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今さらドンキーコング64を遊んだ話・最終回

【結】ドンキー64を遊んで何が得られたのか?


ラスボス・キングクルールとの決戦

ドンキーコング64の完全クリア(101%クリア)には次の条件を満たす必要がある。

ゴールデンバナナ201本

ブラストマティック設計図40枚

バナナメダル40枚(バナナを75本を集めて入手×5匹分×7ステージ分+最終ステージで特定条件を満たして入手する5匹分=40枚)

バナナフェアリー20匹の撮影(高速で飛ぶナゾの妖精をカメラで撮影、20匹撮影でゴールデンバナナ201本目を入手)

バトルクラウン10個(ザコモンスターの大群を60秒捌き続けるミニゲームをクリアして入手、各地に10箇所存在する)

レアコイン(JET PACのクリア)

N64コイン(DKアーケード2周目のクリア)

ボスキー8本(各ステージのボスを倒して入手するのが7本分+最終ステージでレアコイン・N64コインを入手していないと開かない扉の先にある1本=8本)

これら全てのコンプリートによって、ラスボスであるキングクルールとの決戦に挑むことができる。

長い激戦の果てに戦うキングクルールだが、

確かにラスボスを張るだけの強さこそあれど、このゲームの全てを攻略し切るほどの並大抵でない忍耐力と経験値があれば決して勝てない相手ではない。

鍛えられてきた僅かな隙を縫った射撃、

今まで苦しめられただろうバレルジェットの操作、

不器用な動きながらも付き合ってきたカメラ視点の状況に応じた切り替え、

用意されたギミックをどう使うかの観察・推理力、

そして試され続けてきた適切なタイミングをモノにする能力…。

最後の一撃を放った後には、きっと万感の思いが込み上げてくるはずだ。


ドンキーコング64の終焉

延べ50時間、実時間で2週間以上に渡ってプレイしてきたゲームの終わり。

多くの怒りと哀しみがあった。

時に思わず怨嗟の声が口をつき、

時にコントローラーを投げ出し、

時に電源をブチ切った事もあった。


しかし喜びと楽しみもあった。

日々の休息の時間をゲームに使える歓喜に満ち溢れつつ電源を入れると同時に火が付く闘志。

苦闘の末にミニゲームを下した時にはガラになくガッツポーズし、

少しずつ確実に集まっていくアイテムはさながら勲章のようで誇らしい。


流れてくるエンドロールを観ながら浮かんだのは

「二度とやるこんなゲーム…」という疲労感に満ちて漏れた一言と、

「でも良いゲームだった…」というプレイしなければ絶対に出てこなかった感謝の一言。

えもしれぬ興奮、苦難と苦痛の先にあった喜び、全てを網羅する征服感。

これだ。これこそが私の欲しかったものだったのかも知れぬ。

エンディングが終わって、何度も見てきたオープニングにループしていくのを見届けながら心の中で呟いた。

Move end.


総評と感想

禁忌の扉を開ける背徳感を醸し出すメモリー拡張パックのCMの知名度も併せて、世代の人間なら知ってる方も多いゲームであるが、

前評判通りの難易度の高さも相俟って、万人受けするゲームとはあまり言えないところはある。

ゲーム性のライトさでも評価を受け、発売年も近いマリオ64や時のオカリナとどうしても比較されがちなもところもあるが…。


だが、実際にプレイしてみると実に絶妙な調整が隅々まで施されているだろうのを感じた。

ゲーム製作において難易度をべらぼうに上げること自体は意外と容易なのだが、

「これよりちょい低いノルマなら達成できそうなんだけどな…」というラインをきちんと把握した上で、

そこから一段階上…プレイヤースキルを上げて頑張ればクリアできるギリギリまでで止め置く理性が感じられた。

また、(後述するが)随所で処理落ちが発生するこのゲームは処理落ちによるゲームスピード低下を見越した難易度調整を行っているフシがある。

筆者は未確認だが、後年配信されたWiiUのバーチャルコンソール版では処理落ちが解消されたためにゲームスピードが上がりクリアが困難になった箇所が見受けられるとの事。

スタッフがドンキー64の仕様・特徴をよく理解して調整をしていた証左ではないだろうか。


メモリー拡張パックの性能をフルに活かした(1999年当時としては)高品質な演出力やBGMの良さも眼を見張るものがある。

演出力に関してはPS2初期のソフトと比較しても謙遜ないレベルだと思うし、BGMも今でも全然聴ける名曲揃いだ。(個人的にはステージ6・7のボス戦BGMが好き、ボス戦のプレイ動画などで是非聴いてみて欲しい)


思うに、プレイして良かったと感じられるモノがあったならば、人生においてそのゲームには多分意義はある

日頃見ない体験やセンスに触れることができて楽しかった、でも良い。

心を揺り動かされることで久しく感じられなかった感情が表に出るのが気持ち良い、とかでも

見失った肯定感達成感を取り戻せた、とかでも良い。

マイナスを0に0をプラスにしていく再生と成長の喜びは万人に共通するはずだ。

きっと、その喜びは何にも代え難いのだから……。



余談

2022年7月現在、ドンキーコング64をプレイする方法としては、

ニンテンドー64とメモリー拡張パックを揃えての実機プレイか、WiiUのバージョンコンソールを用いたDL版を購入するしかない。

しかし先日発表されている通り、WiiUに関しては

2022年8月30日を以てのニンテンドーEショップへの残高追加の終了

2023年3月28日を以てのDL版ソフト購入の終了

以上が予定されている。


ニンテンドー64とメモリー拡張パックを今から揃えようとすると、安くてざっと10000円以上は掛かるようだ。(ちなみに筆者はこのソフトのためにメモリー拡張パックを5000円掛けて購入している)

幸運にもこれらのハードを持っている方は是非購入してみてはいかがだろうか。

Nintendo Switchでの配信が始まる事を願うばかりである。



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