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【週刊少年マガジン企画書応募作】

タイトル

ヒーロースーツ


キャッチコピー


「スーツを着れば誰でもヒーロー、のはずだった…」


あらすじ

近未来、スーパーヒーローになれるヒーロースーツが販売された。
着るだけで多彩な特殊能力が手に入る。
だが正義の心は売っていない。力を持つと心の歪みが表面化する。ヒーローになれず挫折する者。力を悪事に使う者。巻き起こるトラブルと訴訟沙汰。

ヒーロー物で見落とされがちなトラブルを通じて、真の正義と責任の重さを問う。
スーツ販売会社内の『スーツ販売部』『トラブル解決部』『訴訟対策部』が、三つ巴で揉める。主人公は『トラブル解決部』の桄黄汰郎。
黄汰郎はヒーロースーツ発明者の息子だった。父を殺され研究は奪われた。会社の関与を探る為、黄汰郎は入社したのだ。
謎を探りつつ、毎回スーツにより巻き起こるトラブルを解決する。


第1話のストーリー

近未来。スーパーヒーローになれる特殊スーツを開発しているヒーロースーツ社。
社訓は「スーツを着れば誰でもヒーロー!」・・・それは本当だろうか?
高額の戦闘用スーツを買った成金が、スーツを着て街を破壊していた。
自分を振った女を許せずスーツの力で略奪しようとして、街も破壊しているのだ。
丸で悪に染まったスーパーマンといった暴れぶりだ。
 
ヒーロースーツ社『トラブル解決部』の桄黄汰郎(くろつぐ こうたろう)は、スーツのエネルギーパックを抜き取ろうと奮闘していた。パックが抜ければ活動停止になる。
しかし相手は、スーパーマン並みの戦力だから人間では手に負えない。
見兼ねた『スーツ販売部』主任・青柳大輝(あおやぎ だいき/社長の息子でイジメっ子)が、売り物のヒーロースーツを着て倒す。その際、建物を破壊したので多額の損害賠償を会社は請求される。
『訴訟対策部』で青柳の許嫁(現在保留中)の赤兎月麗(せきと らら)に連れられ、黄汰郎と青柳は裁判を受ける羽目に。
建物を壊したのは青柳だと主張する黄汰郎。
一方、黄汰郎がスーツを着ていれば被害を最小に抑えられた。『トラブル解決部』の癖に、何故スーツを着たがらないのかと問い詰める青柳。
 
黄汰郎は口を閉ざすが、スーツに対しては他の人とは違う考えがあるようだ。
街にある壊れた銅像の前で、青柳に説明する月麗。
「この銅像は、ひとつの教訓なの。訴訟騒ぎでいつもこの像のことを考える」
それは初代ヒーロー、ブラック・スパークの銅像。
ヒーローだったが闇落ちして、人類を恐怖に陥れた。現在は行方不明。ヒーロー像は市民により破壊された。
スーツはスーパーパワーを与えるが、心の歪みを肥大化させる。力には責任が伴う。
「誰でもスーツは着れるが、誰でもヒーローに相応しいわけじゃない」
黄汰郎は、そう確信していた。
 
そんな折、三着のスーツが盗まれる。
月麗は黄汰郎を疑っていた。彼が許可なく、社内の重要機密セクターをうろついていたのに気付いたから。
黄汰郎の自室には、謎の隠し部屋があった。そこには黒いスーツが隠されていた。
果たして、スーツを盗んだのは黄汰郎なのか? 彼は何者か?
悪か正義か。


第2話以降のストーリー

『ヒーローズ』と名乗る、3人の男女が現れた。
彼等は、巨大隕石衝突による地球の危機を訴えた。
スーツ社は、彼らをヒーロースーツ窃盗容疑で訴える。
 
しかし、スーツは誰かに送られたものとして容疑を否認。更にスーツ社と自分たち『ヒーローズ』と、どちらを信じるか民衆に投票を呼び掛けた。
そして、その間に隕石をスーパーパワーで破壊して地球を救った。
こうなると『ヒーローズ』は大人気。人類の8割が彼らを支持した。
また、その威力を知った人類は、そんなパワーをもたらすヒーロースーツを盗まれるとは管理不行き届きだとして、社を批判した。むしろ『ヒーローズ』に責任をなすりつけていると、炎上騒ぎになった。
 
そもそも利益重視で高額にスーツを販売している、ビジネス優先の姿勢が危機を呼び込んだのではないか。
無責任な金持ちにスーツをばら撒いても、彼らは地球を救わない。
『ヒーローズ』がいなければ人類は死滅した。宝の持ち腐れ、地球や人類より利益優先かと叩かれる。
世間の批判を恐れ、『ヒーローズ』とヒーロー契約をするスーツ社。
『ヒーローズ』を捕まえるように対応していた黄汰郎・青柳・月麗は、責任を取らされて休職扱いになる。
唯一人、青柳の部下・宮内だけが会社の情報や物資を融通して面倒を見て、味方してくれた。
 
連中が盗んだことを証明しないと、会社に復帰できない。
けれど、今や『ヒーローズ』は英雄だった。
もしそれらがすべてヤラセなら・・・。それが証明できたなら。
巨大隕石が突然現れたのも不自然だ。宇宙用スーツを使えば、隕石の軌道を変えることも可能だ。
青柳と月麗は、スパイ用スーツを着て諜報活動をする。
スーツには色々な用途のものがあるのだ。
黄汰郎は、やはりスーツを着ないで活動する。
 
『ヒーローズ』のメンバーを追跡した。
すると連中はそれぞれ仕事を干されて、世間に恨みを抱いていたことが判明した。テロを企んでいた情報もあった。
 
壊された銅像を見詰める黄汰郎。それは彼の兄の姿だったのだ。
実はヒーロースーツを発明したのは、黄汰郎の父だった。
父は殺され、スーツの権利はヒーロースーツ社が独占したのである。
そして父の作ったスーツを着て、一旦はヒーローのブラック・スパークとして活躍した兄だったが、闇落ちして世界を破壊しようとした。それが突如、行方不明になり地球は救われたが、一体兄の身に何があったのかは一切不明であった。
黄汰郎の部屋にあった黒いスーツは、父と兄の形見だったのだ。
「力には責任が伴う。誰でもヒーローなんて嘘だ、資格のない人間はスーツを着てもヒーローにはなれない。ヒーローに大事なのは優れたパワーではない、正義と責任感だ」そんな思いを、心に刻む黄汰郎。
だからこそ、おいそれとはヒーロースーツを着られないのだ。
自分にその資格があるか躊躇しているのだ。
 
スパイ活動により、『ヒーローズ』の陰謀が解った。
彼らを裏で指揮していたのは、何と青柳の部下・宮内だったのだ。宮内が休職中の黄汰郎たち3人の手助けをしたのは、味方したのではなく見張るためだったのだ。
隕石衝突と救済は、『ヒーローズ』の自作自演だった。世界は彼らに騙されたのだ。
ヒーロースーツ社を押さえれば、強敵は居なくなる。ヒーローを作れるのはスーツ社だけだからだ。
世界征服は赤子の手を捻るようなものだった。そして、その首領こそが宮内だったのだ。
 
それを知った青柳と月麗はスパイ用スーツで戦うが、そもそもそれは宮内が味方のフリをして提供したものだ。当然、仕掛けが施されていた。
エネルギーパックが自動放出して、活動停止になる2人。
動けない青柳と月麗を、無残にも『ヒーローズ』の3人はいたぶった。
リンチをするヒーローがどこにいるものか!
なのに、世界中継で見詰める民衆は拍手喝采した。
彼等の目には『ヒーローズ』が正義で、やられている2人は悪党だからだ。
悪党がやられても誰も抗議はしない。当然だと思う。
人類は簡単に悪魔に騙される。何故なら本当のヒーローとは何かを、考えたことがないから・・・力と責任の重さを知ろうともしないから。
 
2人を救うため、兄のスーツを着るか否かで煩悶する黄汰郎。
同僚を救うためには着なければ・・・
「着れば兄の様に悪魔になるかも・・・」
果たして、自分にスーツを着る資格があるのか?
正義とは、力とは、その責任とは・・・
ファッションやカッコ良さではない、本当のヒーローの資格を問われる瞬間だ。
そして、黄汰郎は心を決める。
ブラック・スパークが復活する。いや違う、正義の心を持った真のヒーローの誕生だ。
希望の光を求める新ヒーロー、『ブラック・シャイン』である!!
宮内を含めた『ヒーローズ』を倒し、黄汰郎は真のヒーローとして立ち上がった。
 
勘の良い月麗は、『ブラック・シャイン』の正体は黄汰郎だと思う。だが黄汰郎にはアリバイがあった。
『ブラック・シャイン』が登場した時間に、黄汰郎は他の場所に居たことが街の防犯カメラで判明する。
それは勿論、黄汰郎が仕掛けたフェイク映像だ。
こうして仲間にも秘密のまま、人類の危機に変身するヒーローが現れた。
今回の様にスーツ社が悪の手に落ちても、黒いスーツの在処を秘密にしておけば世界は守れる。だからこそ、正体は秘密にしておかなければならないのだ。
 
我が社にはないスーツ。誰が作ったのかしらと訝しむ月麗。
黄汰郎は思う。「スーツは誰もがヒーローになれる道具ではなく、誰がヒーローになれないのかをあぶり出す踏み絵だ」
「俺はこれを着ても、兄の様にはならない!」
こうして父の死の謎を解き行方不明の兄を探す、黄汰郎のヒーロー活動が始まる。
  
以降展開
黄汰郎、青柳、月麗は互いの部署でいがみ合いながらも、時として協力してヒーロースーツによるトラブルに対応していく。
『ブラック・シャイン』の正体を明かしたい月麗は、黄汰郎を疑いながらも魅かれて行く。許嫁が他の男に関心を持つのは、社長の息子である青柳のプライドを傷つける。いじめっ子体質の彼は、黄汰郎に辛く当たる。
3人が私生活でも仕事でもぶつかり合いながら、事件を解決していく。
その一方で、父の死と発明を奪った者の割り出し等、スーツ社の中の不正や謎を黄汰郎は探っていく。
また行方不明の兄の救出と原因究明も、サイドストーリーとしての見所である。



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