DRWの牧野健一郎:10月24日_引け後市場分析10月24日

DRWの牧野健一郎:10月24日_引け後市場分析10月24日

 
5分足チャート
東京株式市場で日経平均は、前営業日比62円80銭高の3万1062円35銭と、小幅に反発して取引を終えた。前日までの3営業日で1000円超下落した反動で、自律反発を期待した買いが優勢となった。ただ、米金利の先高観や中東情勢悪化への懸念など外部環境の不透明感は強く、1日を通して売り買いが交錯する展開となった。
日経平均は前営業日比157円高で寄り付き、210円高の3万1210円26銭で高値を付けた。その後マイナス圏に転落し447円安の3万0551円で安値をつける場面がみられたが、後場には再びプラス圏に浮上。明確な材料がない中、先行きの不透明感を警戒した売りと押し目買いが交錯する展開となった。
米長期金利の先高観や中東情勢への警戒感のほか、企業決算もさえなく地合いは全体的に悪い状況が続いている。国内企業は円安頼みの業績改善となっているほか、世界的な半導体市況も明確な需要回復が確認できたとは言えず、依然方向感に欠ける状況である。
TOPIXは0.09%高の2240.73ポイントで取引終了。東証プライム市場指数は前営業日比0.09%高の1153.16ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆7241億2200万円だった。東証33業種では、値上がりは精密機器、空運、鉄鋼、陸運、小売りなど20業種で、値下がりは海運、銀行、医薬品など12業種。パルプ・紙は変わらずだった。
為替市場
 

 
1時間足チャート
24日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日経平均株価の上昇を受け、1ドル=149円台後半で強含みに推移した。午後3時現在は、149円68~69銭と前日(午後5時、149円89~90銭)比21銭のドル安・円高。
 ドル円は午前9時に149円70銭台で推移した後は、中東情勢の悪化懸念などを背景に時間外取引で米長期金利が低下したことから、149円50銭前後に下落。午後は日経平均の切り返しでショートカバーが入り、149円70銭台に水準を切り上げた。
 午後のドル円は、買い戻しが優勢だったが、朝方のレベルに帰ってきただけで方向感は出ていない。引き続きイスラム組織「ハマス」とイスラエルの戦闘激化や政府・日銀による為替介入警戒で上値が重い一方、米国の金融引き締め長期化観測などから、下がった場面では買いが入る状況で、下値も堅い。149円台後半がちょうどいいのか狭いレンジで推移している。
 週後半にECB理事会の開催や7~9月期の米GDP、9月の米PCE物価統計の発表などを控えていることも、ポジション構築を鈍らせているとみられる。市場では米GDPなどを見極めるまでは、149円台での攻防が続くとの見方が大勢なので、経済指標後の動きを見極めて対応しましょう。
 
WTI原油

 
日足
 
ニューヨーク原油相場は大幅続落。イスラエルがガザ侵攻の規模を見直している兆候が明らかになり、少なくとも一時的には中東の紛争拡大に歯止めがかかるとの見方が広がった。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は方向感の定まらない相場展開で、バレル当たり86ドルを割り込んで引けた。イスラエルは人質解放の時間を稼ぐため、ガザへの地上侵攻を見合わせているとみられている。欧州連合(EU)首脳らはガザへの支援物資輸送を可能にするため「人道的停戦」への支持をまとめようとしている。
多くのアナリストレポートを確認したところ、北海ブレント原油がバレル当たり約7ドル過大評価されているとし、市場の不透明性を考慮すればこのプレミアムは「妥当だ」と指摘していた。1973年を例外として、1967年より後にイスラエルが関与した大規模な軍事衝突10件はいずれも、原油価格に長期的な影響を与えなかったという状況のようです。
原油価格は今月7日にハマスがイスラエルを攻撃して以来上昇しているが、現時点で原油供給に障害が見られないため、上昇率は抑えられている。
ニュースによると、イスラエルとハマスの戦争が中東全域に広がった場合、短期的な原油価格には上方向に動く余地が大きいとのこと。
原油市場に関するニュースとしてはこのほか、米石油大手シェブロンが同業のヘスを530億ドル(約7兆9500億円)で買収することに合意した。
 
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比2.59ドル(2.9%)安い1バレル=85.49ドルで終了。ハマスがイスラエルを攻撃して以来の大幅安。北海ブレント12月限は2.33ドル下げて89.83ドル。|
 
金先物市場

 
日足
 
ニューヨーク金相場は小幅安。米10年債利回りは一時、2007年以来の高水準を付けた後に、下げに転じた。中東の戦争が悪化の一途をたどるとの懸念は前週より和らいだ。
米10年債利回りが5%を上回ったのは16年ぶり。金融政策の引き締めが長期化するとの見方がその主因であり、そうした見方は利息を生まない投資商品である金に通常はマイナスに働く。
金はハマスのイスラエル攻撃後に約8%上昇していた。20日には一時、1オンス=2000ドルに近づいた。ハマスは週末に米国人2人の人質を解放。エジプト国境からガザ地区へ救援物資を積載したトラックが入り、世界的に深刻化していた紛争拡大への懸念は和らいだ。
しかしイスラエルは依然、ガザの空爆を強化し、ハマスとの戦争で「次の段階」に備えている。またレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラによって戦火がレバノンに飛び火する可能性も警戒されている。中東での紛争拡大はエネルギー価格を上振れさせ、中央銀行の政策では制御が難しいインフレを引き起こし、経済を損ないかねない状況である。
クリーブランド連銀のメスタ-総裁は20日、予想通りの経済動向ならば積極的な利上げは終わりに近づいていると述べた。パウエルFRB議長は25日に公の発言機会があり、追加利上げの有無で何らかの示唆があるかどうかに注目が集まる。
金が今の価格を維持するには、地政学的なリスクプレミアムが継続するか、実質利回りが低下する必要がありそうなので、引き続き戦況はチェックしておきましょう。
金スポット価格はニューヨーク時間午後3時30分現在、前営業日比8.39ドル(0.4%)下げて1オンス=1973.01ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、同6.60ドル(0.3%)安い1987.80ドルで終えた。
 
ビットコイン市場

 
日足
昨日のBTC相場は大きく上昇。
30,000ドル(約450万円)乗せに成功すると、31,800ドルの年初来高値をトライ、今朝方ブレークすると一時34,000ドル(約510万円)台に急伸した。
BTCはブラックロック分のETF承認の誤報で先週月曜日に30,000ドルを付けた後、28,000ドル台に値を下げていたが、半値押しと200日移動平均線にサポートされると、週末には30,000ドル台に回復、円建てでの年初来高値を更新しました。
昨日は引き続きETHなど出遅れ気味だったアルトコインに物色買いが入り、また相次ぐSECの敗訴もあってソラナ・ポリゴン・カルダノと言ったSECに証券と名指しされた銘柄に買いが入る中、BTCはじりじりと値を伸ばしたが、31,000ドルを前に上値を押さえられた。
すると、達成感もあってか米10年債が2007年7月以来の5%の大台にワンタッチした後、失速、リスクオンムードが広がる中、BTCは31,000ドル台に乗せた。
ブルームバーグのETFアナリストがブラックロックが申請中のBTC現物ETFのティッカー(IBTC)が取引所の清算会社のリストに載ったことを承認に向けた前向きな動きと伝え、またSECが控訴を断念していたグレースケール裁判で裁判所がSECに再審査を命じたことなども好感され、BTCは年初来高値一歩手前まで値を伸ばした。
今朝方、その水準をクリアすると、BTCは先物市場のショートポジションの買戻しを伴いながら、一気に34,000ドルまで上昇、円建てで500万円に乗せた。
今後の展開として、33000ドルを割ってくるのかどうかというところだが、高値を維持してくるのであれば、30000ドルに乗せたときと同じような高止まりからの上昇があるかもしれないので、逆張りでエントリーするのは大きく下げてトレンドが崩れたときにしましょう。

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