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文章術の本を読むと、つらくなってくる。

いま、文章術の本を読んでいる。

これまでにも何冊か、文章術に関する本を、読んだことがある。自分の文章力の成長に行き詰まりを感じたら、定期的に読むようにしている。いや、自然に手が伸びている、といったほうが正しいかもしれない。

文章とスポーツは似ていて、ポイントを意識して練習しないと、上達までに時間がかかる。文章について、あれこれ言えるほどの立場ではないけど、個人的な見解を書くことにする。



僕は野球をしていたので、バッティングを例にとる。

バッティングの技術を上げたい時、バッティングセンターに行って、ただやみくもにバットを振れば、そのうち打てるようになるだろう。そこそこ速いボールも、バットに当てられるようにはなる。

だが、それではフォームがでたらめだ。理想的なフォームと、かけ離れている。たまたま良い打球が飛んでいくかもしれないが、再現性がない。確率が低い。試合では、そんな打球を打つことなんて、できやしない。

ここで必要になるのが、上手い人の技術を参考にすることだ。「なぜあの人は、あんなに打率も高くて、ボールも遠くまで飛ばせるのだろう?」と、その人のバッティングを研究するのだ。プロ野球選手のバッティングのスロー映像も、ネットにたくさん転がっている。解説動画まである。

それらを参考にして、自分の打撃フォームを修正していく。「体が早めに開かないように」「頭が前につっこまないように」「腰の回転を使って打つのを意識して」と、大事なポイントを把握して、悪癖を矯正していく。


この過程がつらい。

「これぐらいなら自分も真似できるっしょ」とやってみるも、それがむずかしい。簡単にできそうに見えて、その裏には熟練された技術が詰まっている。それがプロのプロたるゆえん。自分のフォームと見比べてみると、一目瞭然。

自分のダメな部分を直すのは、時間がかかる。その打ち方に慣れてしまっているから。だけどここで辛抱強く修正できないと、次のステージに行くことができない。自分の好きな打ち方をしていれば、それはラクかもしれないけど、スキルが上達する喜びは感じられない。「不快感を感じている時が、物事が上達している証拠」という話を、本で目にしたこともある。



文章についてもこれと同じで、ただ自分の好きなように書いていれば、楽しいけど、成長は遅い。数をこなせば、そのうち感覚を掴めるかもしれないけど、同じミスを無駄に何度も繰り返してしまう。

そこで、文章術の本を読んで、直すところを明確にする。

文章術に載っているような上手い文章を参考にして書こうとすると、筆が止まってしまうことも増える。「いや、いったん待て、以前はここをテキトーにやっていたが、もっとうまく書けるぞ」と、修正点を意識するから。

バッティングと同じで、この過程には苦痛がともなう。簡単に真似できそうに見えて、実際にやってみると、うまくできない。書くことの奥深さを知る。書くのは、ただ文字を並べていく作業のはずなのに。プロの作家は魔術師のように、言葉を巧みに扱っている。そこがプロのプロたるゆえん。




来年は、ひとまわり進化した文章を書けるようになりたい。

どうせ読んでもらうなら、読んでてもっと楽しめるような文章にしたいもんね。



えっ。どんな文章術の本を読んでいるかって?


教えないよぉ〜。

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