安保理の機能不全あらわになる
ウクライナに侵攻したロシアを非難する米国などによる国連安全保障理事会決議案が25日ロシアの拒否権で否決された。常任理事国である米英仏と中ロの対立で安保理は長く機能不全に陥っている。実際、今回のような「むきだしの侵略」(英国連大使)に対しても実効性のある措置をとれないであるのが現状だ。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使が記者団に「ロシアは拒否権を発動したが、われわれの声に拒否権を使うことはできない。」と述べた。日本やドイツ、韓国など理事国以外からも幅広い賛同を集めた成果をアピールする狙いである。米欧にとって否決をを承知したうえで採決に持ち込んだのは、ロシアの孤立を際立たせることを狙っているからだ。会合では紛争の犠牲者に黙とうが捧げられ大きな拍手も起こった。米国はロシアと共同歩調をとることの多い中国に棄権を促し中ロともに反対するという最悪の事態を回避した。ウクライナのキスリツァ国連大使は「戦争を止めることが安保理の責務だろう。」と嘆いている。
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