初めての刹那

「刹那的だよね」
20代後半、よく飲んでる男友達に言われて
初めて【刹那的】という言葉を知った。

「それってどういう意味??」と聞くと
「簡単にいうと、その時が楽しければいいや〜ってことかな」と説明され。

え?
私ってそんな風に見えてるの??(怒)と思ったものだ。
なので、その日のことはよく覚えている。

その男友達はバイセクシャルで、仮にNとする。
Nとは大学の先輩後輩で、その地方で就職した居残り組として仲良くなった。
Nオススメのイケメンbarでよく飲んでいた。
別の推しメンを眺めては、美味しいか美味しくないか分からないお酒を飲みながら、沢山の時間を過ごした。

ある日、家に帰れないNを部屋に泊めた時に、その言葉を聞いた。
正確には、キスをした後だったような気がする。

完全に油断していた。
バイセクシャル だということを忘れていた。
とはいえ、私を刹那的な人間だと判断したからこそ、そんな行動に出たのだろう。





それ以来、よく考える。
そうか、世の中の女性は、こうじゃないんだ。
これが「刹那的」なのか。
それは多分、あまり褒められたことではない。
貞操観念が低いのだろうか。
相手が私に好意があるから、私も好意を示す。それは良くないことなんだろうか。
私に好意を示す相手がいるということは、嬉しいじゃないか。
え?男に媚びてる?
それとは違うと思うんだけど。


そして結婚した今でも思う。
私は刹那的であると。

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