10.「はぐれ宮司の事故物件お祓い事件簿」金子雄貴(著)

 「運をよくする」ということを突き詰めて考えると怪しげな開運法に頼るのは得策ではなく、「徳を積み続ける」という答えにたどり着く。ではどうすれば徳を積むことができるのか、それは金があるなら金を、知識があるなら知識を、力がある力を世に役立てるということになる。

 別の観点から考えると、運という捉えどころのないものをよくしようとするより、縁つまり対人関係をよくするほうが具体的だと言える。人間関係をよくする方法として接遇的な対人関係を学ぶとか、アンガーマネージメント(怒りにより後悔すること、怒らないことにより後悔することを減らす)を学ぶことも有益だろう。また縁を「自己と世界との関係性」と見るとき、自己は原因として世界に何を与えているのかに着目する必要がある。

 私は縁をよくするためには「心の穏やかさを保つ」ことが大切だと考え、瞑想を習慣にしようと試行錯誤しながら、結局、毎日神棚を礼拝するという日課にたどり着いた。そして神道関連の本を読む中で、いわゆる「穢れ」とは気が枯れた=不安定な心身の状態だと考えるようになった。「神に守られている」という感覚を得る中で、以前よりは落ち着いてきたように感じられる。

「はぐれ宮司の事故物件お祓い事件簿」金子雄貴(著)より

「死者を悼み、生きている人に寄り添う、それが神職のあるべき姿だと思います。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?