子どものやる気の引き出し方⑤ 楽しさのレベル #124

「楽しさ」にもレベルがあります。
「超楽しい」「普通に楽しい」「ちょっと楽しい」
「超楽しい」はすでにピークに達しているため、その後も同じテンションを続けるのが難しくなる。急激にピークを上げると、下がるのもまた早い。
ものすごくハマってやりこむと、その分飽きるのも早い。
「程よく楽しい」くらいがちょうどいい。

子どものやる気の引き出し方 石田勝紀 日本能率協会マネジメントセンター

いつだって、「最高に楽しい」といいけれど、そんな瞬間はもちろん続かないし、疲弊する。

「うわぁ、面白い、楽しい」そうやって感情が大きく揺さぶられて「熱しやすく、すぐ冷める」経験を何度もしてきた。
すぐ飛びついてすぐ飽きて、続かない自分に自己嫌悪。
「これは、やっぱり私にあわなかった」

以前に受けたビジネス系のセミナーで「振り子の法則」の話があった。
売れる営業マンがすることは、顧客の感情を揺さぶること。
不快な感情から快の感情を行き来させることで、相手の感情を揺さぶり購買につなげるのだ。

私は、この話を途中まで聞いて、嫌気がさしてしまった。

営業の世界は甘くないだろうし、理想論ばかり述べていては成り立たないだろうけれど、仮に自分が営業しなくてはならないとしても、人の心をもてあそぶようなことはしたくない。
冷静に資料を読み返すと、デメリットとメリットを説明するなど、必ずしも煽っているわけではないのだが、この時ばかりは「不快」になってうんざりしてしまい、この先生から学びたいという気持ち「快」に戻れなかった。

世の中にあふれる、広告は行動心理が研究されつくしていて、私のようなタイプはすぐにその餌食になってしまう。
その先生の話は、私には「餌食を作れ」といっているようにしかとらえられなかった。

すぐに惑わされる、餌食になりやすいという、自分の弱さを認識するようになってから、感情を揺さぶり、煽ってくる人には、ものすごく警戒してしまう。できるだけ近づかないようにしようという防衛反応が働く。

刺激に慣れると、人間の脳はどんどん強い刺激を求めるようになる。
「快」も過ぎれば中毒になる。

よいことがあったときも、よくないことがあったときも大きくブレない自分であるためには、刺激が強すぎないこと、張り切りすぎないことが大事なのだ。

こうやって文字にすると、当然なことのように思えるけれど、子どもが過ごす環境は「より楽しく」「より面白い」を与えてあげたいと思うし、子どものために、そこを目指してしまいがちだ。

たまにはいいけれど、毎日の生活の中で、特に習慣化や定着させたいときの導入は、「めっちゃ楽しいではなく」「そこそこ楽しい」くらいがいい。

石田勝紀先生の新著「子どものやる気の引き出し方」は、「親のための子どものやる気本」だけど、そのまま自分に応用して使える。
ついつい見逃しがちな視点も多いので、子育てや対応方法に迷ったとき、そして自分自身のやる気が出ないとき、迷走してしまったときにも、繰り返し読み返していきたい。

やる気シリーズ、私にとってのとっておきの箇所、BEST5
これにて一旦終了。

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