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世界を「縦と横」に比較する

高校生・中学生の兄妹と年齢不詳の男「カイゾク」との会話を通じて、「地政学」が楽しくわかりやすく学べる一冊です。

1日目ーー なぜドルは世界中で使われるのか/みんなが船で運ぶ理由
2日目ーー 中国が南シナ海を欲しがる理由/日本が核爆弾を持つ日は来るのか
3日目ーー なぜ領土を求めつづけるのか/中国の防犯カメラは何のため?/なぜ戦争を起こそうとするのか
4日目ーー なぜ王様は必要とされるのか/なぜ大きな国の人々は外国語が下手なのか
5日目ーー なぜアフリカにはお金がないのか/アフリカから見た日本/貧しさから抜け出す方法
6日目ーー 世界一ラッキーな土地アメリカ/韓国人でロシア国籍のヤマモトさん/なぜ過去のことが蒸し返されるのか
7日目ーー 夢がないのは悪いこと?/温暖化で地球儀はどう変わるか/なぜ日本は東の果ての極東と呼ばれるのか


中学生にもわかるような語り方だからこそ、中高時代に全く地理・歴史に興味が持てず、今さらどこから学び直して良いかわからない私にピッタリな本でした。

私の敬愛するちきりんさんはよく、比較の基本は「縦と横」という言葉を使われます。

縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること
横=他者比較=国際的な視点でものごとを見ること

ちきりんさんの著書を読んでから特に思考を深めたいと思うときは「縦と横」を意識するようになりました。
(こういう話を自分も学生時代に学びたかった)


「13歳の地政学」の本に話を戻すと、この物語の中心となる地球儀から

・縦=古い地球儀と現在の地球儀の比較
・横=地球儀をどの国から見るのか視点をずらす(ひっくり返してみる、南極から見る、ヨーロッパから日本を見る)

この本も「縦と横」を特に意識して作られた本だとわかります。

そして地政学を学んだうえで地球儀を見ると、争いに巻き込まれやすい地域などは地理的な要素で決まっていることなど考えると、改めて自分が日本に産まれた幸運を感じずにはいられませんでした。

これまでも自分にできる社会貢献としてできる範囲で募金活動などしてきましたが、自分がまずすべきことはこの世界の仕組みを知ることだったと感じました。

改めて自分が今の世界を理解した上で、争いに巻き込まれやすい地域など産まれた環境にすでにハンデがある人の何か手助けになることをしていきたいなと感じました。

私一人にできることは限られていますが、こうやって本を読んだ人が一人でも気づき、小さな行動を起こすきっかけになればと思い、おすすめしたい1冊となりました。

我が子にもいつか興味が湧いたときに読んでもらえたらいいなと思いながら、自宅の本棚にしまって置こうと思います。


こちらの本と構成が似ている。
13歳からの地政学が気に入った方はぜひこちらも読んでみてください。

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