ハマってないと思ったときにはもう手遅れ(2人体制のKing & Princeに沼落ちした話)

※非常に長いです。自分は物事を簡潔に書くという能力がないのだと実感しています
※一部、5(6)人のキンプリをずっと応援してきた方にとっては許せない表現も混在しているかと思います。ご承知のうえ、読んでいただけると幸いです。

King & Princeにハマった。King & Prince。通称キンプリ。5月から永瀬廉と髙橋海人の2人体制になったグループだ。あれよあれよという間にずぶずぶ沼って自分でも困惑している。次にFCに入るとしたら、おそらくセクゾかな〜なんて思っていたから。

何かの対象に、深く深くハマるとき、私はなぜかずっと心のどこかで抵抗している。まだ大丈夫、全然落ちてなんかないもん。ただちょっと気になっているだけ。ずっとどこかで危険信号が鳴っているような感覚だ。それ以上近づいたらいけない。これ以上知ってしまったら戻れなくなるぞ、と。そして、その抵抗の記憶は、自分の心に刻みつけた刻印のように、深く、鮮明に覚えているものだ。昨日食べた夕飯の記憶すら危ういというのに。
刻みつけた刻印は、そのままあのとき素直にハマっておけば……という、後悔の標にもなる。幼い頃、父に言われた言葉を思い出す。「お前は素直じゃない」。今となっては本当にその通りだと思う。最初から素直にFCに入っておけばよかったのに。

思えば嵐のときもそうだった。
私は2009年の春に嵐にハマって以来の嵐担だ。
2009年といえば嵐デビュー10周年イヤー。毎日のように嵐がテレビに出て、嵐チャレンジウィークなるものを繰り広げる少し前の2009年、春。
2008年、これは完全に私の主観&体感的な記憶でしかないが、嵐旋風が世間に吹き荒れる少し前(いや、あとから考えれば2008年には初国立に立っているし、もう全然、ブレイクしていたんだけど)、もうこのときにすでに私の心の中に嵐はいた。たぶんきっかけのひとつは、auのCM。「もし僕らが、嵐でなかったら。」まだ20代の嵐のメンバーが、それぞれ若手商社マンや個人商店の店員やら、オーケストラの団員やらになっていて、それぞれの人生を歩いている。彼らはもちろんお互いの顔も知らないし、街中ですれ違っても、当然会釈もしない。それぞれの日常を描くなかでしずかに流れる本人のナレーション。「もし僕らが、嵐でなかったら。」
今考えたって、そんなエモい(当時はエモいなんて表現はなかったけど)CMありますかね? 彼らが嵐じゃなかったら?? こんなに、仲がいい嵐が出会っていなかった未来があるなんて?(そのときすでに、嵐のグループ仲がとてもいいということは知っていた)その設定に、なんだか胸をギュッと掴まれたような気がして、CMが流れるたびに目で追うようになっていた。このときもまた、いや別にハマってはいないんだけど、なんて周囲には嘯いていたけれど。
そのほかにも、2008年におしゃれイズムに出ていた櫻井さんの嵐のメンバー仲良しエピソードを聞いたときの衝撃や、Kinkiファンの友人に話した「嵐、FC入るまでは行かないんだけど、コンサート楽しそうだよね」なんていう会話など、完全に嵐にハマる前の抵抗の記憶は鮮明だ。もっとも、その抵抗は、前述したKinkiファン(その友人はゆる〜く嵐ファン…というか事務所ファンでもあったので)が貸してくれた「ARASHI AROUND ASIA + in DOME」のDVDを観た時にあえなく撃沈するのだけど。このときも、もっともっと早くハマっていることを認められていたら(その年のコンサートに申し込めたのに……)と深く後悔した。

前置きがとんでもなく長くなってしまった。
つまり、私はもう多分、2022年の11月からずっとKing & Princeのことが、永瀬廉のことが、気になっていた。11月のあの発表のあと、ラジオで彼が話した書き起こしのようなものがTLに流れてきたときに感じた慟哭。「どんなに近くにいたってその人の心の底にあるものを知ることはできないんだと思った」永瀬さんのこの言葉(細部は少し異なるかもしれません。自分の中に重く残ったのがこういうニュアンスの言葉だったので、あえてそのまま書いています)。これを読んで、心に湧いた感情は忘れられない。「私が永瀬廉を推していたら、これを言わせてしまったメンバーのことを恨んでしまうかもしれない」※1

5人(6人)のことを好きだった人からしたら、私のこの発言のほうが許せない人もいるだろう。わかる。5人(6人)のことを知らずに口出すなって思うよね。でもこれは、King & Princeを完全な外野から見ていたときの私の率直な感想である。外野といえど、嵐のファンではあったので、事務所にいて華々しくデビューを飾った彼らのことは好ましく見ていたし、「シンデレラガール」もこれぞアイドル、という感じで大好きだった。友人にFCに入るくらいのキンプリファンもいたし、メンバーの顔と名前は一致する。テレビをつけてKing & Princeる。が流れていれば楽しく見るし、YouTubeで「koi-wazurai」のPVを見ながら「平野紫耀顔がいいね〜」と同居人と話すくらいには好きだった。そう、この頃の私はバラエティで見せる平野紫耀のボケ加減(と顔)がかわいくて割と好きだったんだよな。キンプリの中で誰が好き? と聞かれれば、「平野紫耀かな〜、でも岸くんも普段とパフォーマンスしているときのギャップがいいよね」なんて話すくらいにはキンプリ=平野紫耀で、永瀬廉さんについては、顔いいよね、でもちょっとスカしてそう、くらいの(すみません、本当に本当に見る目がない)認識だったのだ。

その彼が、涙を流しながら語ったことと、キンプリに残る決断をしたことは、私にとっては結構な衝撃だった。それでいうと、髙橋海人さんが当時、キンプリに残る決断をしたことも意外で。彼こそバキバキにダンスを踊る子、という認識があったので、海外を目指す、という意味では一番に出ていってもおかしくないと思っていたのだ(これも、今なら海人さんらしい決断なのだということがわかる)。
この頃流れた憶測について、実際に彼らのなかでどんな話し合いが行われたのか、私には当然知るよしもないし、一生わからないままだろう。でも、なんとなく外野で見ていて思ったのは、辞め方やその見せ方って大事だよなあ……ということ。同じ頃マリウスがセクゾを卒業する、という話があって、事務所の中ではかなり好きグループだったこともあって、よく見ていたのだけれど、キンプリの流れと対照的だなあと思ったのは確かだ。これって多分だけど、グループ自体が成熟しているか、ブレーンがいるか、その人がグループの中心にいるかどうかの違いでもある。自分達がしたいことと事務所の方針、どうやって折り合いを付けるか。プレゼンやまわりへの根まわし等によって、事務所に気持ちよく受け入れてもらえるか。
辞めること自体は別に悪いことでもなんでもない。私も(まったくの別業界だが)転職経験はあるし、若い頃に悩んで決めたことが、必ずしも生涯にわたっての正解ではないことも知っている。アイドルなんて特にそうだよね。年端も行かない小さな子どもが決めた若い頃の目標と、大人になってからの目標に齟齬がでることなんて、誰にも責めることはできない。話がそれるけど、嵐なんて直前までデビューを知らされていなかったという話をメンバーがするたびに、よくここまで続けてくれたよなあと思う。感謝しかないよ。
でもまあ、この件を見ていて思ったのは、そのときのキンプリには、残念ながらこの退所の一連の流れをうまくファンにデコレーションして見せるだけの余裕がなかったのかもなあということだった。これってもしかしたら一部のファンが言うような、事務所側のサポートの違いということもあるのかもしれないけど、でもまあ同じ事務所内でも、嵐なりセクゾなりV6なり、休止や卒業、退所をうまく見せられるグループがいた以上、事務所だけが悪いということにするには無理があるよな、と客観的に見て思ってしまう。
で、この発表以来、なんだかちょっと悲しくなってしまって、5人のキンプリからはあえて少し距離を置くようになっていた。どうしたって発表以降のいろいろな情報が胸をよぎるし、そんな彼らのバラエティや歌番組をどういう気持ちで見ればいいかわからなかったし。
で、時が流れて2023年7月。2人体制になってTOKIOの番組に出ていた2人を見て、若いのになんてアイドル観がしっかりしている子たちなんだ、と思った。「無理にCDを買ったり、YouTube回したりなんてしなくていい」「まだ悲しい気持ちでいるファンもいるかもしれないけど、その人たちが前を向けるタイミングでまた一緒に楽しめるように頑張っていく」永瀬廉と髙橋海人、めちゃくちゃいい子で素敵な人たちじゃん!!
後者の発言って、休止発表後に嵐がずっと言っていたことにも通じていて、私はこういうことが言えるアイドルに滅法弱い。ファンの気持ちを慮ってくれて、驚くほどこちら側の心情を言い当てるような、「こちらのことをわかっている」頭のいいアイドル。アイドルは究極のファン商売なのだから、わかってて当然じゃん、と思う人もいるかもしれないけれど、果たして自分がその立場にいたらできるだろうか。少なくとも私は絶対にできない。

今思えば、この番組をわざわざレコーダーの録画一覧から探し出して見ようとした時点で、もうすでにそこそこキンプリに、永瀬廉にハマっている。いや、ハマっているとまでは言わないけど、確実に気にはなっている(実家のレコーダーは1週間分全録なので、特にこの番組を狙って録画したわけではないけれど、ちょうど実家に帰ったタイミングでこの番組を発見していそいそと再生した)。さらにいえば、Kinki Kidsのブンブブーンに永瀬さんが出た回もわざわざTverで探し出して見た。2人体制になったキンプリで活動するにあたって、デュオで活躍しているKinkiのおふたりがあたたかく、2人だからこそできることもあるよ、と神妙な面持ちで聞く永瀬さんにお話していて、それがとてもよかったなあ。事務所の先輩のあたたかさがうれしいね。うん、でも大丈夫。まだハマってない。2人になったキンプリをゆる〜い事務所担として応援しているだけだから(心の中の抵抗の声)。

……と、まあこんな感じで、2人体制になってからこれまで以上になんとなくキンプリが気になっていたのは事実。ラジオで岸さんと海人さんを呼ぶというサプライズもTLに流れてきて、かわいいなあ、粋なことするなあ、なんてぼんやり思っていたし。まあ、だいぶ、気にはなっているけれど、これからも遠くからゆるっと応援していくんだろうな、と思っていた。あのときまでは。

あの日、岸さんがさきに退所した2人とユニットを組むと発表されたとき。その前に永瀬さんがブログで退所する岸さんへのエールを送っていたのも見ていたので、なんだかもう、いてもたってもいられなくて、気がつけばキンプリのFCに入っていた。ネットで会員申請から支払いまで完結できる現代に万歳。これが郵便振替しか手段がなかった時代だったら、どこかで冷静になっていたかもしれない。まあとにかく、私にとっての最後の一押しが、あの一連の流れだったということだ。とはいえ、入って数日は、まだまだ謎の抵抗を続けていて、FCには入ったけれど私は彼らを遠くで応援するだけでいいんだ、と思っていた。では、なぜこんなに今、キンプリの沼にずぶずぶ落ちてしまったのか? それは、FCにアップされている動画だ。「君、遊具であそばせ?」の初回。あれを見た瞬間、自分のスマホを握る手の力が変わった。え? なんかとんでもなくかわいい2人がめちゃくちゃかわいく戯れているんですけど……???
しっかりしていそうなイメージだった(いや、実際しっかりしてるんだけど)永瀬さんは意味わからんこと言ってガハガハ笑ってるし、髙橋さんはふにゃふにゃしていて、なんか気付けば謎のゲームが始まっていてひとつになっているし(めり込む、という表現を知ったのはこのあとのこと)。そもそもニコイチとか、シンメとか、そういうのに弱いオタクは、こんなん見せられたらもうダメじゃん!? 嵐のわちゃわちゃが好きなオタクが、こんなの好きじゃないわけないじゃん!

そういえば、この2人、飲酒インライも超絶ゆるくてかわいかった……あのゆるんゆるんの空気感ってアルコールが入っているからじゃなくて、もしかして通常営業だった、って…コト…?(そもそも飲酒インライを当時リアタイしていた時点でめちゃくちゃハマっているじゃんね…)

その後も、2回目の「遊具であそばせ」で2人がわちゃわちゃカレーを食べながらまったく実のない会話を繰り広げていたり、買い漁ったnon-noやらアイドル誌やらなんやらを読んで身悶えたり、キントレの過去回をHuluで見て2人のコンビネーションの心地よさにひたったり、コンレポの永瀬さんと髙橋さんの挨拶に涙しているうちに、もう自分でも言い訳ができないくらいにはまってしまった。そもそも私は、アイドルがアイドルたらんとする姿が大好きなのだ。
だから永瀬さんと髙橋さんがことあるごとに言葉を尽くして、ファンを安心させようと想いを届けようとしていることや、楽しいことを企画して、ファンを楽しませようとしている姿には、感動と安心と尊敬の念を抱くし、ちょっとこれはもう、私が好きなアイドルの姿ですね……と思わざるを得ない。
それだけじゃなくて、そもそも2人ともものすごい才能にあふれた人たちである、ということにも気付いてしまった(これについてはまたどこかで書きたい)。

それに何より、2人にハマってから毎日がとても充実している。
永瀬さんも、髙橋さんも、そしてチームキンプリも、ファンを楽しませようといろいろなコンテンツを届けてくれるし、過去のアイドル誌をちまちま集めていくのも楽しい。
ただひとつ言いたいのは、うちあげ……見たかったです………もちろんあれは、あのときあのタイミングでアルバムを買った方への特典ということもわかっているんだけど、でもね、8月以降に2人にハマった人ってそこそこいると思うんだよ、金なら多めに出すから見る権利を売って欲しかった……いや、本当、とっとと素直にならなかった自分が悪いんだけど!
ほらね、これだから一連の気になる出来事の中で、早めにFC入っておけばよかったんだよ!!! と過去の自分に声を大にして叫びたい。素直になれない人間は、やっぱりどこかで損をするものなのである。

……と、こんなことつらつら書いていたら上田先輩がとってもかわいいれんかいちゃんをアップしてくれていた。ありがとう、上田竜也…おもしれー男。

※1 メンバーのことを恨んでしまう、と書きましたが、ハマった今となっては別に恨んでいるわけではありません。そもそも、永瀬さんがあのあと何度も彼らにエールを送っているのも知っているし、永瀬さん自身がそういう姿をファンに見せているのに私が恨むというのもおかしな話です。過去の映像などを見ると、そこにはちゃんと楽しかった思い出を共にした仲間であったこと、きちんと信頼関係があったのだろうということもわかります(もちろん、本当のことは内部の人間にしかわからない、というのは大前提だけど)。ただ、彼らのことをほとんど何も知らないときに率直に感じたことであったのは事実だし、結果としてそこから永瀬さんのことが気にかかるようになったという、私にとっては重要な事柄だったのでそのまま書きました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?