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「いい写真」の話

いい写真って何?

もちろんその基準は人それぞれで正解はないのですが、そんな当たり前の話じゃつまらないので、これまで長く個展活動を続けてきた中で、また工房としても多くの人の作品と関わって思うようになった「いい写真」に共通したボクの考えを書いてみます。フォトコンに入選したとか、売れたとか、SNSの人気投票とかの一般的な評価とは無関係な、あくまでボクが思う「いい写真」です。

思いつくままに長くなりそうなので、何回かに分けて書きます。言葉では伝わりにくいとは思いますが、理解よりもイメージしてくれたら嬉しいです。

まずはボク自身の写真について。

写真をやってると言うと、何を撮ってるのかと訊かれますが、安曇野という土地柄、山ですか?と訊かれます。確かに山には違いないのですが、そう言うと多くの人はアルプスなどの山岳写真をイメージするので、もっと低いところで「森を撮ってます」と答えることが多く、少し丁寧に答えると「信越境のブナの原生林を撮ってます」とか「信越境の標高1000m位の広葉樹林を撮ってます」となる。

樹が好きなんですねー
ブナの巨木いいですよねぇ〜 

少し興味のある人からそんな返事が返ってくると、さらに…

もちろん巨木もいいけど、巨木に限ったわけじゃなくて、樹々の幹や枝葉が織り成す背景も含めた森の空間が好きで、その空間を平面じゃなく立方体として切り撮るイメージです。

と言っても直ぐにはイメージ出来ないようで普通はハァ…⁇となってしまいます。


ブナの巨木とか〇〇岳とか、名のある花とか特定の植物のようなモノではなく、無数の曲線が織りなす空間や、その佇まい、空気感、湿気、静けさや騒めき…そんなモノではないものたち。本来写真には写らないものを感じられる写真はきっと「いい写真」なんだと思います。

言葉にすると難しいしSNSの小さな画面では伝わりにくいのですが。

個展会場では…

これ写真ですか?
どんな技法なんですか?

てよく訊かれます。

技法も何も普通の写真ですよ。と言うと、作品に近づき真横から画面の凹凸を確かめて不思議そうに「まるで窓から外の景色を見ているみたい!」

何人もの方からそんな嬉しい言葉をいただきます。臨場感を感じるのは、その場にいる自分を感じていることで、やっぱり写真に写ってないもの。思わず心の中でガッツポーズです🤨

言葉では伝わらないものが作品から伝わる。そしてその反応がダイレクトにボクに伝わる。それが個展開催の魅力です。


本当は森という言葉はあまり好きじゃないのですが、山といえば山岳写真だと思うし、風景も違う。自分ではスナップだと思ってるけど、多くの人の理解は違うと思う。森のスナップ?やっぱり森という言葉になるな😮‍💨

ま、写真をみて感じてもらえたら何でもいいんですけど…

今日はここまで、次回も「いい写真」について書いてみます。

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