欧米「前例ないレベルの経済制裁へ」
米はロシア経済を国際的に孤立させるため、ロシアの主要な銀行を国際取引で一般的な米ドルから排除する見通しとなっている。すでにウクライナ東部2州の親ロ派支配地域の独立をロシアが承認したことで国有銀行2社に同様の制裁を科し、さらに民間銀行にも対象広げる。またプーチン氏個人への制裁も検討している。欧米諸国はロシアが重視する防衛などの分野に打撃を与えるため、協調して幅広い部品や製品でロシア向けの輸出を禁止する見込みである。具体的には、欧米製の部品や設計図が使われている製品は、国外で生産されていても輸出できなくするなど、厳しい内容の制裁を課すつもりだ。米政府はロシアが中国など友好国に頼れない技術や製品は多いと見ている。
ドイツはロシアの資金源に打撃を与えるためロシアから天然ガスを輸入するための輸送管「ノルドストリーム2」の稼働を凍結。しかしこのドイツの対応はロシアが報復で欧州への天然ガスの輸出を全面的に停止する恐れがあり米欧は中東産など代わりの調達先の確保に動いている。
ただ、ロシアはこうした欧米の対応を見越しており米ウエスレヤン大のルットランド教授(ロシア政治)は「プーチン氏はNATOの直接の反撃がないことを分かっているし、経済的な代償などいくらでも払う覚悟だろう。」と述べており制裁の抑止効果に疑問符を付けた。
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