活を送れるように、一階には無料のマッサージチェアやウォーキングマシーンばかりでなく様々なリハビリなどができる運動コーナー、二階には絵画や書道や語学ばかりでなくパソコンやスマホなど様々なスキルの無料講習などが受けられる文化コーナーそして三階にはお年寄りの趣味や特技が発揮できるワークショップを作り、お年寄りが作ったものを販売できるコーナーも併設されている高齢者用の建物を造ることを提案します。もちろんエレベーターも取り付けてもらいます」
と一恵は自説を披露すると、すかさずルリ子は
「そんな財源がどこにあるんですか?市の財政は逼迫しているんですよ」
とこれ見よがしに半ば呆れた表情を浮かべながら言った。その二人の言い合いを見ていた司会は自治会長に視線を向けると
 「今日結論を出さねばならない事ではありませんので、また来週の土曜日話し合いましょう」
と言ってその日はお開きになった。

 翌週の土曜日の夜も空き地の利用を巡って、前回と同じくルリ子と一恵の白熱した議論が繰り広げられたが、結局結論は出なかった。ただ、前回と違うのはルリ子と一恵の席の周りにはそれぞれを支持する住民が陣取っているのだった。
 だが、このような議論は圭一郎には時間の無駄のように思えてならなかった。しかも二回とも出席したにも拘わらず誰とも言葉を交わすこともなかった。ため息をつきながら帰ろうとした時、横から
 「センセ、南条センセじゃない?」
と圭一郎は声を掛けられた。声の主に顔を向けると笑顔で彼を見ている若い女性がいた。山吹理恵子だと認識するのに数秒かかった。少し複雑な思いがよぎった。理恵子は彼が以前顧問をしていた女子バスケットボール部の部員だった。
 圭一郎は退職する前は公立高校の数学の教員だった。日々やる気のない生徒や寝てる生徒を相手の無味乾燥な授業、殆ど毎日帰宅後、無断欠席や欠席が多く進級が危ぶまれる生徒宅への電話連絡、生徒のためというより学校の名誉のための進学率アップ指導等、意義が感じられない日常を送っていた圭一郎は女子バスケットボール部の指導に唯一やりがいを感じていたのだった。理恵子はその女子バスケットボール部にいたのだ。
 その彼女がどうしてこの場に居合わせたのか彼には不思議だった。その怪訝そうな彼の気持ちを察するかのように
 「私、去年この地区に引越ししてきたの。で、今日は母の代わりに出席してたという訳。でも私も驚いたわ。まさかセンセがこの地区にいたとはね」
と理恵子は圭一郎にタメ語で話すのだった。
「センセの携帯やメールアドレスはあの時の部活の名簿のまま?」
 「そうだよ」
と言ったものの圭一郎は何となくいやな予感がした。だが、来週の土曜日も総会が開かれると聞かされたが、<もう出席するのはやめようかな>と彼は思った。

 数日後、以前から体調に異変を感じていた圭一郎は近くの医院に診てもらったが、MRI検査を受けたほうがいいと言われ、大学病院に紹介状を書いてもらい受診した。MRI検査の受付を探しなら院内を歩いていた圭一郎だが、彼の目にどことなく見覚えのある茶髪のショートヘアーの女性の姿が映った。一恵だった。彼女はまるで隠れているかのように待合の長椅子の端にポツンと座っていた。
 受付に目をやると心療内科という大きな文字があった。圭一郎は総会でルリ子に対して吐き捨てるような口調で反論していた一恵を思い出していた。あれはやはり普通ではなく一恵はどこか心を病んでいるのだろうか。過去のトラウマと今も必死に戦っているのだろうか。突っ張った生き方に疲労困憊しているのだろうか。彼の想像はとどまるところがなかった。だが、閉所恐怖症の彼自身もこれから長時間トンネルの奥深く閉じ込められるMRI検査の恐怖と戦っていたのだった。
 幸いなことに、医療の進歩のおかげで、MRI検査は以前に比べ恐怖を感じることも少なくはるかに楽だった。しかもその後受けた診察でも大した病変も発見されずホッとした。
 そんな気持ちで会計に行った時、一恵が長椅子に座って自分の番が来るのを待っているようだった。だが、その時、彼女は一人ではなかった。彼女は顔色の悪い五十代半ばの女性といた。圭一郎は一恵にしきりに話しかけるその女性をどこかで見たように思ったが、彼女が誰か、またどこで見かけたのかどうしても思い出せなかった。
 さらに数日後、カップラーメンとスーパーの惣菜で夕食を摂っていると、スマホが振動した。理恵子からのメールだった。「話したいことがあるので明日会ってもらえる?」とあった。
 指定された喫茶店に行くと、数分後に理恵子はやって来た。どことなく緊張した表情の理恵子だったが、そのせいか何となくびっこを引いているような足取りだった。
 理恵子は座ると圭一郎と同じようにモカを注文するとすぐに
 「センセはどっち派?」
と聞いた。
 「どういうこと?」
 「鈍いね。ルリ子派か一恵派かという事よ」
と理恵子は相変わらずタメ語で話す。
「正直言って、この歳だからどっちでもいいや。いや、一恵派かな。子供達が泣き叫ぶあの奇声だけは勘弁してもらいたいのでね。君はどっち?」
と圭一郎は素直な考えを述べた後、理恵子に同じように聞いた。
 「私も同じ一恵派よ。どっちの主張も一理あると思うけど、私は個人的な理由で一恵派なの」
 「どういう意味?いや、別に詮索するつもりはないけど」
 「いいのよ、別に。父親は他界しているので母と二人、この地区に引っ越ししてきたんだけど、お隣の三十半ばの主婦は私たちを「どこのよそ者?」という目で見るばかりでなく、引っ越しして来たその日から境界線のことであれこれ言いだす始末。そのせいで母はなるべくお隣と顔を合わせないようにする挙句に引きこもり状態になっているの。だからこの総会にも私が母親の代わりに出席してるわけ。でね、そのお隣の主婦というのがルリ子なの。だから私はルリ子と議論を戦わせている一恵を支持してるわけ」
 「なるほどそういうことか。で、話があるというのはそのことかい?」
 「うーんとね、センセは先日の総会には出席しなかったね。私は出席したんだけど、何か変な気がするの。センセはどう思う?」
 「変に思う前に時間の無駄だと思ったよ。だから出席はしないことにした」
「自治会長が議会の動きを察知し議会の結論が出る前に地元の要望を出そうというのは無理がある気がするの。新聞の地域版にも市の広報誌にもそんな話は載ってなかったと母は言うの。絶対誰かが自治会長に話し、奇妙な総会を開かせたんじゃないかな」
「誰が?市会議員か?」
と圭一郎は言ったものの、話がその辺まで及ぶと彼にはもうどうでもいいことになってくる。その彼の気持ちを察知したのか理恵子は話題を変え、
 「センセには生活の臭いがしないけど、ひょっとして一人暮らし?」
 「そうだよ、いわゆる熟年離婚だよ」
 「そうなの、じゃ誘惑しちゃおうかな」
 「おかしなことは言うことなしだよ」
と言うと理恵子は無言でバッグからスマホを取り出し、うつむき加減で何か調べているように見えた。それにしても唐突な動きだった。彼の視界にはきれいにトリートメントされた彼女の髪があった。さらに、無防備な彼女の胸元のゆるいTシャツの隙間から二つのふくらみが彼の目に入って来るのだった。少しして上目遣いに意味ありげに笑う理恵子の視線に動揺した彼はモカを一口口に含むと
 「じゃ、僕はこれで」
と言って一人そそくさと喫茶店を出た。代り映えしないまわりの景色に彼は平静さを取り戻した。その時、何気に見た家の塀にかかってあるポスターに目が留まった。
 「あっ」
と彼は小さく声を上げた。歯の浮くようなスローガンをちりばめながら、病院で見かけた顔色の悪い五十代半ばの女性が映っていた。

 その二か月後、市議会議員選挙が行われた。
 立候補したルリ子も一恵も落選した。自治会館で数回行われた総会が茶番だという事は殆どの住民は知っていた。少なくとも圭一郎と理恵子を除いては。この地元から出ている市議会議員の大山冴子が病気を理由に立候補を取りやめ、市議会議員を引退することは周知の事実だった。辞めた後も影響力を残すため、彼女は自分の後釜として常に「女性」を主張の肝としている吉城ルリ子と精神的には少し不安定だが相手を容赦なく論破する力のある志賀一恵の二人に目をつけ立候補させた。ルリ子には比較的若年層の票を一恵には高齢者層の票を見込み、その違いを明確にするため主張をはっきり区別させていた。
彼女はこの広い地区の住民が投票に行けば、当選ラインの百票は固いと踏んだのだった。二人とも当選することが理想だったが、下手しても一人は当選すると思っていた。結果はまさかの二人共倒れで、冴子には全くの想定外だった。

 実は、自分の体調を悟った冴子は数年前から綿密に作戦を練っていたのだ。あの空き地に目をつけ、それを選挙に利用しようとした。長年自分の後援会長をしている自治会長にはデマを吹き込み、数回にわたり臨時総会を開かせ、二人の女性のいわゆる施政方針演説会にしていたのだった。茶番と知りながら、多くの住民は静かに聞き頷くふりをしていたのだった。
 さらに理恵子もひそかにこの選挙戦に「参戦」していた。

 ある日のこと圭一郎に二人の男性の訪問客があった。そのうちの一人とは面識があった。その男性は以前彼が勤務していた高校で、圭一郎の下で働いていた作宮浩二で、今では県の教育委員会の指導課の要職についていた。
 作宮は圭一郎の顔を見るなり
 「南条先生、ご無沙汰いたしております。先生にはいろいろ指導していただいたおかげで今は教育委員会で勤務しております。実はですね」
といった後、少し声色を変えそばにいる同僚を気にも留めず、圭一郎に近づき耳元で
 「先日、数年前女子バスケットボール部で顧問に罵声を浴び、さらに膝を蹴られ今なお後遺症に苦しんでいる。しっかりと調べ教育委員会としてけじめをつけてもらいたいなどと言うレポート用紙二十枚にも及ぶ投書がありましてね。それに対して教育委員会が何もしていないとなると私たちの立場もありますので、一応事情を聴きに伺ったという事で・・・」
と作宮は苦しそうに言った。
圭一郎は過去を思い出そうとしているような顔をしながら、なぜ理恵子が教育委員会に投書をしたのか考えていた。尤も彼は理恵子の言うようなことをしたのをすっかり忘れていた。先日喫茶店で何となくびっこを引いて歩く理恵子の姿を見るまでは。
作宮は圭一郎にさらに訊くこともせず世間話をして帰って行った。

数日後、郵便受けに封書が入っていた。理恵子からだった。こっそり入れて行ったに違いなかった。
「二人とも落選したね。あの二人の言い合いというのは猿芝居だったという事は、選挙が告示された日に母親から聞いて知ったわ。母親は引きこもりで一度も総会に行ってないんだけれど、年の功か私からの途切れ途切れの情報や漏れ聞こえてくる噂話からでも分かってたらしいの。でも私は分からなかった。だから一時期、私はファンのように一恵のそばをウロウロしてることもあったの。そんな時、一度、総会の後、そっとやって来た冴子と一恵、ルリ子の三人がこっそり話しているのをチラッと見たことがあるの。それでも私には分からなかった。あの総会が茶番だったとは。だから私は選挙中、ルリ子と一恵の選挙用のチラシと冴子のホームページから写真を写し取り、合成して三人のスリーショットをネットに流してやった。善良な市民をおちょくった二人いや三人に対するハライセよ」
圭一郎は理恵子の言う「善良な市民」という陳腐な表現になぜか白々しい気持ちになった。さらに理恵子の文章は続いた。
「私はセンセに対しても恨みがあったのよ。高校の時、センセは女子バスケットボール部にしかやりがいを感じることが無かったのよね。それはセンセを見てたらすぐに分かった。だからセンセがあの時、私に対して「バスケットボールは馬鹿には出来ない頭脳ゲームなんだ。お前のようなバカはウチの部には要らん。とっとと辞めろ!」と言って私の膝を思いきり蹴ったよね。私は悔しくて悲しくてどうしたらいいか分からず数日迷っていた。でもびっこを引いて歩く姿を見られるのはなぜか嫌で、センセの前では無理して普通に歩いていた。そんな私にセンセは「退部届はまだか!」と吐き捨てるように言ったね。それでも私はセンセを赦していたんだよ。
でも、何年かぶりにセンセと再会したあの総会で、声をかけた私をまるでばい菌を見るような目で見たセンセはどうしても許せなかったの。それに、思い切って言うよ、喫茶店で胸元をチラッと開けて堅物のセンセをからかってやろうとしたけど、それにさえ反応できない意気地なしのセンセにはホント幻滅したわ。
いいこと教えてあげるわ。もう、教育委員会が動いたと思うけど、あれは別れの挨拶よ。別に新聞社やマスコミには流してないので心配しないで。教育委員会でもし大事になったとしても、私たちはもうここにはいないので安心して。
ルリ子が落選したこともあり、うちへの嫌がらせが今までよりエスカレートしてきたこともあり、母親の引きこもりがシリアスになってきたの。ここは母親の終の棲家じゃなかったわ。あの家は貸家だからもっと気楽に暮らせるところを探すわ。それに、あの総会は訳が分からなかったけれど、噂だとこの地区には市会議員がいなくなったので、市議会ではあの空き地に火葬場を造る計画が密かに進んでいるらしいよ。母のためにも引っ越しを急ぐわ。センセ、元気でね」
とあった。 
 

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