推せるときに推せ、したいときにしろ

おはようございます。暑いですね。
いやー暑い35℃ですってよ。溶けるんじゃないかしらね。
皆様も熱中症にはご注意くださいね。

精神科に勤めていた時の話です。
何気ない日常がそこには流れていました。確か…おやつの時間だったかな。
全員がフロアに集まって、お風呂を終えた方から順番におやつを食べていた時だったと思う。

私は胃ろう(胃に栄養を流す)の方へのケアをしていたんですね。
フロアに1台しかないテレビを取り合う人、ニコニコしながらおやつを食べる人、お風呂から出て嬉しそうな人。

日勤だった私は、もうあと2時間ほどで仕事が終わりか…なんて思ってた時だった。

患者さんの「あんたどうしたん!!」で何気ない日常は、一変した。
私はナースステーションで洗い物をしていたが、聞こえるほどの声だった。

スタッフが駆け付けると、顔が真っ青になっていた。
誤嚥だ…間違いない。
スタッフの一人がタッピング(背中を叩く)を行う。
すぐに医師を呼びに行く。大変だ…
私は指示を受けて、処置室の吸引機を準備する。

医師が到着し、処置が始まる。
私はご家族に連絡をしろと言われ、待機する。

ほどなくして処置室から「完全にふたしてる…こりゃ手遅れだな」と。
ご家族にすぐ来れないか連絡しろと言われる。
電話を掛けるが留守番電話で、とにかくメッセージを入れる。

だが…間に合わなかった。

この方は、食べ物を噛まずに飲み込まれる方だった。
誰かからもらったビスケットらしきものを丸のみしたのだ。
それが原因だった。

担当のスタッフはトイレ介助で持ち場を離れて不在だった。

ここまでの出来事は約30分だ。
泣くしかできないスタッフにかける言葉がなかった。
医師は「ビスケットをポケットにしまい込んでたことが問題だから」とかばったが、翌月にそのスタッフは退職した。

ご家族がかけつけたのはよく遅くになってから。
私も、事故の報告書作成の為に、当時の状況を話したりで夜まで病院にいた。

なんでこんなことに…という家族。
こんなんなら早く面会してあげればよかった。

あなたの身近にいるその人も永遠と居るわけじゃない。
アイドルさんだって、スポーツ選手もそう。
友人、家族、恋人、先生とか。

会える時に会ったり
推せるときに推すことはとても大切だと感じました。

亡骸を前にご家族は泣きながらありがとうと伝えていました。

今日もし、この記事を見られた方は。身近な方、だれでもいいので「ありがとう」と伝えてあげてください。

今日も記事を見てくださりありがとうございました。

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