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エッセイ 不具合商品は天使の贈り物 (664文字)

 き○ぃちゃんからプレゼントが届いた話です。
子どもがまだ小学生だったころ、奈良に修学旅行に行ったときに土産で買ってきたキャラクターのストラップがすぐに壊れてしまったので、お客様相談室に電話をして、商品を送ったら、代わりの商品とプラスαが送られてきました。

 丁寧なお詫び状と、商品不具合の指摘に対する礼状でした。
私は、商品のタグについている小さい文字を見て、電話をして(なかなかつながりません)、住所をパソコンで打って、不具合の内容をまたパソコンで打って、封筒に不具合商品を入れて送るという作業をしました。

 私が子どものころ、親からは、それくらいのことは辛抱しなさいと教わりました。
しかしそれは間違った教育です。
クレームは文句ではありません。
親切でやることです。別に余分に商品が欲しい訳ではありません。

 こういう欠陥がありましたよ、これはよくないですよ、と教えてあげることはその会社にとって非常に有益な情報(財産)です。
そういう事が分かっている会社はお詫びとともに必ずお礼の言葉があります。

私はこのお礼の言葉が聞きたくて、指摘してあげます。損得で考えたら、黙っていた方が手間ひまかからず得かもしれません。

 クレームを指摘された会社はわずかなコストで、有益な情報を得たので随分得をしました。私の子どもは、余分に商品がもらえたのでとても喜んでいました。 
子どもの立場としてはそれで十分です。

 私は手間ひまはかかりましたが、子どもの喜ぶ顔が見えたのと、子どもからほんの少しだけ尊敬のまなざしで見てもらえました。
みんなが幸せになりました。

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