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今年1番のMY RECOMMEND アルバム


すずめティアーズ
Sparrow’s Arrows Fly so High


すずめのティアーズのデビュー(?)アルバム。

最初に聞いたのは、サラーム海上さんのNHKーFMの音楽遊覧飛行だったかなと思います。
ブルガリアンボイスの歌唱法で日本民謡を歌うという画期的な手法。
それからNHKーFMのピーター・バラカンさんのウィークエンドサンシャインとか(取り上げてないかも。うろ覚え)、ゴンチチのお二人の世界の快適音楽セレクションなどでも取り上げられました。
ゴンチチさんからは、『椎葉駄賃付け節』の中西レモンさんの合いの手が吉幾三さんを彷彿とさせて最後何か面白うこと言うのかなと期待してしまったと言われていました。
中西レモンさんに関しては、同じくNHKーFMの『民謡を訪ねて』と言う番組で知りまして、中々面白くしかもセンスのいいアレンジをされていて日本の民謡の未来を担ってくれる貴重なミュージシャンだなと思いました。
この番組はどの回も面白いですが、特にMixed by DJ俚謡山脈の佐藤雄彦さんと斉藤匠さんの回がとても良いです。
なぜなら、音源として出回っていない現地でいきなり録音したみたいな息づいた民謡が聞けるからです。
中西レモンさんの存在もこのお二方の回で知りました。
TVなんかでやっている民謡のアレンジってただプラグに挿した楽器、要はエレキとかシンセとか、ロック風にアレンジしてみましたみたいな手前味噌感が半端なくてダサいんですよね。
むしろ日本民謡や邦楽の良さを壊してしまいよりダサくしてしまうという。
民謡クルセーターズとか切腹ピストルズとか中西レモンさんはかなり色んなジャンルの音楽を聴いている音楽マニア、オタクなんだと思うんですよね。
だから絶妙なアレンジで異国の楽器も歌唱法も独特の音階、ラップ、ダブ、ロック、ブルースが溶け込んでいけるんだと思います。
これは相当音楽好きじゃないとできないと思います。
中西レモンさんの経歴に関してはここでは省きますが、中西さんの合いの手をされていたのがすずめのティアーズのお二人だったようです。
CDの帯は、町田康さんが絶賛の言葉を寄せています。
最近では、Xで、大友良英さんがプッシュしていました。

恐縮ながら私のイチオシ曲を2曲。

ザラ板節

この曲はアルバムの中でも特に中心的な曲というか集大成かなといった感じの曲かと思います。
まさにブルガリアンボイスと日本民謡がシンクロして飲み込んだり飲まれたりしながらだんだん混ざり合ってボーダレスになってしまいおんなじ魂になってしまうというか。
これを聴いた時、日本民謡パートよりブルガリアンボイスパートがなぜか私の心を鷲掴みにしたというか、もっと奥深くの潜在意識が震えたみたいな感じがして自然に涙が出てきて、喉が痛くなり胸が熱くなりました。
こういう音楽は生きていて何十年に一回あるかないかです。
日本人みんなにきいてほしい!

糸繰り節


奄美大島の島唄です。
これは個人的に自分の母親が奄美大島の離れ島沖永良部島出身で、親戚も住んでいるから。
そんでそこに住んでいるいとこの娘二人が島唄を習っていてかなりの腕前で生で聞かせてもらったことがあるけど泣いてしまいそうになるくらいよかった。『六調』と『ヨイスラ節』。
『ヨイスラ節』はまるで奄美の透き通るようなエメラルドグリーンの海とそこに漂う小舟、そしてその穂先に止まる白鷺が目に浮かびまるでその世界に吸い込まれるようでした。
あの島の空気や匂いと島唄がそうさせたのだと思います。
ガットギターを弾くあがささんがこのCDでは歌っていますが、唄者ではないですがとても素晴らしい歌声で歌われています。
あのカラッとした暑さと、ゆったりした時間と美しい海の景色の中で、大島紬を紡ぐ様子が目に浮かぶようです。
奄美の島唄は、女の人の声が主流なので沖縄のような高いキーではなく独特の音階と掠れとコブシでとても渋いです。

日本人としてこんな風に日本の民謡を歌い活動している方達がいるのはすごく嬉しいですね。
外国で受けてほしいとかは思わないけど、やっぱり日本人は日本の民謡に原点回帰してほしいし、もっと知ってほしい。そして一昔前みたいにダサいと言われないカッコよくアレンジしてる人たちが、アンダーグラウンドで、ムクムクと成長していることに気づいてほしと思います。

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