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映画「ルックバック」感想。ネタバレ注意です。

本日、劇場版「ルックバック」を観てきました。

ご存じチェンソーマンの藤本タツキさんの漫画が原作で「このマンガがすごい2022」でオトコ編1位になった超名作です。


予告編はこの1か月に10回以上観て、その都度泣きました。
原作漫画も何回も読み返しては、都度泣いています。

そんな自分でしたが、今回の映画化で号泣したシーンがあります。原作漫画ではいまいち理解ができなかったのですが、今回の映画化で感銘をうけました。それは物語のラストシーンです。

以下、ネタバレ注意です。



























ラストシーンですね。これが実はこの映画の最後のセリフになります。以降はセリフはなく、描写のみで話が進行します。つまり、描写のみでこのセリフへの問い、「なぜ藤野は漫画を描いていたのか?」を説明しているのです。

原作ではこんな感じです。主人公二人の漫画制作の過程の描写が描かれていました。

今回の映画化でさらにそこがブラッシュアップされました。二人でスパゲティを食べながら漫画を描く。インクをこぼして原稿を汚した藤野が京本に謝る。ひたすら机に向かい原稿を描いている二人。などなどが追加されました。このシーンにかなりの尺をとっています。どれも静止画なんですが必ず画面に二人がいるんです。怒ったり、苦しんだり、喜んだりしていますが必ず二人なんです。漫画では3コマほどの内容だったこともあり、自分はよくわかっていませんでした。今回の映画版でようやく気が付きました。

あ、そうか。藤野は京本と一緒に漫画つくることがたのしかったんだ。
そのことを二人の輝かしい思い出描写を見せることで表現しているんだ。
たしかに、このシーンにセリフはいらない気がする。
お調子者気質ですぐに嘘をつく藤野のセリフで返答させるよりも、よほどスマートな演出だと思いました。いろいろなテーマがこの映画のなかに内在していますが最終的には、藤野と京本の友情の話だったんですね。

だとしたら、最後のシーンはどうなのでしょう?

京本の部屋から4コマ漫画メモを持ち帰り、再び漫画制作にとりかかる藤野。彼女の後姿を映しながらエンドロールがはじまり、最後には部屋が消灯し映画は終わります。

藤野の想いはどこに向かうのでしょうか?
漫画制作の原点は「京本と一緒だったから。」だとするならば、京本が亡くなった後にそのモチベーションはあるのでしょうか?京本の部屋には大量の「シャークキック(藤野の漫画)」がありました。京本はアンケート投稿も続けていたようです。だとすると「シャークキック完結までは京本のためにも!」と考えるかもしれませんが、その後は?

明確な返答がないまま、映画は幕を閉じます。その後の藤野に関しては鑑賞者の想像に委ねているのでしょう。

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