母親を亡くした友人へ

“悲しんでいる人たちは、さいわいである
  彼らは慰められるであろう”

誰かの慈悲深い言葉

だが
慰め方を知らない愚か者には
全くの空白になってしまう
一節

何を言っても  傷つけそうで
何をやっても  無駄になりそうで
それさえ  忘れそうになる

安物の平素を装ってみても
結局

階段を踏み外したりしません様に
大切なものを失くしたりしません様に
時刻表を見間違えたりしません様に
そして
扉の鍵が早く見つかる様にけれども
決して大きくはない明かりを持つことしか出来ない者たち

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