救われた話、救った話

息子がまだグレーゾーンだった頃の話です。
当時5歳の息子は落ちつきがなく、なかなか集団に馴染めずにいる頃で、一部の親からは白い目でみられたり、息子が遊んでるのをみて帰る人もいました。
しつけのできてない親と私は思われていたでしょう。
でも一部にはもしかして…と思ってた方もいたことが後々にわかりました。
保育園の帰り、いつもの広場で遊びに行き、案の定泣かしてしまい、親に色々言われてとても凹んで自宅に帰る途中に息子の同級生のお母さんと会いました。
挨拶をした後にお母さんが
「子育て頑張ってますね」
と言われました。
突然のことにとても驚きましたが、私は息子一人を育ててるだけ。
「いやいや、三人の子育ての方が大変じゃないですか。私なんて一人だし」
そのお母さんは三人の子育てを縁もゆかりもない土地でして、義父が地元の名士で三世代同居。私なんかより大変な立場で子育てをしてる。でもお母さんからは予想もしてない言葉が帰ってきました。
「実は三人って大変そうに見えるけど、お互いに補いあってくれるから案外親は楽させて貰える部分もあるの。私からすれば一人に向き合う方が本当大変だと思うし、頑張ってるなと思うの。大丈夫だから」
辛くて泣いていた涙は嬉し涙に変わりました。
この言葉に折れかけてた私の心は何とか復活できました。このときは気づかなかったのですが、後にお母さんは息子の行動が発達障害からきてるものだと気づいていたのかもしれません。
この出来事が後々に自分も辛い思いしてる親御さん達のために何か伝えられたらと思うきっかけとなりました。

息子が中学生になり、地域の支援級の集まりがありました。そこで数年前から交流のあるお母さんと久々に再会しました。
お母さんからは
「以前偶然会って話したときに、息子さんが小4頃から落ち着いてきたから大丈夫だよって言ってたじゃないですか。私、それを信じていたんです。
本当に息子落ち着いて過ごせるようになったんです。信じてよかったって。本当ありがとうございます」
って言われたんです。
私の言葉なんて微々たるもので、お母さんが向き合って取り組んでいたことを知ってたから大丈夫。って思っただけ。でも自分の言葉で少しでも救われた人がいたならこんな嬉しいことはないと思いました。





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