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花束みたいな恋をしたのラストシーンについて。

いい映画でした。
恋愛についての映画なので、観る人の恋愛感や人生経験によって見方が変わると思います。喜劇なのか?悲劇なのか?答えは見た人一人ひとりの心のなかにあるのだと思います。

そのような映画である前提で!
特に私はラストシーンのことについて話したいと思いました。

以下、ラストのネタバレあるので気をつけて下さい。












ラストシーンというのは映画が始まって、1時間57分後。主人公である2人が別れて数年後に偶然街で再会するシーンです。

いや、正確には再会ではなくお互いにその存在に気が付くも、声をかけるわけでもなく、見つめるわけでもありません。それぞれには新しいパートナーがいるから。

切ないとか悲しいとか、そう言うシーンではないんです。本当に主人公2人は全く表情を変えないまま新しいパートナーと歩き出します。2組のカップルはエレベーターを降りて、左右に別々に歩き出します。

背中を向けた元恋人達はお互いに元パートナーに手をふります。でも、お互いに振り返って見ないので、元恋人達は気がついたことを理解できず、そのまま歩いていってしまいます。

この2人の手を振ってのお別れ、そしてお互いが振り返らないシーンが何とも言えない気持ちになりました。

ムギくんもキヌちゃんも、あの手を振るシーンでは何気に元恋人に振り返って自分を見てほしかったのだと私は推測します。振り返ったら元恋人が手を振ってくれている。それだけで何だか元気をもらえた気がします。キヌくんもムギちゃんも、元恋人にエールを送ろうとこのような行動をしたのだと思います。でも、お互いに振り返らなかったので、結果的にこのエールは相手には届かず、自分自身の「ひとつの恋の踏ん切り」をお互いがしただけになりました。
お互いが相手への優しさ、エールを届かせようという思いがかえって何も相手には届かなかった。なんだかそんなシーンに思えて、この場面は何とも恋愛の儚さというかを考えさせられました。

私はこのシーンが一番好きです。
Amazonプライム・ビデオにもあるので未観の方は是非!

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