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【NEXZ】デビュー曲に夢と少しの闇を見出して考察する/Ride the Vive


5月20日、ついにNEXZがデビューした。

一生に一度のデビュー日と、その日までのワクワクはこんなにも良いものかと初めて味わった。
改めてこの祝福な気持ちを残すと共に、MVで気づいた一つの仮説について話していきたい。あくまで個人の解釈かつ、様々な考察と自分なりの妄想が混ざり合っているため、もしかすると本人たちの答えと違うところがあるかもしれない。また昂った気持ちのままに書いている箇所もあるため、少々荒っぽい考察になっている。
それでも良いという方はぜひ一緒にRide the Vibeの深みを味わって欲しい。


デビュー曲Ride the Viveは、最初に本音を言うと最高だった。デビューだ!やったー!全員さらにかっこよくなって、歌もダンスも表現力もやっぱすごいわ!!と、とにかく興奮とハッピーで心が埋め尽くされた。
と同時にMVに映る彼らの苦しみ、葛藤、それすらも超越するワクワク感を見た時、どうしても虹プロ2を思い出さずにはいられなかった。

MVの彼らが表すものは何なのか。

私の結論は「究極の統一性」だと思った。

虹プロ2を見ていた人ならわかると思うが、今回のオーディションでJ.Y. Parkが特に言っていたのは「統一性」だった。
その点に加えて、Niziuのオーディション時には、「統一性」の最上級の形は感情までも合わさることだと言っていた。
このことは、タイトルの意味にも繋がってくると思っていて、統一された、合わさった感情に身を任せ、7人全員がこれからの未来を進んでいくと、そんなメッセージが込められているのではないだろうか。
統一性の行き着く先は感情の共有であり、それによって7人が本当の意味で一つになる、つまり7人で一人のように見えるという理想も表しているのかもしれない。

MV内の闇と虹プロ2のリンク

MV全体の世界観を私は「夢」だと考えた。
眠る時に見る夢、でもあり、彼らが叶えたい夢でもある。
終始ヤンチャな姿が映っているが、ところどころには彼らの苦しみや葛藤が描かれる場面がある。
他の人の考察でもあったが、プールサイドでのハルとユウの対比はわかりやすかった。飛び込んだ廃プールの先で、バランスを取りながら楽しそうな笑顔を向けるハル。自分も飛び込んでみようとユウも台に立つが、プールの床が一瞬で落ちて、まるで奈落の底がユウを待っているかのように見える。
虹プロ2で安定的に順位をキープし、パフォーマンスの波が少なかったハルと、アイドルにしかなりたくないという夢があるものの、一度挫折を経験し自信を失っているユウの様子がここで見て取れる。
しかしユウはMVの後半で、7人で過ごす家の2階らしき場所から飛び降りるシーンがある。つまり、一人では飛び込めない場所でも、みんなのいる場所からならば飛び込める、そんな成長したユウを二つのシーンの対比から感じられるのではないだろうか。
もう一つプールのシーンでいうと、ユウキを庇ってトモヤが落ちるというシーンも印象的だった。ユウキがMV冒頭で壁に頭を打ちつけてハルとじゃれ合うシーンがあったが、ユウキもオーディション中は文字通り何度も壁にぶつかっていた一人である。
ソウダイが途中で落ちてしまった後、メインボーカルを背負うのはユウキなのではないかとその時に思った人もいるかもしれない。そのユウキを3rdステージとファイナルステージで支えていたのがトモヤだった。
この二組のシーンは、明確に虹プロ2とリンクさせて理解することができる。

セイタの嘔吐とソケンの覚醒について

さて、私が本当に考察したいシーンはここからである。
それはセイタの嘔吐とソケンの覚醒についてだ。
この点に付随して、このMVは彼らの夢でありながらも、なぜ負の要素が散りばめられているのか、その点についても考えていきたい。

このMVにおいて、一番謎が多いトップ2はセイタとユウヒだと考える。ユウヒの件は今回は置いておいて、特にセイタのシーンで目を引いたのは、嘔吐だった。

そもそもあの家は何なのか。
彼らだけで住むには大きすぎるが、誰かの家にこっそり入っている感じもない。私は、あの家は、彼らが現実でも経験している宿舎での生活が関係しているのではないかと考えた。
おそらくMV内の彼らは、外でのヤンチャに疲れればあの家で体を休め、また外へ出ていくのだと思う。ハルが服をしまいながら考え込むシーンがあったが、荷物を置いているという点からして、あの家は確かに7人の家なのだと思う。
7人が楽しく遊んでいる最中、セイタは急いで口を抑えトイレに駆け込んで行く。他の6人の表情を見てみると、さほど驚いている人もいなく、トイレに付き添っているユウキも足をパタパタさせながら、さほど心配そうな雰囲気を出さずそばにいる。
このことからセイタの嘔吐は、彼らにとって特別なことではないということがわかる。

では、セイタはなぜ吐いてしまうのか。
それは、セイタがパフォーマンスにも影響を与えてしまうほど優しさが滲み出てしまう人間であり、セイタ以外の6人の悩みをセイタが聞くことで、セイタ自身の体に、無意識に負を蓄積してしまっているからではないだろうか。
ユウとユウキがプールのシーンで楽しいだけではない過去を思い出したように、セイタも突発的な嘔吐によって、夢だけの世界ではない、現実を感じざるをえない状況ができている。
理想ともいえる夢は必ず覚めてしまうもので、しかしそんな夢を実現するには、現実に向き合う必要があることを描いているようにも感じる。
デビュー曲にしては重い内容ではあるが、ここにJYPの本気も感じる。NEXT GENERATIONという、グループ名にも込められた次の世代を作るという期待がMV内にも伺える。
また、母親がセイタを車で迎えにくるシーンがあるが、この7人の中ではセイタが最も夢だけでない現実を見ているように感じる。7位でデビューを勝ち取ったからなのかもしれないが、6位でデビューをしたユウヒも同じように、歌い出しの鏡越しのユウヒとその後MVに映るユウヒは何かが違う。ユウヒも謎の点が多く、考察がまだ追いついていない。


最後にソケンの覚醒について触れていきたい。

これまでも話してきた通り、このMVには彼らの夢とあまり思い出したくないような現実が頭の中にあることが伺える。

ではソケンはどうだろうか。
印象的なシーンだと、ティザーにもなった警察に追いかけられるシーンが浮かぶと思う。なんとか逃げながら隠れることができ、背中をつけながら息を整えるソケンの顔は、あまりにも高揚感であふれている。恐怖も間違いなく混ざっているのだが、それすらもワクワク感が飲み込んでいる。
ソケンが映るシーンでソケンの葛藤が見れたシーンはMVの中にあっただろうか。私の見る限りソケンだけがそういったシーンがなかったと思う。
一方で黒い衣装でソケンがセンターとなる終盤のシーンは、一度顔を伏せた直後、何か覚悟を決めたかのような、一味違うソケンの顔がアップになって映し出される。
私にはそれが間違いなくソケンの覚醒を表現しているように見えた。
さらにその後のシーンは何だったかと考えると、ユウキを庇ったトモヤが起き上がるシーンに繋がっている。つまり、ソケンの覚醒がトモヤの目覚めに繋がっている。

虹プロ2で、虹の奇跡やビリの逆襲と言われたソケンはたしかに主人公であったし、ダンス、歌未経験でデビューという夢のような結末を現実でやり遂げたメンバーでもある。
だからこそ、ソケンだけは夢も現実もあえて区別をつけずに、葛藤を描かずにMVの中に存在するのではないだろうか。
もう一つ気づいたのが、MVではなく、パフォーマンスをする際の振りのトップバッターはソケンだった。ソケンが何かに気づき、目覚めるような振りのあとユウヒの歌い出しが始まる構成になっている。このことも、先ほどの考察を少し裏付けてくれるのではないかと思う。


NEXZの全てのコンテンツを追えているわけではないが、彼らが話す言葉のなかで、「7人全員で」だったり、「このメンバーで」という発言が多い気がしている。
究極の統一性が、感情をも共有し7人で一人になることならば、彼らが節々に言っていたその発言がこのMVによって夢や理想ではなく、現実になっていくと、そんなメッセージが隠れているのではないだろうか。
まだまだ考察が追いついていないが、NEXZが何なのかを世界に見せてやる!という彼らの意気込みが叶うような世界を、私は心から楽しみにしている。

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