ルパート・イールズ=ホワイト 『質問力ノート』
僕にとってのこの本:
良い質問とは何か、学校でも会社でも習うことはほとんどない。よい質問は、聞く力からうまれる。よい質問は相手を尊重することからうまれる。
もとの題は、
Ask The Right Question
コーチ・エィアカデミアのテキストにある、参考文献の一つでした。
1997年出版。30年近く前か。翻訳者の戸田氏の翻訳が2004でした。
Rightか、どんなニュアンスなんだろうか。「正しい質問をする」とはなかなか強い題だな。訳者の戸田ちえ子氏は、コーチ・エィアカデミアでクラスを受講させていただきました。
以下は目次です。
第一章 よい質問が人に行動を起こさせる
第二章 会話に必要なのは「よい話し方」ではなく「よい聞き方」だ
第三章 よい質問は5W1Hを使ってつくる
第四章 質問することで説得できる
第五章 質問することで自分の意見を主張できる
質問を作ることについてよりも、質問の意義と、聞く力についての記述が多い本です。そして、それこそが大事なことなんだろうなあと妙に納得できる内容になっています。
以下、私にとっての重要なフレーズ。
・クローズドクエスチョン
事実をはっきりさせたいとき、答えをすぐに出してもらいたいとき。相手のやる気を出させたいときにも。
「本当にやりますか?」
・私たちがそれを多用しがちな理由
1 学校教育
2 安心を求める心理
3 無知
学校教育には手厳しい。
・5W1H
2つのグループに
発見の疑問詞 what why how
行動計画をたてるための疑問詞 who where when
発見の疑問詞は主に会話のはじめの方で、後者は終わりの方で登場することになる。
・上記さらにくわしく見る
whatの役割
問題をはっきりさせる 考えさせる whyの意味をはっきりさせる
whyの役割
説明を求める 原因を特定する
Howの役割
アイディアを探る 考えさせる
・よい質問ができないと、よい聞き方はできない。
攻撃的な聞き方
聞きたくない話に遭遇すると
深呼吸で対処
本書は、プロのコーチである戸田氏による翻訳もあって、コーチングを志す人にとって特に学びやすい内容になっています。
最近学んだのですが、コーチングとはそもそも、1990年代のアメリカで研究が本格化した組織開発のスキルだそうです(たぶん)。そのアメリカでではどうやってコーチングが始まったのかといえば、それはネイティブコーチと呼ばれる、優れた指導力をもつスポーツコーチ、教師、上司、などをサンプリングして共通項をまとめあげたもの、なのだそうです。
私は学校で働いていますが、もしかしたら、周囲にも質問力がある、そんな同僚もいるのかもしれない。人がどんな質問をするのか、興味を持って観察してみたいと思いました。