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バツイチ子持ち女の市場価値

    〜パリピイベント編〜

親に子供を預けて久々に都会へと向かう電車に揺られながら緊張と期待
そして罪悪感でドキドキしていた

このワンピース変じゃないかな?
ー娘はごはん食べたかな?
このジャケットで良かったかな?
ーお風呂ちゃんと入ったかな?

そんなに気になるなら出かけなきゃ良かったかな
…とか思ってる間に友達のミカと合流

『今日のイベントはうちら世代の音楽がメインらしいよ!盛り上がろ♡』
ミカは楽しそうだ

ミカは高校時代からの親友
お互いシングルマザーでよく子供を連れて遊びに行ったり、子育ての悩みを相談し合ったりもする

今日のリミットは午前0時までに帰宅
まるでシンデレラ

そうこうしている内に目的地近くの駅に到着
駅からアーケード街を通り5分ほど歩いた場所
狭い階段を登った先に一際熱気溢れるガラス張りの一室が見えた

広さはそれほど無く、
バーカウンターと簡易なDJブース
そこには同年代であろう男女が十数人
楽しそうに踊ったり喋ったり

ちょっと場違いな空気をかもしながら
ミカに促されてドリンクを頼む

ミカは今日の主催者、リュウジと楽しそうに歓談している
友人だと言っていたが、ナニかありそうな仲なのは見てわかった
(なるほど、そういうことね)
益々肩身が狭くなりそうだ

人見知りが故に周りに合わせてしまう性格だから
とりあえず笑顔で話を合わせる

(やっぱ来なきゃ良かったかなぁ…帰りたいかも)
そんな事を思ってた矢先
一人の真面目そうな眼鏡にスーツの男性が近寄ってきた

『ドリンクもうないね。次何飲む?』
見た目真面目そうなのにグイグイくるメガネ君

とりあえずドリンクを頼み、何気ない会話が始まる

彼、ショウは
私より2つ年下で独身
出版社に勤める普通のサラリーマンで
趣味でダンスサークルに所属してる
そのダンスサークルの仲間に誘われて今回のイベントに参加したとのこと

初めは全くタイプでもないし、どうにかなるなんて思ってもいなかった
でも久々の男性との会話は思いの外楽しく
気付いたらお酒も進んでいた

タイムリミットも迫る中、ショウともっと話したい
という気持ちが私の中に芽生えていた

『連絡先交換しようよ!今度ごはん食べに行こう』
ショウから突然の誘いにビックリする私
どうせ社交辞令だろうと思いながらも
気付いたら連絡先を交換していた

タイムリミットがあった為
ミカと急いで電車に乗る
電車に乗り帰路についた私の元に
ショウからメッセージが届く
『今日は会えて嬉しかった。帰り気を付けてね』
『それで…ごはん行けたら嬉しいけど、空いてる日あったりする?』

年甲斐もなく舞い上がった私は
ショウと次に会う約束をした

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