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フランス留学記<自分の機嫌を自分で取れた日>

スーパーのレジに吸い込まれた20€

そこまで高い値段設定ではなく、新鮮な野菜や豊富な生鮮食品を取り扱っているので食材のまとめ買いに適している。そんな近所のスーパーでのこと。
セルフレジで商品を通し終わり、精算をする。いつもはすんなりいくカード決済が何度試してみてもエラーになるので仕方なく現金で支払うことにした。
現金を自動精算機に入れた。そして決済完了画面をタップするが、いつまで経っても支払い完了画面にならない。
自動精算機に現金20€が吸い込まれてしまった!

その後の20€

大慌てでお店の人を呼んで拙いフランス語と英語で事情を説明する。
途中からパニックで脳みそがショートし、気づいたら「頼むからせめて英語で話してほしい」と懇願していた。
お店の人はその場でできる対応をしてくれた。自動精算機に詰まってないか。
本当に支払い不成立なのか何度もレジを再起動してくれた。
結果、20€は本当にただただ吸い込まれただけだったようで、店が閉店してレジ締めをしないと差額を確認するのは難しいから、次の日の朝また来店するようにと言われた。次の日スーパーに行ったけれど、また電話するからと言われて門前払いを食らった。

とまらない涙

フランスに来て4ヶ月、自分なりによくやってきたと思っていた。日用品の表記が読めるようになった時、嬉しかった。でもコミュニケーションを取る能力はまだまだ足りていない。今回のようにトラブルが起きた時、事情を説明することすら出来ない。何も成長してないようにさえ思う。情けなくて涙が止まらなかった。
この話をした時父親がこう言った。「フランスに居るのに、フランス語で満足に説明できなかったのか。何ヶ月フランスに居るんだ。」
きつ…と思ったけど図星で、それは自分も思っていることだった。

ヴァンセンヌ城を散策

少し歩いた方がいいと思った。部屋で涙を垂れ流していると鬱々してくる。
目的地を設定した方が歩きがいがあると思って、ヴァンセンヌ城を歩くことにした。ヴァンセンヌ城はパリの東方に位置するヴァンセンヌにある古城で、フランス王家の狩猟場であったヴァンセンヌの森が近くにあることでも知られる。
結婚式に使われたりハネムーンで訪れたりなど幸せな場面を数多く見てきたこの古城は、17世紀後半には牢獄として使われるようになる。フランス革命後は武器庫を経て、現在はパリ市民や観光客の心の拠り所として存在しているようだ。

ヴァンセンヌ城

自分の機嫌を自分で取ること

正直このスーパーでの1件がないと気分転換なんて考えなかった。だから、もしスーパーで精算がうまくいっていれば、部屋で涙を垂れ流していなければ、少し歩こうともヴァンセンヌ城に寄って気分転換しようとも思わなかった。
けれど色々なことがあった結果、素敵な場所に導かれた気がする。
まだもう少しだけ頑張れる気がした。

人生は近くで見ると悲劇、遠くから見ると喜劇。この言葉が好きだ。
焦りすぎずもう少しやってみるかあ…🚶そう思える日だった。


読んでくださりありがとうございました!


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