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立法の直接民主化

現代の技術を持ってすれば「立法の直接民主化」も可能じゃないかとか考えています。とはいえ、現実的にこういった仕組みが日本社会に実装される未来が来るとは思っている訳ではなく、妄想の類の提案です。
通常、国会では法案が提出されて、その法案を法律にするかどうかを国会議員の投票によって決定されます。ここで、「立法の直接民主化」とは国会の投票行為自体を直接民主的に行おうというのではありません。法案作成自体を国民の集合知によって洗練しようという試みです。

ちなみに、ChatGTPに現在の法案作成の手順について尋ねてみました。法案は大きく分けて「内閣法案」と「議員立法」の2種類に分類されるそうです。「内閣法案」の作成には、各省庁の意見の調整や専門家の意見の取り入れが行われます。さらに、法制局でのチェックが経るとのこと。これらの具体的な手順自体は法案それぞれで大きく異なっているようです。法案という複雑で高度に洗練されたものを完璧に仕上げなければならない以上、確定的な手順がないことは自然なことだと思われます。一方、「議員立法」では、内閣法案と同様に各省庁や専門家の協力を取り入れることが可能です。しかし、「議員立法」の特徴として、議員の意向を強く反映することができ、その結果、法案作成の自由度が高いと言われています。これらから法案作成に予め決まった手順がないことがわかります。であれば、その中に新たな手順を噛ますことも可能かと思います。

この文章にて提案したいことは法案編集専用WEBSiteの作成です。具体的には、

  • 専用WEBSiteには官僚や議員が法案を提出できる。必ずしも提出が必要なわけではない。

  • 国会提出前の法案を掲載し、国民がその法案の評価をつけてたり、意見を書いたり、変更案を書いたり、変更案に評価をつけたりできる。

  • 官僚や議員や専用WEBSiteの内容を参考に法案を再編集して国会に法案を提出する。

  • 掲載期間は一週間や10日程度の比較的短期間を想定している。掲載されると、なんらかの方法で国民に周知がされる。

  • 専用WEBSiteにはマイナンバーカードを使ってログインできる。編集する国民同士には匿名だが、システムの管理者や議員からは名前を確認することができる。マイナンバーカードを使ってログインすることで同じ人の複数回投稿などを制限したり、日本国民以外からの投稿を防止する効果もある。

みたいなシステムです。すべての法案でこのシステムを使用しなければならないということは想定していません。あくまでも、内閣や議員が法案可決の勢い欲しい場合に国民の評価を確認したり、法案の洗練度が低い場合に法案の洗練度を高める目的で使用することをイメージしています。

このシステムのメリットは

  • より広い視点の意見を受け入れることで法案がより洗練される。

  • 国民がより直接的に立法に関わることができるようになる。

  • 国民にはより密な政治との関わりを可能とすると同時に、法案の投票行為という議員の利権を直接侵害しない。

  • 国会の場で専用WEBSiteの評価を根拠に法案の重要性に説得力をつけることができる。議員数の少ない野党議員が法案を通すための説得力になりうる。

みたいな感じです。一方、デメリットには

  • 低レベルの議論が繰り返されたとき、議員や官僚の編集の負荷が大きくなったり、国会の投票が影響されてしまう場合がある。

  • 議員や官僚の労働負荷の増減が不明である。

  • セキュリティ面での不安がある。とはいえ、議員や官僚がうまくシステムを使えば問題はそこまで大きくないとは思われます。

  • システムにアクセスできる人とできない人の間の格差が生まれる。ただ、この問題は自助努力でなんとかして欲しいところ。少なくともロビー活動できる人とできない人の格差よりも圧倒的に改善されている。

というところでしょうか。個人的には法案の投票行為という議員の既得権益を直接侵害せずに直接民主主義に近づけることができるアイデアという点が気に入っています。国会等でもっと慎重に審議を重ねるべきみたいな弁論が時折聞かれますが、そのような場合にこのシステムに法案に投げることでより幅広い視点や国民の評価などの情報を得られるかと思います。

政治ニュースを聞いて愚痴を吐く人々ばかりの世の中でなく、提出された法案の原案をみて、建設的な修正案に頭をひねるような人が増えるようなの世の中になれば最高だなとか思います。

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