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結婚式で泣けない人間


同期の結婚式に行ってきた。
幸せで溢れた空間。とてもいい式だった。

ただ少し、心臓がぎゅうーっとなった。幸せをこうも直接浴びると渇いた心に刺さってくる。人の幸せを願える人というのは余裕がある人もしくは同じぐらいの幸せを手に入れている人じゃないだろうか。私は人の幸せを心から願えるほどいい人間じゃないみたい。

挙式と披露宴で新郎新婦がキラキラと輝いてる姿を見ると、それは自然と笑顔になった。ただこの笑顔は心から2人の幸せを願っての笑顔かというと、そうではなかったように感じる。この歳でこんなにも立派な式を挙げられるなんて凄いなと大きな尊敬と少しの嫉妬が混じった感情。いいな。将来を誓い合える人がいて。怖いな。私はこの先一生を懸けて共に過ごしたい相手に出会えるのかなあ。2人の門出を祝う席でこんなことを少しでも思ってしまう自分に嫌気がさす。雨だからかな。雨のせいにしよう。天気が悪いと心も荒みやすい。 

本当に素敵な式だった。沢山の時間をこの日のために費やして、その時間さえも厭わず、なんなら楽しんで準備していただろう時間。私は何をしていたんだろうと思う。たいした成長も見られない毎日。この世に生きていることさえ申し訳なくなる。式の最後で新婦が両親に手紙を読む場面。こんな私は、ここで泣けなかった。周りの出席者は泣いていた。グスグスと涙が零れ落ちるぐらいしっかりと。感動する内容だった。これが既婚者の私なら、恋人のいる私なら、心から想える誰かがいる私なら、泣けていたのだろうか。

25歳を前にして、自身の心の狭さに落ち込む。運命の人を信じている時期の自分に言ってやりたい。運命なんてものは存在しない。動かないと向こうからやってくることはない。結婚式で泣きたいなら自分から行動しないと。

車に落ちる雨音を聴きながら、カネコアヤノを流して車内で書き込むnote。こんな感情は残しておくべきではないのかもしれない。降り止まない雨が流してくれると期待を込めて。新郎新婦2人のこれからの益々の幸せを心より願って、結びの言葉とさせていただきます。

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