見出し画像

競輪場でおじさん達の話に聞き耳を立てる


毎週毎週行く競輪場。
今日も行ってきた。
おじいちゃん、おじいさん、おじさんばかり。
競輪場で人とすれ違うと大体の人が若いやつが来てるなと私を一瞥してくる、気がする。ちらっと見られたら私も見返す。楽しみに来てますよと。

なかなかレースを的中させるのは難しいけれど、競馬よりは当てやすいのではないかと思う。感覚的に。やはり競輪は人が走る。馬が走っても同県どうしの絡み合いなどはない。競輪にはある。面白い。知れば知るほど面白いなあと。こうやってギャンブルにハマっていくんだなあと。沼に足底がだいぶ浸かっている状態。

レースを予想する会話が聞こえることもしばしば。そんなときは、ふむふむと自分の買った車券を見て、うーん、どうかしらとなる。同じ選手を買ってたらちょっと嬉しい。その券が当たるかの話はまた別だが。


今日はラクダの話をしていたのが印象的だった。

「おまん、ラクダに乗ったことあるかえ?」
『一回あるでよ。』 
「ありゃ、どればあするぜ?千円ぐらいで乗れるかね。」
『忘れたぜ。でもそればあやったろうかね。今やったらそんなんじゃ乗れんろうね。』
「五千円ばあするろうかね。」
『そればあとらんとやってられんろうね。』
「餌代もあるろうしね。暑いきラクダも大変やにゃあ。」
『ほんまよ。大変よ。』
「そうと、今日はひとっちゃあ当たらん。」
『まだ3レースよ。こっからよ。』
「ほうやねえ。」

いやあ、ラクダの話。なんともほのぼのした会話だなと。おじさま達の溜まり場にいると楽しい。他のギャンブルを行う場所よりも会話があって、なんというか楽しい場所だなと。勝っても負けても人と話すことができるから、それも競輪場に足を運ぶ目的のひとつなのかな。私たち若い世代が友達とカフェで駄弁るみたいなことかと。私はどちらというと、カフェでお喋りするよりは競輪場や競馬場に行って楽しめる友達が欲しいなとも思うけど。そんな友達は残念ながらいない。これは仕方ない。男に生まれていればなあとも思うけど、それはまた別の話で、今の自分が行くから楽しいと感じられるのかなとも思う。

おじさま達のファッションも非常に興味深い。しっかりと白いマスクを身につけ、頭にはキャップ。6割ぐらいの人が帽子を被っている。いや7割かも。結構な割合の帽子を被った人をみる。私は被っていない。おじさま達はTシャツよりポロシャツ率が高い。若そうな人はTシャツ。私はTシャツの日が多いけど、今日はポロシャツだった。ポロシャツをズボンにインしているのもかわいらしい。お洒落だなと思う。スリッパよりもちゃんとした靴を履いている人が多い。自転車を漕いだり、車を運転したりするにはやはり靴の方がいいよね。わかる。

おもしろくない毎日に飽き飽きするけれど、毎週末、競輪場に行くと、いつも通りおじさま達はそこに存在していて、少し安心する。これといった楽しみがない生活に少しのギャンブルは潤いと希望を与えてくれる。明日からもがんばって働いては週末あの場所へと懲りずに通うことだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?