永海佐一郎の人間の価値

永海佐一郎は島根県隠岐出身の科学者で、無機化学の権威者であり、人間教育者である。
彼は師匠である加藤与五郎に大きな影響を受けた。

彼は加藤先生から学んだ教訓を次のように述べている。

1. 学問及び技術は第2番で心のキレイなことが第1番肝要。
2. 先生に感謝
3. 心をキレイにする実行方法
4. 心清らかにして創意なる

「心をキレイにする実行方法」とは、
1. 人からされて嬉しかったことを、人にせよ
2. 人からされて嫌なことを、人にするな
3. 人から受けた恩は、謹んで忘れるなかれ
4. 人にほどこした恩は、思うなかれ

永海佐一郎は、加藤与五郎から化学を学びながらも、「こころがきれいであること」「人間として大事な生き方の原理」を幾度となく学んだことで、彼のマインドが出来上がった。

そして彼自身もやがて、化学の研究・教育だけでなく「生き方」の公式をよく説いた。

人間の価値 = 天職に熱心な度 × 心のきれいな度
うそつきで怠け者の大臣よりは、親切で仕事熱心な大工さんの方がはるかに立派である。
自分のことしか考えない汚い心の社長さんより、思いやりのある給仕さんの方が、人間としての価値は、はるかに大きい。

では、天職をどのように見つけるのか?
誰もが、趣味(没頭できること)を仕事にできるわけではない。
・いかに目の前の仕事を好きになれるか。向き不向きより前向き。
・人が「何に困っているか」を探すと、それが仕事になっていく。
・一見、意味がなさそうな単純作業であっても、創意工夫できると、信頼される。
・これらの行動の積み重ねが、天職につながる。


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