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午後のロードショー「エントラップメント」


公開 1999年
監督 ジョン・アミエル
公開当時 ショーン・コネリー69歳 キャサリン・ゼタ・ジョーンズ30歳

ソフトなタッチのロマンチックサスペンスと呼びたくなるような作品ですね。

主演二人のルックスの濃さと存在感の強さで、正直ストーリーなどはどうでも良くなってしまいます。

エントラップメントとは「おとり捜査」という意味なのですね。

保険会社の調査員であるジン・ベイカーは美術品を盗む泥棒であるマックの捜査のため、自身が泥棒だと名乗り彼に近づく。二人は共謀して美術品をはじめ、銀行から大金を盗み出すことを計画する。

ショーン・コネリーが高齢なせいか、共演のキャサリン・ゼタ・ジョーンズとギラギラした男女の関係性ではなく、父親と娘のようなどこか安心して見ていられる雰囲気があります。

ジンが赤外線センサーを華麗に潜り抜けるシーンは、この映画の見せ場ですね。

キャサリン・ゼタ・ジョーンズ自身が吹き替えなして演じており、彼女の身体能力の高さが伺えます。

当時の彼女はセクシーで最高に美しいですね。

二人でダンスを踊るように赤外線センサーを潜り抜ける場面は、最高にクールで大好きなシーンです。

高齢のショーン・コネリーに配慮してか、アクションは少なめな印象ですが、ラストのタワーからの脱出は緊張感があり、手に汗握るものがありました。

二転三転するストーリで、見る者の予想を裏切るどんでん返し的な展開もあり、サスペンスとしてもそこそこ見応えがあります。

古城に高級車、タキシード、名画と、ショーン・コネリーは高級品が良く似合う気品のある俳優ですね。
知性と色気、茶目っ気を合わせ持つ、稀有な俳優といえます。

188センチの長身、スッと伸びた姿勢の良さ、69歳の当時でもキャサリン・ゼタ・ジョーンズに少しも負けない華があります。

彼のほとんどの吹き替えを担当している若山弦蔵さんの声も大好きです。
007シリーズをはじめ、30年以上もの間ハリウッドで主役を演じ続けられた俳優は彼以外にいないのではないでしょうか。

007シリーズが現在でも継続し成功を収めているのは、初代ジェームズボンドを演じた彼の功績が大きいと思うのです。
アクション俳優から見事に渋い演技派にシフトチェンジし第一線で活躍し続けた彼の俳優としての成功が、007シリーズが継続し続けていることに大きく寄与しているのではないでしょうか。

ショーン・コネリーが出演したサントリーウイスキーのCM「時は流れない。それは積み重なる」を思い出します。
彼ほどこのキャッチコピーが似合う俳優はいないでしょうね。

2000年の「小説家を見つけたら」以降、事実上映画界を引退したと言える彼なのですが、「今作をもって引退します」などと高らかに宣言することなく、静かに表舞台から去っていったように思えるのです。

2001年公開の「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフ役を再三オファーされ、高額なギャラを提示されたにも関わらず頑なに固辞したというエピソードもあります。
引退の理由として「年老いた姿を観客に見せたくなかった」と語っていたそうですが、まさに役者の美学といえますね。

ショーン・コネリーは2020年に老衰のため90歳でこの世を去りましたが、私には1980年代から1990年代の彼の姿が目に焼き付いており、そこで時間が止まっているのです。
亡くなる直前まで優雅に人生を楽しんでいたと思いたいものです。

個性の違いこそあれクリント・イーストウッドのように90歳になっても自らが主演を務める事にこだわる俳優もいますが、私は彼の潔さを美しく思うのです。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリ ★★★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★★★★

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