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怪説~モノノケガタリ~第4話

沙彦
「最近…
  少し前と打って変わって暇すぎやしないか…
   神社も裏稼業も…」
響子
「もしかして惟嶺さん…
  凄い人なのでは…」
沙彦
「こんな事なら千里の奴…
  もうちょっと放っておけば良かったかな…」
惟嶺
「もしかして…
  俺のこと放っておくつもりだったんじゃ…」
沙彦
「悪かったよ…
  お前絡みの案件だから…
   そうも行かなかったんだよな…
    でも死神・疫病神はともかく…
     福の神まで寄せ付けないんじゃ…
      あべこべだよ…」
惟嶺
「響子さんに寄り付く虫は正体が福の神でも追い払います…」
沙彦
「本当に昔も今も本当に怖いのは生きている輩の方だな…」
響子
「死んでしまったものが強い未練を残しても…
  単純な思考や情念しか残っていない事が多いですからね…」
沙彦
「寧ろ生き霊になってる奴の方が厄介なんだよ…」
惟嶺
「もしかして…
  俺みたいな奴の事ですか?」
沙彦
「別にお前みたいに単純なのも…
  ちょっと向かう方向間違うと…
   とんでもない事になりそうだな…
    それに早速…
     別の怪異が憑りついていないか…
      でもな…
       お前みたいに純粋で単純な奴は利用しようとする奴を…
        気を付けていれば良いだけなんだよ…」
響子
「惟嶺さんも私が使役している式神と融合するくらいですからね…
  強い情念をかかえてる半面…
   行動も思考も今のところ…
    比較的単純ですから…
     私自身がしっかりしていれば良いだけの事ですからね…」
惟嶺
「俺って…
  そんなに行動も思考も分かり易いの…」
沙彦
「何を今更…
  馬鹿と鋏は使いようって言うだろ…」
惟嶺
「何もそこまで言わなくても…」
響子
「惟嶺さんの一途なところ…
  結構好きですよ私…」
惟嶺
「響子さん…
  嬉しいっす…」
沙彦
「傍から見ていると…
  響子と惟嶺は…
   恋人と言うよりも…
    飼い主とペットみたいなものだし…
     あのな今この瞬間でも分かるくらい…
      惟嶺…
       響子の傍に居たいと言う情念が駄々洩れなんだよ…」
惟嶺
「そりゃあ…
  響子さんの傍にいる為なら…」
沙彦
「今度の怪異は下手に追い払う訳にも行かなそうだし…
  放っておけば…
   俺にとばっちりが来る奴じゃないか…
    面倒くさいし厄介だが…
     今回は俺一人で…
      先ずは話つけに行くか…」

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