原稿合宿に来たにょ☆

パァンとなにかが爆ぜるような音と犬の鳴き声で目を覚ました。時計を見ると朝の5時。4月なだけあって外はもう明るかった。

外に出てみると息が白い。長袖を着てきて正解だった。川の音と様々な野鳥のさえずりが響き渡り、朝霧が山にかかっているのが見える。都内よりも遅めに咲いた桜は満開を迎えていた。

そうだ、昨日見つけた鹿の足跡を見てみようと歩みを進める。運が良ければ足跡の主が見られるかもしれない。
野鳥を観察しようにも鳥たちは一歩踏みだす事に飛び去ってしまう。立ち止まって声のする方を見てみるも視界に入る前に鳴き止むか飛び去ってしまう。さすがの警戒心だ。双眼鏡を持ってくれば良かったと少し公開した。

鹿の足跡はほとんど消えていた。雨が降ったわけではないが朝の湿った土は柔らかくもろもろと崩れ蹄の痕を朧げにしていた。

犬の声が止んでいる事に気付いた。宿に帰ろう。白すぎる原稿が部屋で待っている。

まあその前にとりあえず朝風呂に入って朝食でも食べます。

(終)


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