24.03.06- ココナッツカレー

2024.03.06
胃カメラを終えてご飯を食べる。まだ喉と鼻に麻酔が少し残っているようで気だるい。カメラを入れた後だから、食事をしてもなんとなく、胃に物を入れる作業をしている感覚になる。さっきこの目で見た空間に、今は食べ物が詰まっていっているのだ、などと考えると自分にとっての「食事」という概念自体が変わってしまいそうだ。

それにしても、自分の胃の色は想像以上に綺麗だった。生命を感じさせる、ハッとするようなピンクと赤の中間の色。そんな神秘的な場所にカメラという異物を入れるのだから、身体は条件反射で抵抗する。健康のための診断だと頭では分かっているのに、身体が死を直観しているという矛盾があった。もう二度とあんな体験はしたくない。

2024.03.17
花粉に思考力を奪われる。二日酔いの朝みたいに、頭がぽわーっとして、思考がまとまらずに散っていく。これは、植物の人間への反逆だ。

そんなぼーっとした頭を抱えながら新規リアルをした。好きな人のタイプの話になって、僕は「面白い人。funnyでもinterestingでも。どっちもだったら最高。」という話をした。彼は「性に対する価値観が合う人。」と言っていた。街中で手を繋ぐのは嫌だけど、二人でいる時は甘えたい、とか、そういった価値観のことだと。

僕は相手と価値観が合うか、というのを真剣に考えたことがなかったなと思う。自分が相手の価値観を愛せるかどうかが基準になっていて、相手が自分の価値観をどう捉えるかという考慮が不足しているのかも知れない。

帰りに彼と一緒に無印に寄って、海老のココナッツカレーを購入する。彼がいなければ食べることはなかったカレーはとても美味しかった。たぶん彼とはもう会うことはないけれど、このカレーはまたリピートする。

2024.03.23
Twitterの趣味アカウントを久しぶりに見ていたら懐かしいフォロワーを見かけた。彼女は自分より10歳以上年上の女性で、スーパーの半額になった惣菜やお菓子にスープ春雨のカップのフタを乗せた写真に「#スープ春雨ダイエット」というハッシュタグを付けて投稿するのを繰り返していた。

彼女の投稿には特にいいねが付くわけでもなく、「カップ乗せてるだけやん。ダイエットでも何でもないやん。」というツッコミを待ち続けるかのように繰り返された。僕はそのしつこさが面白くて好きだった。そんな彼女の最新の投稿を少し遡ると、性懲りも無くまだスープ春雨のフタを乗せた画像が上がっていて、何だか嬉しくなってしまった。

同じ趣味アカウントで数年前によく見かけた男性のことを思い出す。彼はたぶん50代くらいで、お金がなくて、最近やっと仕事に就いたという感じだった。職場の人間関係がうまくいっていないようで、どんなことをされたとか、死にたい、ということをポツポツと呟いていた。彼のアカウント名を記憶で辿り入力すると、2年半前で更新が途絶えていた。顔も名前も知らない相手だけれど、どこかで元気にやっていて欲しいと祈った。

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