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夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく

 を観て
 
 
本当の自分 隠していないといけなかったのは学生時代だったかな。
いや、なりたい自分が分からなくてもがいていたのかな。
見つめていたのは、やっぱり自分の気持ちをはっきり言えるあのクラスメート
 
先生にクラス全員怒られたとき、その子は言った「俺は関係ないし、全員関わってるわけじゃないのに何で怒られなきゃいけない」みたいに。わたしはうらやましかった。自分の気持ちを物おじせず先生に言えることが。まだ私たちは小学生だったのにね。大人にはっきり言えるってすごくうらやましかった。
 
大人になったその子は今どうしているか分からないけど、今もそんな感じなのかな。
こんなエピソード思い出したのはこの映画観たから。
 
私は、自分の意見も言えず、ただ怒られるだけの子ども時代。怒られないために親の顔色をうかがい続けていた。こっそり家を抜け出しては川を見下ろし、星空を見上げて神さまに「家族がなかよくなりますように」と祈ったり、塀を登って車がいきかうのを眺めたり、朝がた散歩に出かけ草抜きしたと思ったら花の苗を抜いてしまったり、知り合いのおうちの裏山を探検して洞窟探しをしたり、タケノコ見つけたり。春の日差しの温かさに嬉しすぎて、家の瓦屋根に布団を敷いて干しついでに、自分も寝転がっていたら、近所の給食のおばさんにこっぴどく怒られたり。そんな子ども時代。自分が向けられる優しい世界に入ってくるのは小学校のグラウンドからずっと、私についてきた野良ネコ。ムスティって名前つけた。自分より弱い存在守ってあげたかった。その時から猫派。
 
マスクをつけていれば自分の本音を隠しておける。主人公の気持ちよくわかる。そんな自分大嫌い。だけど、そうしていないと生きていけない。彼は自由奔放で憧れの存在。そんな彼も、昔の彼女に憧れていた。彼にとってのヒーローだったのに、彼女は変わってしまっていた。
 
人は変わる。過去にとらわれることも。憧れから自分が変われることもある。
自分の見る世界は目の前にある。
全部自分のもの。
暗くて、暗くて真っ暗?
じゃあ、全部塗っちゃえばいいじゃん。
真っ黒のキャンパスに青磁色と茜色。
ほら、夜が明けるよ。


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