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おんがくをかくかくをかく壱拾伍

定期的に詰問されたい
まっすぐに目を見て。

それがSUPER BEAVERの
『それでも世界が目を覚ますなら』。

柳沢氏の詞は 自問自答せざるを得ないものが多い。いい大人になってしまうと、あちこちむず痒くなったりするのがSUPER BEAVERのうただ。
ただこれは渋谷氏との連名のクレジットになっている。
一緒に詞を書いたということだろう。

私がSUPER BEAVERに興味を持つきっかけになったのがこのうただ。
MVを観ると、今や女性ファンをキャーキャー言わせっぱなしのヴォーカル、
渋谷氏の顔は殆ど見えない。
メトロノームのリズムで始まり 、まだ髪も短い頃の渋谷氏が 細い身体からは想像できない全身での表現を見せる。ずっと顔は見えないままだ。

このうたい方 声、喉の使い方はもちろん、抑えたときのむしろ強く響くことば、
両腕から現される感情と 己を叩くみたいに繰り出される 怒りのような、憤り、もどかしさ、ちがうちがうと自分と向き合う姿。

前述した
SUPER BEAVERの自問自答せざるを得ない世界が、こんなシンプルなMVに溢れている。

私はこれで、SUPER BEAVERにハマりました。

ほんとは違うだろ?
逃げたりしたろ?
言い訳してたろ?
なあ自分、だけどそこじゃないってわかってんだろ?

そうだろ?


ってものすごいまっすぐに
私が私に向かって来る。

SUPER BEAVERのうたを通して。

やあもう、両手を上げるしかないんですよ。
大人の諦めや絶望やそれを認めたくないから何かにすり替えて逃げてきた日々が、
目を覆いたくなるような自分が、
居るんです、『そうだろ?』って言いながら。

そりゃ負けますよ。完膚無きまでに負けます。
若さからではない、きちんと自分と喧嘩したひとのうたによって
人間としての足掻きと葛藤とそれでも微かに
目を塞いだ手指の隙間から、ひかりを覗いてしまっている己を、思い知るんです。
ねえコレ名曲だと思いますよ。

定期的に MVを見てしまいます。
まだちゃんと歌えません。
いつかちゃんと歌います、ぜったいに。

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