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闘病記その14-2

【原田美穂子プロデュース「祐貴のお嫁ちゃん瑶子さんを勝手に自慢しちゃうよ」の会 の巻】

~祐貴と瑶子さんのお披露目夕食会挨拶~

本日はお忙しい中、原田美穂子プロデュース「祐貴のお嫁ちゃん瑶子さんを勝手に自慢しちゃうよ」の会にお集まり頂きありがとうございます。
日頃大変お世話になりながらなんのお礼もできぬまま皆様のお優しさについつい甘えてばかりで申し訳なく思っております。御礼の気持ちも込めましてご招待させて頂きました。いつも心から感謝しております。

さてこの度素晴らしいご縁に恵まれ瑶子さんという素敵なお嫁ちゃんを皆様にご披露できますこと、こんな日がくるなんて夢のようです。

私が難病と分かってからいいことひとつもないじゃんと生きる楽しみもなく自暴自棄になった時期もありました。そんな時に神様からの贈り物が届きました。
幸福を届けてくれる女神様、原田家に舞い降りた女神は瑶子さんです。
私にも生きる目標ができました。
そしてこれからはガッテンチームの一員となって応援してくれそうです。
私がやっていた事務長の仕事も継いでくれることになりました。
祐貴さん、最高の親孝行をありがとう。これからもここにお集まりの皆様にご指導いただきながら頑張っていきましょう。

皆様宜しくお願い致します。
2022年10月15日  蓬莱吉日庵にて

これは、8月に入籍はしたものの、結婚式は、来年の4月ということなので、こういうの企画するの大好きおばちゃんの祐ちゃんママはさっそく計画を立てました。お呼びするのは私がお世話になっているガッテンチーム(その4に詳しく書いています)のメンバーと、主人と私の知人というか主人の兄貴分の先輩ドクター二人、来賓として錦織監督夫妻と祐貴の小学生の時と高校1年の時の担任の先生にお越しいただきました。
今の祐貴の根底というか原田祐貴の三分の一は、このお二人の先生方からの魂のこもった教え、学ばせてもらったことによる影響力で形成されている、と言っても過言じゃないほどお世話になりました。

小学4~6年まで担任だったH先生からご祝辞を頂戴する。

このお披露目会は、私を支えてくださってる方たちへのお礼の気持ちも兼ねて開催しました。ですから、席次表には、母のPTAつながりとか、母の女性会、母の教育委員会メディア対策、母の同級生、などと書かれています。
祝辞を恩師から頂き、乾杯の音頭は錦織良成映画監督にしていただきました。来賓はこのお三方だけなので、本当に内輪の集まりで初めから泣いたり笑ったり忙しかったです。

企画は私がしたつもりでいましたが、司会はガッテンチームのメンバーで高校の後輩、元アナウンサーの美和ちゃんが買って出てくれました。
進行についてはすべてお任せしていました。
最初に集合写真を撮ることになっていて、和室の上座に三段のひな壇が組立ててありました。そこの所定の位置について新郎新婦の入場をワクワクドキドキしながらみんなで一点を見つめて待ちます。
それでは、新郎新婦の入場です、と美和ちゃんの通る声で、宣言されます。と同時に、目の前何メートルか先のふすまがすっと開けられ、新郎新婦二人の大好きな(ちなみに私も負けないくらい好きです、)Official髭男dismのUniverseが鳴り響き、最高の笑顔で光輝いている二人の登場です。わぁーキレイ、かわゆい、カッコイイなどと賛美の言葉と拍手👏がなりやまぬ中、二人が近づいてきます。
もうあきましぇーん。(T_T)二人の姿が目に飛び込んだその瞬間から涙があふれて、せっかくの晴れ姿が涙の洪水で全然見えません。(豪雨で車のワイパーが役に立たず一切前が見えない、まさにその状態)このことが後に取り返しのつかないことを引き起こし、私が大後悔することになります。
二人の登場がすんだのか、一瞬の静寂が訪れ、ここでサプライズが。(私はこの時点ではもはや耳だけの参加状態なので、詳しくはお伝えできなくてすみませんm(__)m。)
いきなり祐貴がしゃべりだした模様。原稿も持たずに。何やら聞こえてくるのは、「父の背中を見てきた」とか「二人の子どもで良かった」とか。えっえーこれって感謝の言葉じゃ?見たい、聞きたい、それなのに涙と鼻水をすする音に阻まれて、肝心なところは聞き逃すという大失態。

入場の後いきなりサプライズ

おまけにサプライズだったのでみんなノーマークで、スマホも席に置いてきてるし、ビデオ係の弟も何も持ってきてなかったため、誰も記録することが出来ず、私は泣いてる場合じゃなかったとただただ後悔するばかり。一番大事な場面を聞き逃すなんて、どうしても何と言ったのかしりたくて、原稿見せてと頼んだら、そんなもんないよと冷たくいわれ、これはもう瑶子さんから頼んでもらうしかないとすがるようにお願いする。
流石に瑶子さんの頼みは無視できず、原稿書くかと言ってくれました。
やったー!と小さくガッツポーズ。もちろん心の中で。しかし、待てど暮らせど一向に書いてくれてる気配もありません。最初は照れてるんだろうと思ってあんまり催促しないようにしてましたが、本当に何の音沙汰もないので、ちょっと催促してみました。と、返ってきたのは、4月の結婚式でどうせ言うがな、と。えーっ、それまでお預け?犬じゃあるまいし。
一気に力が抜けた美穂子であった。

この披露宴の中で祐貴はなぜか交際期間を1年半を1カ月半と言い間違えをしてしまいます。
監督さんから、さすが原田先生の息子さんですね、決断力がある、とほめられたので訂正するタイミングを失ってしまう。

本題に戻ります。お披露目会は、ほかに出し物があるわけでもなく、あちこちで新郎新婦との大撮影会的なモードになっていた。
そんな中高校時の担任の先生や主人の先輩ドクターのお二人が一番末席の私のところまで来てくれて、励ましの言葉をかけてくださいました。
中でも一番印象に残ったのが、S先生の言葉です。私の頭を抱きしめてくださり、「気管切開でも何でもやって、とにかく生きなきゃだめだぞ。」と言ってギューッと自分の胸にわたしの頭をはぐしてくれたのです。もうこれにはあたりかまわず号泣でした。そしてこの会を開いてよかったと思いました。私はそのころちょうど手術を受けるかどうしようか迷っていました。
なぜならその手術は、咽頭気管分離術と言って受けると声を失うことになるからです。考えただけでも泣いてしまってました。一人で決断するにはあまりにも重すぎる課題でした。そのため多くの方に相談し、いろんなお考えやアドバイスをいただきながらちょっとずつ前に歩みを進めて行ってました。
中でも私の心を揺さぶって離さない言葉をご紹介させていただきます。 

『人魚姫が、声を失った代わりに脚を手に入れた。そんな風に考えてみたらどうだろう。 声を失ってみないとその辛さは分からないけれど、声が発せられなくても今は自分の意思表示のできるツールはあるから。 声を失った代わりに食事が出来る様になるなら、私ならそうするかも知れない。
私はなんでもおとぎ話や、アニメのキャラクターに例えてみる。』
これは、若佐久美子さんからいただいたメッセージです。「私が人魚姫?」なぜだかそんな風に言われると悪い気はしなくなり、恐ろしい手術の話だったのに、ニヤッとしてしまう自分に驚きました。彼女もがんと闘っていますが、彼女の場合は、闘うというよりは、うまく共存している。今の自分も自分なんだから受け入れて、と。病気になってできなくなったことを嘆くより病気になったからできたこと、出会えた人のこと、今まで気づかなかったことに気づかせてもらえたこと、などいいこともいっぱいあるでしょ、とニコニコ笑いながら言うすごい人。私のお師匠さんです。彼女はバレエの先生。(彼女の著書「最後のレッスン」ぜひお読みください。)

若佐久美子先生が会いに来て下さいました。

彼女は高校の後輩になります。もう一人、先輩の山本恭司さんから頂いたメッセージを。
『僕は想像力を誰より使うことに長けてると思っています。 そして僕が同じ立場なら迷うことなく多分美穂子さんの取る選択をします。 迷いなど全くないです。 試練という言葉には辛いという意味合いは多分に含まれていると思うけど、病気に限らず人は常に試練と向き合っていると思っています。 そんな試練に感謝出来る日も来ると僕は信じています。』
山本恭司さんは、その8に登場して頂きました。恭司先輩がシェアしてくださったおかげで、より多くの方に読んでいただけて、お会いしたこともない方から、エールのコメントをたくさんいただきました。本当に感謝しています。闘病記の中で、その8がずーっと不動の一位を保持しています。
お陰様で全体ビューは5,311と5000を超えました。励みになっています。

水郷祭の花火を船上から見る。主人主宰の学会の打ち上げに、アトラクションの演者の恭司さんと会長招宴の司会者の美和ちゃんと。

そしてこの披露宴をして気づいたことは、私は一人で闘っているんじゃないということです。ガッテンチームのメンバーはみんな家族のように親身になって心配してくれてるし、少しでもいいことがあれば一緒になって喜んでくれます。泣いたり笑ったり忙しいですがとても助かっているし、励ましてもらっています。彼女たちのおかげで頑張られている自分がいます。
そしてなにより瑶子さんという新しい家族が増えました。このことは、私にとって、夢と希望が持てるようになりました。
そして、私は、一大決心(その4から思わせぶりなことをしてお待たせしました。)をすることにしました。声を失うという恐怖と不安から考えたくもなかった咽頭気管分離術を受ける決心をようやくすることが出来ました。

この2人の存在がどれだけ心強かったか。決心する最後の決め手になったのは、息子の一言でした。「どんな選択をしようともぼくらはそれを尊重し全力でバックアップするから、ゆっくり考えないや。」と

つづく
いよいよ結婚式を迎えます。

  



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