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アメリカでのこと#15とある人を紹介された話

カジュアルなお見合い話の話。小説やドラマでしか見たことなかったお見合いの話が、自分の近くにも来たときの話。かなり昔の話だが、ちょっとしたご縁があり、あなたに会ってほしい人がいるということでその人と会うことになった。


お見合いみたいなものは、名家だとか王族の御用達だとばかり思っていたので、こんな話がごく普通の人にもくるのだと大変驚いた。マッチングアプリなどない時代で、こんな形で人づてに話がくる、ごくごくアナログなやり方で。

アメリカの大きな都市の郊外に住み、何代かで商売を営む家系とのこと。そのほか聞いてもないのに家族構成だとか、学歴など聞かされた。相手方に自分の情報も伝わっていたのだろう。アジア系の方だった。もし結婚したらずっとアメリカに住むのだろうかなどぼんやり考えた。

お見合いの仲介をしてくださった方、仲人の方とは何年も疎遠にしていたのだが、自分の両親を良く知る人物だった。どちらかに私がそっくりだったので、遠くからみて私がその人物だとすぐわかったと興奮気味におっしゃたことをよく覚えている。

当時仕事は楽しかった。様々な人との交流もとても楽しい頃で、お見合いには全く興味が持てず、結局なかったことになった。

時は流れ、今もその昔自分が「お見合いらしきもの」で食事をしたレストランは、アメリカ郊外で営業中の様子だ。

ドラマチックな展開などは何も起こらなかった、ただ人に会ったというだけの話。