6/14、スタチン以外

本日の実習では昨日と関連して非スタチン系脂質低下薬について注目して学習した。
本日取り扱った症例は高脂血症の治療のためにロスバスタチンに加え、エゼチミブとロスバスタチンの配合薬のロースゼット、パルモディアが処方されていた患者さんであった。
ロスバスタチンはスタチン系であり、スタチン系は昨日取り扱ったが、HMG-CoA還元酵素を阻害することで血中コレステロールを減少させる。エゼチミブは小腸におけるコレステロールの吸収に関わる小腸トランスポーターの働きを阻害し、血液中のコレステロールを低下させる薬剤である。パルモディアはフィプラート系でありコレステロール合成阻害作用やリポ蛋白リパーゼを活性化することにより、トリグリセリド分解促進作用や血液中のLDLコレステロールやトリグリセリドを低下させ、HDLコレステロールを増加させる薬剤である。このようにこの患者さんは多数の高脂血症治療薬が以前処方されており、慢性的な高脂血症だと考えられる。高脂血症の第一選択はスタチン系であるので、この患者さんはスタチンのみで効果不十分のために他の機序の薬剤を追加で処方されたと考えられる。また、同時に高尿酸血症治療薬のフェブキソスタット、糖尿病治療薬のフォシーガ、抗血小板薬のエフィエントとワーファリン、高血圧治療薬のエンレストが処方されているため、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を多数患っている患者さんであると考えられる。
このように非スタチン系脂質低下薬はコレステロール吸収阻害薬やフィプラート系以外にも胆汁酸吸着剤、ニコチン酸系、PCSK9モノクローナル抗体といったさまざまな機序の薬剤が使用される。




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