見出し画像

『今手元にある武器を寄せ集めて』

世間的には一夜にして大成功を収めるストーリー、いわゆる「アメリカンドリーム」みたいなストーリーがもてはやされる。だけどそんなストーリーは幻想でまずあり得ない。
どんなに短期的に圧倒的な成果を挙げた人がいたとしても、それは短期的に挙げた成果の裏にあるみんなが見ようとしない膨大な量の積み上げに裏打ちされたものに過ぎない。

例えばGoogleは1998年に創業して2004年に上場まで漕ぎつけ、その後圧倒的なスピードで成長して今はGAFAMと言われる世界が誇る巨大企業にまで成長した。(2022年時点でアメリカの上場企業がそこに行き着くまでにかかった年数は平均16.5年。)
こうやって聞くとGoogleは圧倒的なスピードで成功を収めたように聞こえる。しかし創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは幼少期からコンピュータに触れており、しかも大学でもコンピュータについて学び、さらにアメリカトップクラスの大学院での研究過程を経た後にGoogleを立ち上げている。
確かに創業から上場まではたった6年だが、この話を聞くと、とても6年だけのサクセスストーリーとは言えない。

他にも短期的に圧倒的な成功を収めるサクセスストーリーは挙げればキリが無いほど見られるだろう。きっとあなたの身近なところにも転がっている。だけどそのどれにもみんなが取り上げない、あるいは見ようとしない積み上げがあることを忘れてはいけない。
全く未経験の分野で短期的に成果を挙げた人がいたとしても、その人のバックグラウンドを丁寧に追っていくと必ずと言っていいほど未経験の分野で活かせる武器を持っている。(「未経験からプログラミングをやって数ヶ月で稼げるようになりました!」という話の裏には前職が営業職でかなりの成績を収めていた、みたいなオチが隠れている。)

===========================
で、僕が今日言いたいのはここからで、
「好きなことに挑戦するのもいいけど、まずは自分の手元にある武器を吟味して勝ちやすいところでまず勝ってしまうのがいいんじゃないか?」
ということ。

もちろん好きで好きでやりたくてたまらないことが見つかった人にはどうぞその夢を追って欲しいと思う。好きなことに挑戦する人を僕は否定しないしむしろ応援したい。
だけど人は好きって感情だけで突き進めるほど簡単じゃない。
いくら好きなことであっても成果が上がらなかったらつまらなくなるし、仕事にするとなるとその好きなことで生きていけないとなるとそれをやっている場合でもなくなってしまう。そうなってしまったら元も子もない。
逆に得意なことをやって成果が上がると、だんだんと面白くなってくる。面白いと思うともっと工夫したいっていう創造性、積極性が生まれてさらに成功してまた楽しくなる。そんなポジティブループに自分を乗せることができる。

好き先行でも得意先行でも上手くいけば結局同じであることは確か。ただ自分の武器を考えずに好きだけで突っ走ると高い確率で修羅の道になることも確か。
結果が出ない期間が長く続くとそれだけ挫折する可能性も上がってしまうから。

好きが見つからないなら無理して見つけなくていいし、好きなことがあっても今はそれを追いかけるタイミングじゃないってこともある。
生きていれば色んな人に出会うし色んな場所に行くしその間に挑戦してみたいことやチャンスだと思うことが見つかることだってある。ただやりたいことを見つけるにも、やりたいことが見つかったとしてもそれで成果を上げるまでにはかなりの時間がかかるのは確か。

だからまずは自分の手元にある今まで身につけてきた武器を俯瞰してそれを寄せ集めてみて勝ちやすいところでとっとと勝ってしまう。好きなことをするのは基盤を築いたその後でも遅くないのではないか。というかちゃんとまず生きのびれるだけの術をとっとと身につけてから取り組んだ方がいいのではないかとも思う。
人って思うよりも怠惰だし、結果が出ないままずっと頑張れるほど強くもないんだから。

===========================
PS: ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!もし面白かった、ためになったと思っていただけたら僕に「缶ビール1本差し入れしてあげようかしら。」くらいの気持ちで記事を購入していただけると嬉しいです。


ここから先は

0字

¥ 300

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,435件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?