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「船徳」@月例三三 2023.7.14

夏に聞きたい噺と言えば、「青菜」と「船徳」。江戸の暑さと水の上を渡ってくる涼風を感じさせる。
今回の三席目は「船徳」だった。

道楽がすぎた若旦那がおだてられて、船頭になろうと決心。
全然使い物にならない若旦那に、船頭の格好をさせて置いておく船宿の主人。
「あれはダメなんです」と言われているのに、無理に若旦那を船頭として使おうという客。
客の要求を断れず「最終的に船だけは守ってね」と若旦那を船に乗せてしまう船宿のおかみ。
やっと出番だと張り切って、客を待たせて髭をあたってくる若旦那。
登場人物一同、”まあ何とかなるさ”がモットーなのか? 
川風の涼やかさと、四万六千日の賑やかな街の暑さを感じさせる語り口。
噺に爆笑しながらも、みんなが生きやすい多様性の時代を見たよう。

暑いせいか空席はいつもより目立ったが、拍手は万雷。

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