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橋梁の設計技術者の打合せ力を上げる4つの方法

はじめに

建設コンサルタントで橋梁の構造設計に従事している方々、こんな経験をしたことはありませんか?

「打合せ資料の上司チェックが、何度やっても突破できない」
「がんばってたくさん構造を検討したけど、顧客の意思決定に至れない」
「条件を変えたらどうなる?という質問に答えられず持ち帰りになってしまった」

どれもあるあるだと思います。
そんなみなさんは、仕事にはきっと真面目に取り組んでいると思います。
あとは、打合せ力を磨けば、技術者として間違いなく一皮むけます。
ここでいう打合せ力とは、相手が納得できる説明ができる、相手の質問にその場で60〜70点程度の回答ができる、相手の意思決定を促すことができる、などと定義します。

今回は、打合せ力を上げるための4つの方法をお伝えします。

打合せ力を上げるための4つの方法

① 構造力学の知識、計算力をきちんと身につける

構造設計の担当者は構造力学に精通している、と顧客はかならず考えます。
でも、実際はどうですか?
大学の授業で構造力学が苦手だった人は多いと思います。
また、設計実務も専用のソフトウェアで、効率的に行っていると思います。
そのため、検討結果を構造力学的にきちんと説明できない担当者は、たくさんいます。本当にたくさんいます。何を適当なことを喋っているんだと怒りを覚えることもあります。

これでは説得力があるとは言えません。
構造力学の知識、計算力をきちんと身につけましょう。


② 説得力のある手書きスケッチが描ける

図面はCADで描きます。
過去の流用も容易なので、ばりばり描きます。
でも、打合せで、「ここの形がよくわからないからもうちょっと説明して」と言われた時、きちんと説明できますか?
主要断面の説明はできても、接合部の取り合いや隅角部など、複雑な形状の部分も説明できますか?
また、顧客の要望を取り入れた構造の変更案をその場でさっと説明できますか?

実は、ここの説明が難なくできると、顧客の意思決定スピードが段違いにあがります。
説得力のある手書きスケッチが描けるようになりましょう。


③ 計画・施工・維持管理など設計以外の知識を身につける

構造設計は、実務もやってるし、そうはいってもそれなりに説明できるでしょう。
ところでその設計、本当に施工できますか?
道路線形や関連設備の計画は、きちんと反映できますか?
供用段階では、どのような不具合が想定されますか?
その不具合は、どうやって修繕しますか?

自治体や事業者である顧客は、設計だけでなく、施工して、その後長い期間に渡って管理していかなくてはなりません。
そんな顧客に寄り添う提案ができますか?
計画・施工・維持管理など設計以外の知識を身につけましょう。


④ 最新の話題、過去の話題に精通している

設計基準類は、定期的に改訂されます。
設計条件が同一でも、改訂前後で設計結果が異なる場合がありますが、それは何故か、きちんと説明できますか?

設計基準類の改訂では、最新の研究成果を取り込んだり、過去の不具合を踏まえた見直し、などが行われます。
これらは、改訂前でも、事前に論文や雑誌で知識を得ておくと、設計に深みがでます。
最新の話題、過去の話題に精通しましょう。

ちなみに、本記事のヘッド画像の橋梁はご存知ですか?
著名な鉄道橋なのですが、ある事故を契機に、現在は全く異なる姿をしています。
興味のある人は、「余部橋梁」で検索してみてください。
直接業務に関係なくても、このような知識は技術者としての深みが増します。


おわりに

いかがでしたか。
今回は、打合せ力を上げるための4つの方法を紹介しました。
え、これだけだと具体的に何をしていけばよいか分からない?

、、、ですよね。

今後、スキルアップにつながる具体的な話題を記事にしていきます。
楽しみにしていてください。

以上

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