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3月27日のFX(ドル円)の見通し

1.24日は米国のPMIが上振れ

 24日(金)は、朝の 日本 2月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)が予想3.4%を結果3.5%と上振れました。最近は、日本のCPIへの関心が高まっており、19時台には一時129円65銭程度まで円高が進みました。その後、欧州時間では円安方向に進み、22:45の米国PMI発表前には130円を超えて取引されていました。

 22:45 米国 3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値) 予想50.5 結果53.8 3月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値) 予想47.0 結果49.3 3月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値) 予想49.5 結果53.3と結果は概ね予想を大きく上回る結果となりました。

 銀行の経営不安があるためPMIの結果による上昇は一時的と見る向きもあったのですが、結局は130円90銭付近まで上昇しました。その後はやや下降気味となり、130円75銭付近で一日を終えました。ファンダメンタルズ的に今後も下降を続けると見る向きもあれば、チャートの動きから下降は止まったのではないか?と見る向きもあり判断が難しいところです。

2.シカゴIMM通貨先物ポジション(下降は一旦止まる?)

 シカゴIMM通貨ポジションは、サイバー攻撃に遭ったとのことで、しばらく最新情報が見られなかったのですが、最近復活してくれました。このポジション公開は、デイトレードで細かい動きの想定に活用することは不向きなのですが、相場の大枠の方向性を把握するためには非常に役立ちます。

 先週末に3月24日分のシカゴIMM通貨先物ポジションが発表になりました。については売り残が66,345枚となりました。これは、サイバー攻撃に遭う前1月24日の21,635枚と比較すると44,710枚増加です。1月24日分を発表された際には「いよいよ買い残に転換しそう?」な数字だったのですが、今では円安(米ドル/円的には上昇)が進みそうな数字です。IMM通貨先物を見る限り、これから大きく円高方向へ相場が動くことは想定しづらい状況です。

 ユーロ買い残が144,842枚と買い残継続です。1月24日分発表の134,349枚と比べて10,443枚増加です。ユーロは米ドル相場に大きな影響を与えます。この感じだと今後も米ドル相場の上昇は難しいと思われます。

 IMM通貨先物を見ると、瞬間最大風速的に相場が動くことがあっても、基本的には円安・ドル安がぶつかり合って動きにくくなると考えることが自然だと思います。これまで、円高・ドル安となって米ドル/円が下降してきたのは、リスクオフ相場で円が買われていたからです。でも、リスクオフ相場では米ドルが買われることもありますから一概に米ドル/円が下降とは言えません。

3.下降第3波だとしたら下降トレンド継続?

 ところが、週足をテクニカル分析すると事情は異なります。週足では下降トレンドとなっており、先月の上昇で第2波(調整波)が終了したと見られます。そうなると、今月の下降は第3波スタートなのですが、第3波は第1波より長くなるケースが多いのです。

 現状は、第1波の下値127円30銭付近を割り込んでいませんから、そもそも第3波にもなっていません。でも、現状を週足の第3波を形成中だと考えている人は、下降はまだ続くと考えていると思います。そのような人は、最低でも127円30銭は下回ると考えるでしょう。もし、仮に127円30銭に到達せずに上昇した場合には、第3波形成途中のレンジ相場に移行か、第3波形成失敗となると思います。

 ちなみに週足は下降トレンドですが、日足ではギリギリ上昇トレンド継続中であることは踏まえておく必要があります。

4.今日のこれからの相場

 9時からの東京時間では、仲値付近で一旦130円60銭付近まで下降したのですが、その後は10時台にかけて131円05銭付近まで上昇しました。その後は下降してきて、14:00現在では130円70銭付近です。午前から午後にかけての動きが正に今の米ドル/円の状況を表していると思います。米ドル/円は売りとも買いとも決め打ちはできない状況なのです。

 強いて今日のポイントを挙げれば、130円50銭を割り込むと一時的に売りが強くなるかもしれませんのでショートを試してみることでしょうか?ただ、130円付近は何回も下抜けを失敗している場所なので、130円00銭に近付いたり、130円を少し割ったくらいの場所はロングが入ってきやすく、反発上昇に注意する必要があります。

 逆に130円50銭付近の反発上昇を期待してロングをするという手もあります。ただ、こちらもリスクオフ相場で円買い有利と考えるトレーダーはたくさんいますから、戻り高値売りの餌食にならないよう注意する必要があります。

 131円00銭付近も反落ショートや上抜けロングが狙える場所です。深追いしなければ、どちらも可能性がある相場状況です。

 今晩は、大きな経済指標の発表がありません。そうなると、先週と相場環境からあまり変化がないように思えます。しかし、先週と大きく異なることもあるのです。それは、今週末が四半期末に当たることです。これに関しては、どのようなフローが生じるのか誰にも分かりません。

 また、月末ロンドンフィキシングの週に入りました。月末ロンドンフィキシングは月末2日間(今週の木・金)で行うと言われています。これは、月末に資産状況の整理(リバランス)を行うために、米ドルをポンドに替えるなどといった取引が発生して、ポンドや近接するユーロに大きな相場の動きが生じることです。最終日には0時~1時(夏時間は23時~0時)にポンドが100pips動くことも珍しくありません。

 ただ、リバランスは米ドル→ポンドが多いのか、ポンド→米ドルが多いのかはその時になってみないと分からないので決め打ちはできません。ユーロも同様です。今月は米ドルが売られてきているので、もしかしたら米ドルを買い戻す動きになるかもしれませんが絶対ではありません。 

 今日は、130円00銭、130円60銭オプションNYカットが設定されています。23:00頃にどうなっているでしょうか?

 何にしても、損切り近め、短時間勝負が大切だと思います。レンジだと思って損切りをしないでいると急に大きく動いて後悔することもあります。

 本日は、米国長期金利がやや上昇傾向、金相場はやや下降傾向であるためやや米ドル高になりやすい日かもしれません。14:30現在で通貨の強弱チャートの6位は米ドル、8位は円ですから今後に注目です。

 なお、26:00 イギリス ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言は米ドル相場にも影響が出ることがありますので一応心得ておいてください。 

 今の相場は、いつ何があるか分かりません。ちょっとしたきっかけで反転することがあります。損切り近めで、短時間の利確を繰り返した方が安全です。なお投資判断は、あくまでも自己責任でお願いします。

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